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基本操作、基本走行

「あれー、今日は彼女ちゃんも一緒ー?」
「彼女じゃないです」
「間違ったー。妹ちゃんも一緒ー?」
「……ええ」

今日も今日とて、黒マスクが似合う受付さんに冊子を貰う――少し後ろには、透華もいる。

家を出たところでばったり遭遇、偶然にも同じ時間に予約したとのことで、一緒に登校することになった。

「君は1号車ねー。技能はー、ここの裏にある教習用コースでやるよー。ボロボロのバス停みたいな待機所があるからー、そこで待ってて―」

ボロボロって言っちゃうんだ……。

「ウリ君、行くよ」
「あ、ああ」

透華と共に、建物の裏へと向かう。

「いやー、車を自分で運転するなんて、やっぱりドキドキするよぉ」
「そうだな……」

僕は色んな意味でドキドキしている。

今回はいったい、どんな教官が相手なのか――幸い、体調は受付さんにもらった特製栄養ドリンクのおかげか、万全に近い。

三回でダウンするようなことにはならないと思うが……どんなエッチな女の人なのかという期待半分、どんな責めをしてくるのかという恐怖が半分だ。

というか、車の中でいったい、どんな責めが待っているのか――カーセックスという言葉は知っているが、別に運転しながらセックスするわけじゃない。
そんなことをしたら、普通に危ない。

となると、事あるごとに一時停止して、フィードバックと共に責め――みたいな感じになるのか?

「おおー」

透華の感嘆で、我に返る――全容が見えた教習用コースは、非日常感に満ちていた。

陸上競技場くらいの広さはあるだろうか? 舗装された周回コースに、坂道、正体不明のポール、信号機、踏切や背の高い植木なんかも見て取れる。

コースは想像以上に立派だ――ただ、待機所は受付さんの言う通りの有様だった。

「おばあちゃんちの近くに、こんなバス停あったなぁ……まだあるかな?」

目に見えて劣化している木製のベンチに、錆びた鉄柱に、強風が吹いたら飛んで行ってしまいそうな薄っぺらい屋根――まぁ、日陰で待てるだけマシか。

ベンチに二人並んで座ったタイミングで、校舎のほうからチャイムが響いた。

『荊妻せんせー、1号車ー。気位せんせー、2号車ー。橋ヶ野
はしがや
せんせー、学科ー』

続いて、受付さんの怠そうな声が響く。

「技能受けるの、私たちだけみたいだね――って、私、お姉ちゃんとだ。よーし、ちゃんと仕事してるかチェックするぞー!」

愛らしく、体の前で拳を握ってみせる透華――気合十分といった様子だ。

……というか、今気づいたのだが、透華が同じコースにいる中、僕は連続射精させられるわけで、挙動次第ではバレるかもしれないということか?

その点は、さすがに教官側――荊妻さんも気を遣ってくれると信じたいが……。

「ところで、ウリ君、お昼なんだけど、一緒にどうかな?」
「あー……いいぞ」」

正直、昨日のような有様になる可能性が高いので、断りたい気持ちもあるのだが、これから行われることを理由に、想い人からの誘いを断りたくはない。

つき合ってもいないので自己満足に過ぎないが、自己満足は大事だ。

もう少し、自己満足
オナニー
しておけばよかったと後悔してる。

「またファミレスか?」
「あっ、ごめんごめん。言葉足らずだったよ。お母さんがウリ君連れて来いって……なんと天ぷらそばだよ!」
「な、なぜ?」
「ウリ君とお昼食べてくるかもって言ったら、久々に会いたいって言い出して……どうかな?」

気位家での昼食……懐かしいな。それこそ、小学生のときの夏休みなんかは、よくご馳走になったものだ。

「……じゃあ、お邪魔しようかな」
「うむうむ、存分に邪魔してくれたまへ」

透華は腕を組んで、頷く――仕草がいちいち可愛くて困る。

「……ん? 僕とお昼を食べてくるかもって――お前、偶然同じ時間になったって言ってなかったか?」
「えっ……と! えー、か、かか、確信があったんだよねー。ウリ君は昔から早起きだし、用事は午前中に終わらせておきたいタイプだしっ! そうっ、幼馴染の勘だよ、勘!」

焦ったように声を高くさせて、そっぽを向く透華――目に見えて怪しい。

もし、わざわざ時間を合わせてくれたのなら、嬉しいことこの上ないが、どうやって僕が予約した時間を把握する? あのフランクな受付さんだって、さすがに他人が予約した時間を教えるようなことはしない――しないよな?

それか、遠華さんに聞いたとか? あの人なら何食わぬ顔で、予約した時間どころか、住所や電話番号など、個人情報を漏洩しかねない。

「えっとぉ、そのっ……!」
「…………」

透華の顔には焦りだけではなく、汗が浮かんできた――滴る汗の粒を追って、白いうなじから、その下を見そうになって、僕も視線を逸らす。

しかし……もしかして、僕が思っているよりも脈があるのか?

――いや、いやいや。

この、目の前に広がる非日常空間も相まって、地に足がついていないというか――変な高揚感が、根拠のない自信に繋がっているのだろう。

勘違いで特攻、玉砕するわけにはいかない。
最悪最低な考えだが、せめて『間違い』を起こせるくらいの距離ではありたい。せっかくセックスが上手くなっても、セックスが出来なければ意味がない。

そんなことを考えていると、車のエンジン音が聞こえてきた。

車には疎いので、何の車種なのかはわからないが、長方形に近い形と言えばいいだろうか――ファンの方に怒られる表現になるかもしれないが、平成初期感があるというか、そんな車だ。

待機所の前にある駐車スペースに、スムーズな運転で駐車――車から出てきたのは、濃紺のスーツを着こなした女性だった。

切れ長の瞳に、端正な顔立ち、墨のような黒髪をうなじの辺りで纏めたその姿は、仕事のできるOL――を通り越して、どこかの社長秘書をしていても違和感がないくらいのクールで知的な風貌だ。

「1番さん、少し早いですが、始めましょう」
「あ、はい」

見た目通りの慇懃な口調……第一印象だけだと、とても『裏コース』を担当する淫乱教官のようには思えない。
まぁ、楓さんもそうだったので、僕の第一印象なんて当てにならないが。

「助手席にどうぞ」
「……じゃあ、また」
「あ、うん」

透華に声をかけ、助手席へと向かう。

「……気位さんの妹さんですね?」
「あ、はい」
「お姉さん、妹さんが相手だからとダラダラしていましたが、釘を刺してきたので、もうすぐ来ると思います。暑いですが、もう少しお待ちください」
「わ、わかりました。姉がいつもお世話になってます……」
「いえ、勤務態度はともかく、快く接してくれるいい先輩ですよ。では、いつか、教習で」
「はい。そのときは、よろしくお願いします」

優等生の先輩後輩の会話といった感じだ――あの人に日々、困らされてきた年下ということでシナジーがあるのかもしれない。

一応、荊妻さんが運転席に入るのを待って、ドアを開ける。

強風のクーラーが音を立てている車内――助手席側の足元にあるペダルが目についた。補助ブレーキというやつか。

「冊子をもらえますか?」
「はい」

荊妻さんが冊子に目を通している間に、着席、シートベルトをつける。

まじまじと冊子を見ているようだが、いったい、楓さんはどんな引継ぎをしているのだろう……見ようと思えば見れるのだが、怖くて見れていない。

「では、技能の最初の項目ですが、車の乗り降りの際の注意点や運転前の準備、操作を覚えてもらった後、早速、運転してもらいます」
「わ、わかりました……」

いきなり運転か……エッチのことばかり考えていたが、こちらも中々に不安だ。

「フォローはしますので、怖がり過ぎずにやっていきましょう」

顔か声に出ていたか、早速フォローされた――淡々とした励ましで、楓さんと違って、表情も硬いままだが、高角が少し上がったように見える。

微笑もうとしている? 笑うのが苦手な人なのかもしれない。

「初めに、今日、走ってもらうコースを私が走りますので覚えてください――と言っても、外周を周回するだけですが」

荊妻さんは冊子を日よけに挟み、シートベルトをつけ、正体不明のレバーを動かして(ギアというやつか?)、車を発進させる。

「コースの外周を時計回りに走り続けてもらいます。道路と一緒で、左側通行です」
「はい」
「慣れるまではゆっくりでいいですが、直線では50キロは出せるようにしたいですね」

言葉通り、車が加速していき、中央にあるデジタルに50の数字が映る――助手席からでもスピードが確認できるようになっているようだ。

「カーブの前ではしっかり減速して、曲がれる速度を作りましょう」

カーブの直前には5キロを下回るくらいまでスピードが落ちていた。揺れを感じない、滑らかなブレーキだ。

「カーブの際は進行方向、遠くを見て――道路ばかり見ていると、片側に寄ってしまいます」

そんな感じでコースを一周、
「ここが発着点、1番に止めてくださいと言われたら、合図を出して、発着点に入り、縁石に寄せ、車の先端を1番の看板に合わせて、停止。パーキングブレーキをかけ、ギアをパーキングに入れて、エンジンを止める……これが基本的な流れです。その都度、声掛けはしますし、わからないことがあれば聞いてください」
「わかりました」

正直、自分でやってみないと何がなんやらだが、流れは掴めた――気がする。

「では、運転席へどうぞ――ドアを開ける際はしっかり周りを確認し、少しドアを開けてから、素早く降りましょう」
「はい」

フラグになりそうな感想なので考えたくないが、至って普通の授業だ。
もしかすると『裏コース』担当の教官ではない、とか?

スケジュールの都合で、『裏コース』用の教官を僕に当てられなかったのかもしれない。

「まず、座席を合わせていきます。ブレーキを思い切り踏んだときに余裕があるくらい、ひじは少し曲がるくらいに合わせてみてください――動かし方は大丈夫ですか?」
「は、はい」

レバーを操作して、座席を動かしてみる。

「で、できました」
「はい、ではシートベルトをつけて、問題ないか確かめて下さい」
「……大丈夫です」
「次はミラーですね。ルームミラーは真後ろが中央に映るように」
「……はい」
「サイドミラーは、横にLRのスイッチと上下左右のボタンがあるので、車体が四文の一、路面が半分から、三分の二ほど映るように調整してみてください」
「……できました」
「次は……ペニスを出してください」
「……はい?」
「ペニスを出してください」

速やかなフラグ回収だった。

「チャックがあれば、そこから。なければズボンを、ペニスが露出する程度に下げてください」

あくまで淡々と、ペニスを出すよう要求する荊妻さん――ここで戸惑っても、向こうに迷惑なだけなので、黙ってズボンを下ろす。

「だ、出しました……」
「そうしたら、勃起させてください。想い人を思い浮かべても、昨日の授業を思い出しても、構いません――もちろん、私を使ってもいいです」
「――――」
「もちろん、触ることは許しませんが――画餅明利さん、あなたは相手の顔を見て話すことを徹底しているようですね。強く、意識的に……いい心がけだと思います。話しているときはもちろん、運転中も私の胸を見なかった男性は初めてかもしれません」

荊妻さんは窓の外を見ながら、ゆったりとタイトスカートとストッキングに包まれた脚を組んだ。

「盗み見ることをしない――できないようなので、言ってあげます。どうぞ、私を見て、頭の中で好きに犯してください」
「っ」

まず目に入ってきたのは、おっぱいだ。

スーツの下の純白のブラウスに隠された、丸々とした双丘は言うまでもなくデカい――ただ、そこに存在しているだけで、勃起するには十分だというのに、このおっぱいは今、おっぱい専用の最強装備を纏っている。

シートベルト。
俗に言うパイ/状態にあるのだ。

左肩から右腰にかけて伸ばされたシートベルトは、右乳の内側をむぎゅっと歪め、さらに谷間を強調――おっぱいが二つだという至極当たり前なことを明確に、艶美に伝えてくる。

今すぐ、学科の教科書のシートベルトの効果のところに、『女性の胸を強調し、男を欲情させる効果もある』と書き足してきたいくらいの、見事なパイ/だ。

さらに、膝丈のタイトスカートを履いた状態で脚を組んだことにより、顕現したのはストッキングに包まれた太もも――全容は計り知れないが、しなやかという形容詞が頭に浮かぶ。
細すぎるわけでもなく、たるんでいる印象もない、健康的な脚――太もも上部はスカートに隠されているが、シートに乗せた尻も魅力的な円を描いている。

上半身は言わずもがな、下半身も、全容を見たいと思える着こなし――裸を見たいと嫌でも思わせる、魅惑の着衣状態。

「すぅ……はぁ……」

勃起するには十分――どころか、お釣りがくるくらいのエロさだ。

「――――」
「ど、どうしました?」

僕の勃起チンポを見た荊妻さんが絶句していた。

「――いえ、記憶にある弟のペニスとは比べ物にならないものですから」

と、淡々と言う荊妻さん。弟がいるのか――というか、その言い方だと、まるで……。

「言っておくと、私は処女です」
「…………」
「なので、他の方々のようなテクニカルな責めには期待しないでください」

つまり――僕はこれから、こんなドスケベボディをした、クール系美人(処女)に淡々と責められるということ?

「……これが、カウパ―というものですか? はぁ……まだ触ってもいないのに――引継ぎ通りの、貧弱ペニスのようですね」

荊妻さんは軽蔑するように目を細めつつ、ポケットから小さな四角の袋を取り出した。

「コンドームです。ザーメンをぶちまけられると掃除が面倒なので、つけさせてもらいます。失礼します」

あっという間に、コンドームを装着された。

「んっ……しょ、処女なのにコンドームつけるの、上手いですね……」
「練習しましたから。蚊帳さんからディルドを借りて」
「…………」

僕のチンコにコンドームをつけるために、この人がディルド相手に練習しているのを想像する――じんわりと股間の奥が熱くなってきた。

「これから技能の授業を行う際は、相手が私ではなくても、車に乗ったらここまで準備してください。わかりましたか?」
「で、でも、これ、助手席のほうから覗かれたら見えるんじゃ……」
「左側通行ですから、外周を走っていて助手席側から見られることはないです。例え、左側に人がいても――」

荊妻さんが窓の外へと視線をやる――いつの間にか駐車場にやってきていた、もう一台の教習車の中には、透華と遠華さんの姿が見えた。

「っ」

目が合った――が、二人とも微笑むだけだった。

「これくらい距離が離れていれば、死角になります。このコースで、画餅さんのペニスを観測できるのは私だけです。路上でも、歩行者だったり、左側の車線に止まった車の座席の高さがかみ合わなければ見えない。そして、その二つは教官が体制を変えれば隠すことができる――なので安心して……」

荊妻さんは、いきなり耳元まで体を寄せて、
「ザーメンどぴゅどぴゅ吐き出してもらって構いません」
そう囁いた。

抑揚のない声でのオノマトペは、予想外の威力で――多分、コンドームの中は大量の我慢汁でいっぱいだろう。

「では発進の手順を教えます」

荊妻さんは体勢を戻し、あくまで淡々と言う。

「まずブレーキ……左側のペダルを踏みながら、キーを回してください。エンジンがかかります」
「――はい」
「ウインカーは上に倒せば左、下に倒せば右です。出してみてください」
「……あの」
「何ですか?」
「弄りながらでいいですか? 学科がそうだったので、何だか落ち着かなくて……」
「――はぁ」

冷たい嘆息。

「あなた、どれだけ変態的なことを言っているか、わかりますか?」
「は、はい……すみません……」

しかし、意外とあのチンコリンク学習が効いているのも確かなのだ。
目を閉じて、チンコを握るだけで、昨日のことが脳裏に鮮明に浮かぶ。

「一日で調教されるなんて……蚊帳さんの技術も凄いんでしょうけど、『裏コース』に入るべくして入った、ということですか。仕方ないですね――どうぞ、好きにしてください」
「あ、ありがとうございます」

左手でチンポを上下に、右手でウインカーを上下に動かす。

「では、ペニスではなく、これ……チェンジレバーを握ってください」

今度は右手にペニスを、左手にチェンジレバーとやらを持つ。

「Pは駐車時、エンジンをかけるときやキーを抜くとき。Rはバックです」
「っ」
「今、何を想像しましたか?」
「えっと……」
「言わないと、今すぐ、そのペニスをドライブギアに入れて射精させます」
「そのっ、荊妻さんとバック――後背位でセックスする、ところです……」
「素直なのはいいことです。ペニスに素直過ぎるのはいけないですが」

荊妻さんは満足そうに頷いてから、目を細め、こちらを睨む。

「それで、妄想内の私はどうでしたか? どこが、どう、あなたのペニスを震わせたのですか?」

まだ続けるのか?
これは……蚊帳さんのような優しい責めではない。

厳しく詰られているわけではないが、ただ淡々と詰められている。
逃げ場が塞がれていく感覚――何故だろう? 苦しい胸の奥に、ねっとりとした高揚感が溜まっていく。

「す、ストッキングを破って、挿入して……引き締まった、でも大きいお尻がパンパンって、音を鳴らして……」
「それで?」
「はだけさせた胸は、後ろからでも見えるくらい、ぶるんぶるん揺れて……」
「はい」
「荊妻さんは……こっちを睨みながら、でも気持ちよさそうに喘いで……ました」
「逞しい妄想力です。それだけの性欲を持ちながら、窃視しないのは本当に尊敬しますよ――次、Nは緊急時以外、使わないギアです。Dは通常走行時のギア。2とLはエンジンブレーキが必要な際のギア――急な下り坂などで使います」
「な、なるほど……」

まずい――自分から言い出してなんだが、荊妻さんを使った妄想を説明させられた状態でチンポを弄っていたら、射精しそうになってきた。

とりあえず、人差し指で撫でるだけに止める。

「では、発進してみましょう。ブレーキを踏んだまま、ギアをDに入れてください」

さすがに、チンポを握りながら発進するわけにはいかないので、右手をハンドルに置く。

「次にパーキングブレーキを下げてください。最近の車は、足元についていることが多いです」
「はい」

運転席と助手席の間にあるレバーを下げる。

「一旦、ブレーキを離してもらっていいですか?」
「? はい……って!」

車が前進を始めた。慌ててブレーキを踏む。

「このように、AT車はエンジンがかかっているときにPかN以外にギアを入れると、勝手に進みます。これをクリープ現象というので、覚えていてください」

び、びっくりした……何かやらかしてしまったんじゃないかと思った……。

「ああ、すみません。ペニスを擦っていないと、覚えられないんでしたっけ?」
「っ……」

荊妻さんが僕のチンコを掴んだ――シコシコというよりは、レバーを扱っていたように、前後に振られる。

「クリープ現象――いいですか? クリープ、クリープ、クリープ、クリープ現象です……って、ビクビクさせて、今度は何ですか?」
「んっ……くっ……!」

真顔で首を傾げながら、チンポレバーを握る手に力を込め、ガシガシと動かす荊妻さん――上下運動じゃない分、射精にいきなり近づくことはないが、確実に快感が溜まって行っている……!

「クリ、ですっ!」
「はい?」
「クリ……クリトリスを想像しました……!」
「ふふっ」

……笑った?

「失礼……変態も、手中に収めてしまえば可愛いと思いまして……って、またですか? この調子ではいつまで経っても進みませんよ? 仕方のない人ですね……今度は何ですか? 手中のチューとかですか?」
「え、笑顔が素敵で……」
「……は?」

透華のように爛漫でもなく、受付さんのような煽り性能もない。楓さんのように慈愛に満ちているわけではないけれど――ああ、語彙が足りないのが惜しい。

とにかく、ぐっと来たのだ――心にも、股間にも。

「……年上をからかうのはやめてください」
「い、いや、そんなつもりは……」
「では、行きましょう。発進の際は、ルームミラーで後ろを確認してから、ウインカーを出して、周りを確認してください」

荊妻さんはチンポレバーから手を離し、元の体勢へ――表情も元に戻ってしまった。

「危険がなければ、発進してください。最初はクリープだけで、ゆっくりコースに入ってみましょう」
「は、はい」

安全を確認し、恐る恐るブレーキを離す。

「おお……」

クリトリス――じゃなくて、クリープ現象で少し進んだ後、ハンドルを切って、コースに入る。

「徐々にスピード出してください」
「は、はい」
「……はい。このくらいからブレーキを踏み始めて、曲がれる速度を作ります」
「……すぅ」

ブレーキをかけ、速度を落とし、頭に先ほどのお手本を浮かべつつ――ハンドルを切る。

「――っと!」

中央線を越えて、反対車線にはみ出てしまった。

「早いですね」

耳元で囁かれる。

「射精だけじゃなく、ハンドル切るのも早いです。しかも、出し過ぎ――ではなく、切り過ぎです」
「す、すみません……!」
「……できないのは、初めてなので仕方がないと言いたいところなのですが、ミスには罰を与えなければいけないので」

……なるほど。この囁きが『裏コース』の内容というわけか。
荊妻さんは「ふぅ……」と息を整えて、改めて囁きを再開する。

「いきなりハンドルを切らなくても、車は曲がってイキます。一点ではなく先を見て、曲がる角度を確認、ゆっくりハンドルを切り始めて、足りない分を足すイメージ――頑張って、体で覚えてイキましょう」

わざとなのか、僕がスケベなだけなのか、『イキ』の部分が強調されて聞こえる――昨日は突かれた余韻でイってしまった僕ではあるが、さすがに少しの刺激もなくイクことはないが、しかし……。

こうして耳元で聞いてみると、いい声をしている――やや低く、それでいて可愛らしさのある声。
クール系事務的のエロボイスを作ってもらいたいくらいだ。

「踏みます」
「――お願いします!」
「……生憎、補助アクセルはついていないので、直線では自分でアクセルを踏んでください」
「そ、そうですよね! すみません!」

いい声だからって、何を言ってるんだ、僕……!
慌ててアクセルを踏む。

「ここで加速したら曲がれ切れませんよ?」
「そ、そうですよね!?」

慌ててブレーキを踏むが、
「うっ!?」
強く踏み込んでしまい、車体が揺れる。

「す、すみません!」
「……カーブを曲がって少ししたところで、一旦止めましょう。パーキングブレーキをかけて、ギアをPに入れてください」
「は、はい……」

やってしまった……。
というか、荊妻さんがいつの間にか耳元から離れていた。確かに、あの距離にいたら衝突の可能性があったが――僕の挙動を読まれていたのか?

「さて……」
「っ」

再び荊妻さんが、耳元に口を寄せてきた。

「んっ……まず技能の話ですが、運転は流れです。曲がったら終わりではありません。気をヌかないように――もう一度言います。ヌかないように」
「は、はい」
「それと、ブレーキは一気に踏み込まないように――というのは、言わなくてもわかっていると思いますので、意識をしつつ、踏んでイキましょう」
「わ、わかりました」
「……次に『裏』の話ですが」

視界の端で、荊妻さんの腕が動くのが見えた――股間のほうに伸びてくる。

今の、肝の冷える運転があってなお、僕の股間のエンジンはかかりっぱなしだ――今触られたら、イってしまう。

……ああ、駄目だ。
我慢しなくちゃいけないのに、彼女に囁かれながらイかされると思うと、嬉しくてたまらない。

「……?」

ただ彼女は、びくびくと震える僕のレバーではなく、隣にあるパーキングブレーキを握った。

「学科では、知識とペニス、双方に意識を向けたと思いますが、技能では違います。もちろん、技能でもアドバイスの最中にペニスを使って覚えるのは構いませんが」

囁きながら、パーキングブレーキの感触を確かめるように、指先でなぞっていく荊妻さん。

「運転中は運転に集中してください。ペニスと……んっ、ペニスと、運転をできるだけ切り離して」
「…………」
パーキングブレーキ先端についているボタンが、荊妻さんの指で厭らしく弄られているのを見ているだけで、チンポレバーの先端がムズムズしてくる。

「運転中の敵の一つに、眠気というものがあります。眠気を抱えたまま、運転するのはとても危険ですし、これは、同じ三大欲求の性欲にも同じことが言えます。つまり、性欲を煽られた状態で集中を切らさずに運転できたのなら、大抵の状況を落ち着いて走行できるわけです――というのは、こじつけです」
「っ」

瞬間、荊妻さんはパーキングブレーキをがっしりと掴み、シコシコ、シコシコと高速で扱き始める。

「ペニスと意識を乖離させる技術は、早漏改善に繋がるだけではなく、射精タイミングの調整に役立ちます――駄目です」
「……あっ」

――無意識に、股間へと伸びていた手を抑えられる。

「今、射精したら、使用済みコンドームを彼女に渡します」

荊妻さんはそう言って、僕の後ろのほうに視線を移す――振り返ってみると、すぐ横を教習車が追い抜いて行った。

「……わかり、ました」
「そ、そんな泣きそうな顔をしないでください。辛いのはわかりますが、苛めたいわけではないですから……」

初めて、少し困ったような声が聞こえてきた――僕はよほど酷い顔をしているんだろうが、彼女はどんな顔をしているのだろう?

離れて見てみようかと思ったが、
「それで、射精タイミングについてでしたね」
話が始まってしまった。

「そうですね――あなたが先ほど妄想した場面で例えてみましょう。『あんっ、あんっ♡ 駄目、駄目ですぅ……♡ こんな、教習中に、こんなっ……んっ!♡ 駄目、駄目……なのにぃ……♡ ちんちん気持ちよすぎぃ……♡! イクぅ……イっちゃうぅぅ……♡ 年下の男の子に、イかされるぅうっ……♡!』……この場面、不愛想な年上教官が無様に潮を吹きながら絶頂するのと同じタイミングで射精するよりも、潮吹いてアヘアヘ言っているところに追撃ピストン、中出し懇願を待って射精したほうがエッチですよね?」
「……されたいんですか?」
「――エロさの話です。個人的な好みを言うならば、騎乗位で連続射精を――ごほん、とにかく、射精のタイミングをコントロールできると、自分が思う一番エッチなタイミングで射精することができるんです。早漏ならオナニーしていて、射精シーンでイキたかったのに、その前で果ててしまって、賢者タイムで後悔……みたいなこと、あるんじゃないですか?」

心当たりしかない。
しかし、処女なのに早漏への造詣が深いな……『裏コース』の教官になるだけの性的好奇心はあるということか。

「ですので、技能ではどれだけ気持ちよかろうが、ザーメン発射しようが、とにかく運転のほうに意識を向けてください。コンドームの付け替えはこちらでしますから――ということで、この時間はここまでですね」
「……え?」

言われて気づく――車のデジタル時計は、10:57の数字が映っていた。

「では、発着点に向かいましょう」

荊妻さんはパーキングブレーキから手を離し、助手席へと体を戻した。

しかし、いつの間にこんなに時間が……説明が多かったり、初めての運転だったり、緊張していたので時間を気にするタイミングがなかったのは確かだが。

いや、というかこの時間、荊妻さんは僕を射精させる気がなかったような……。

「どうして射精させなかったのか? そう聞きたそうですね」
「ど、どうしてわかるんですか……?」
「顔に出ていますから――蚊帳さんなら、可愛いと言うんでしょうね。この時間、射精をさせなかったのは、その蚊帳さんからの引継ぎです」

楓さんからの?

「本来、適性検査の時間では射精させない予定だったそうです――左ウインカーを出してください。ミラーを見て、目視、はい、ハンドルを切って、スピードを落として、寄せていく……1番に止めてください」

難しい……もうちょっと寄せられるか? いや、看板はもうすぐそこだ。とりあえず、目標に合わせて、しっかり止めることに集中する。

「ふぅ……」

先端はうまく合わせられた気がするが……。

「はい」
「っ!?」

いきなり、荊妻さんがドアを開けた。思わず股間を手で隠す。

「これだけ離れています」

縁石からは50センチ以上の隙間が空いていた――寄せ切れていないとは思ったが、予想以上に離れている。

「車体感覚も徐々に掴んでいきましょう――失礼、日よけから冊子を貰っても?」
「は、はい」

ドアを閉め、冊子にペンを走らせる荊妻さん――さらっと飛んでもないことを仕掛けてくるな……。

「本来、最初に射精を我慢する気持ちよさを知ってもらい、早漏改善のモチベーションにしてもらう計画だったそうですが、蚊帳さんが射精させてしまったそうなので、ここで補完したわけです」

確かに、蚊帳さんも射精させる気はなかった、みたいなことを言っていた気がする。

「それで、どうでしたか? 長時間の射精我慢は楽しめましたか?」
「…………」

正直、辛い。
股間は限界まで肥大していて、早く射精させろと訴えてきているし、射精感の後ろには強烈な尿意も順番待ちしている。

だが、どうしてだろう?
射精したいという本能と同じくらい、射精したくないという理性がある。

終わらせたくない――この、限界まで感度が高まって、今にも体の内側で性欲が破裂してしまいそうな、限界の状況を楽しみたいと思っている。

「は、はい……凄く、楽しいです……」
「……はぁ、蚊帳さんの気持ちがわかった気がします」

荊妻さんは憮然と言って、冊子を閉じた。

「運転に関しては、最初にしてはかなりよかったと思います。次の時間も頑張りましょう――射精も、よく我慢しました。次の時間は容赦なく射精させるので、しっかり休憩していてください。車の中で待機でもいいですし、トイレに行っても構いません。もちろん、オナニーはダメですよ」
「わ、わかりました。じゃあ、トイレに行ってきます」

勃起を収められるかどうかはわからないが、この尿意だけは何とかしたい。

「コンドームは……勃起状態が解除されてから外したほうがいいですね」
「そ、そうですね」

今は少しの刺激も与えたくない。

「となると、あなたはこれからコンドームをつけたまま、白昼堂々とトイレに向かう……と」

荊妻さんはそう言ってから、呟くように微笑む。

「まったく、仕方がない変態ですね……♡」

――声に興奮が混じっているように聞こえたのは、僕の気のせいだろうか?

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