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【上】導入・手コキ

「その……ちょ、チョコだ。受け取れ」

最終下校時刻。
他の部員はもうみんな帰った。
剣道場の鍵締めを終えた頃には外は真っ暗である。

それじゃ帰りましょうか、と唯一居残っている部長にして彼女の”
草薙
くさなぎ
乙女
オトメ
”に声をかけると、待ったをかけられた。
草薙先輩はもじもじと包みを差し出した。

いつもぴんと張った背中は姿勢正しく、つんと上向きの胸を張って、凛としたポニーテールが似合う和風美人の彼女。
しかしいまは、ふだんと異なり弱弱しげ。
おれは自分の頬を抓った。

「え。夢じゃない?」
「な、なんだ。悪夢であってほしいということか。そんなに私のチョコを受け取りたくないか」
「いやそうでなく」

あの草薙先輩からバレンタインのチョコを貰えるなんて、至福の心地であった。
数日遅れだけど。

なんと言っても美人である。
それもとびきりだ。
彼女がとびきり美人だから、死ぬほど練習がダルくても辞めずに済んだまである。

剣道部なんて打たれるたび痛えし夏は暑いし冬は寒いし摺り足のせいで足裏が擦り剝けるし手の皮が厚くなるしで、汗もくせえし最悪だぜ入って後悔しかねえ小手もくせえ洗っても臭いがとれねえ泣けるぜ、なんてかつて思っていたが、その苦労が報われる思いだった。

「うれしいです。大事に食べずにとっておきます」
「ば、バカ者っ! 食え! 腐ってしまうだろうが!」
「だって食べたらなくなっちゃいますよ。もったいない」

呆れた、と草薙先輩はため息をついた。

「腐るほうがもったいない。遠慮せず食え。欲しければ、そのう、また作ってやるから」
「本当ですか!?」
「あ、ああ……」
「ぜったいですからね! 草薙先輩!」

大げさすぎだバカ者、とそっぽを向いて、オトメ先輩は前髪をいじいじする。

おれはすぐ包みを開けた。

とび
色の手拭を開くとなかには、洒落た小包装がされていて、結んだリボンを開くとチョコが出てくる。
すこし

いびつ
で、手づくりの感が強い。
よく見れば彼女の指には、いくつか
絆創膏
ばんそうこう
が巻いてあった。

「そ、そのだな。私は、その、ガサツな女だから、料理や菓子を作るというのは、その、あんまりしたことがなくて、だな……。遅れてしまったのもそういうわけで、や、やっぱりもう一度練習して作り直すから、これは返して、」
「すごく美味しそうです。いま食べてもいいですか?」
「……う、うん」

ひとくち運ぶ。
不器用な味がした。

「ど、どうだ……?」

ふだんと逆のしおらしい表情がきゅんと来た。
試合中は薩摩藩士が憑依したような裂帛の気合で一切の容赦なく撃剣を撃ち込み、得意の突き技のキレはさながら人間無骨、すわ先祖は森か島津か、とさえ噂される苛烈の美剣士と同人物と思えない。

「血と涙と汗の味がします」
「い、入れてない入れてないぞ!? そんなもの!? 髪の毛だって! ほんとだぞ!?」
「いや、アレです。比喩表現です」

彼女は潔癖な堅物なので、遠回しなのは伝わらない
性質
タチ
である。
もちろん冗談も通じない。
やーねー、剣術小町ってお堅いんだから、とお茶らけて心のなかで呟いた。

「ひ、比喩か。ならよかった。そんなものをチョコに混ぜるふしだらな女だとキミに思われてしまったかと……」
「いやいや。草薙先輩は真っ向勝負しかできない性格なの知っていますって。チョコに血だの毛だの混ぜる恋呪いみたいな、そんな絡め手染みた遠回りなこと」

するかしないかで言えば、する。
だって彼女、愛情が重いし。
ヘビーだ。
戦国武将で例えるなら細川忠興である。
愛する嫁の

ツラ
を見た庭師の首を刎ねて飾って見せしめたという狂乱のアレだ。
おれが部長以外の女子部員と会話するとき女子の方をすんごい目力で睨んで泣かせるくらいヘビーである。

由緒正しい大和撫子、和風女子と言えばそう。
日本の女性は光源氏の頃から嫉妬深いのが相場だが、彼女も例にもれずだ。

たま
さか寵愛を受ける、おれにしてみればちょっと湿度高めの感情で束縛されるくらいはかえって可愛いものだ、と割り切ることにしているが。
勝手にスマホ弄って女子の連絡先を消すのだけ止めてほしいけど。

「じゃ、じゃあ、誤解はないんだな?」
「はい」
「そ、そうかそうか。ならいいんだ。えと、そうだ。チョコのついでに一つ話しておきたいことがある」
「なんです?」

わざわざかしこまって。

「話というのは私の、呼び方だ。そのう、キミ、私のことを草薙先輩と呼ぶだろう」
「はい」

付き合い始めて半年たつ。
呼び捨ても恐れ多いし、部長呼びは他人行儀だしで、けっきょく ”草薙先輩” で落ち着いている。

「そろそろ、そろそろだ。下の名前で読んだらどうだろう。下の名前で」
「え? まあ、かまいませんけど」
「そうか! そうかそうか! よし、それでは呼んでみてくれ。じっくりねっとり愛情をこめてな」

ずいずい迫りながら頼み込んでくる彼女。
そんなに名前で呼んで欲しかったのだろうか、いままで。
剣道の練習後、さっぱりとシャワーを浴びたあとだから清潔なシャンプーのよい香りが漂ってくる。
汗臭さが消えているのはちょっと残念だった。

「お、オトメ先輩」
「もう一度」
「オトメ先輩……?」
「もう一度」
「オトメ先輩」
「ッ~~~~~~ッ!♡」

すごくうれしそうだ。
名前を呼ぶたび、うれしそうにニヤニヤしながら、ぎゅっとハグされる。
巨乳が押し付けられて、下半身のイチモツがふっくらしてくる。

彼女自身は大型犬がじゃれついて来るみたいな無邪気さのハグ魔だが、へたなセクシー女優を上回る豊満な肉体によってだから、性欲を我慢するのは大変だ。
おれの理性が鉄で出来ているんじゃなければ、いまごろ百回は押し倒している。

「あの。もういいすか」
「も、もう一回。それで終わりにするから」
「ほんとに最後すからね。オトメ先輩」

彼女はおれに抱きついてひとしきりジタバタした後、ようやく落ち着いた。

「こ、こほんっ。すまないな、見苦しいところを見せた。剣を握るものとして自制に努めるべきだった」
「可愛かったですよ。うちの犬みたいで」
「わ、忘れろバカ者っ!
処女
おとめ
の恥をほじくり返すような言動、武士たるもの控えるべきだ! 恥を知れ恥を!」

おれは武士ではないが、そう言っても火に油なので黙ることにした。
オトメ先輩は武士道が口癖なのである。
人倫とか道徳、または年功序列や先輩後輩上下関係に厳しいひとなのだ。
オトメ先輩は咳払いをした。

「ん、んん。……だ、だがまあ。私だけお願い事を聞いてもらった手前、不公平なのも事実だ。そちらから何かお願いはあるか。私に」
「いやおれチョコもらいましたし」
「チョコのお返しはホワイトデーにだ。別で期待しているぞ」
「はあい」

割と記念日とか忘れるタチなので、これでチャラにして欲しかったが、まあしょうがない。

願い事、願い事か。
なににしよう。
いつもスカート丈長めですけど今度から登校するときは裾上げて綺麗なおみ足が見えるようにしてください、と言おうとしたが、そうすると他の男にもオトメ先輩の生足を見られることになるんだよな、ソイツぶっ殺して生首飾ってやりたくなるからこれは駄目だな、と細川忠興イズム溢れる結論が出て没となった。

「ほんとに何でもいいんですか?」
「うむ。私も、お願い事を聞いてもらったからな」
「じゃ、えっちさせてください」

おれは頭を下げた。
彼女は一瞬きょとんとしたのち、色素の薄い肌色を耳の先まで真っ赤に染めて、素っ頓狂な声を上げた。

「は、はあっ!? と、とつ、とつぜん、な、ななな、なにを……!?」

壊れたロボットみたいにどもりっぱなしで可愛らしい、と思った。

「しょうじき、さっき胸が押し付けられてから勃起しているんです。とうぶん治まりません。下校するにも不便ですし、お願いですから、おれのおマラをお鎮め下さらんでしょうか」
「え、は、へ、えぇ……?」

とつぜんの性交渉要求、もはや内角高め
死球
デッドボール
すれすれの速球に彼女は目をまわした。
それでも、おれは頭を下げ続ける。
付き合い始めて半年間、セックスはもちろんキスもダメ、手を繋ぐのももちろんダメ、えっちなのはハラキリ、と言われているので我慢したが、こんな恵体の彼女がいて自慰で済ませるなんてできるはずもなくセルフ禁欲で悶々と過ごし、いい加減おれも限界であった。

このムチムチボディをまえにして我慢しろと男子高校生にいうのは、たとえば鬼になった妹が人を食う前に首を切って殺せというくらい残酷だ。
むしろ今まで耐えた俺はえらい。

「せめて手コキ、せめて手コキ!」
「な、ななな、え、て、手……?」
「せめて手コキ!」

おれは涙ながらに頭を下げた。
交渉術の基本に最初は無理難題を告げて、あとから妥協する形で現実案を出すというのがある。
断り辛くなるのだ、そうすると。
オトメ先輩は押しに弱いからきっと聞いてくれるはずだ。

必死のきもちが伝わったのか、しばらくの逡巡のあとオトメ先輩は、わかった、手だけなら、とぽそぽそと答えた。

「あまり自信はないが、それでいいなら。私のせいで今迄けっこうな我慢を強いてしまったようだし、そのう……お詫びみたいなものと思えば」
「あ、ありがとうございます! 天使! 女神! 細川たまの生まれ変わり!」
「ほ、褒めてるのかそれは……?」

もちろん褒めている。
たま(のちのガラシャ)は有名な戦国美人妻である。
狂乱の戦国武将・細川忠興の愛した妻なのだが、夫の忠興に負けず劣らずエッジが利いたエピソードが出てくる。
有名なのだと、嫁=ガラシャの

ツラ
を見たというだけで庭師の首を刎ねた夫・忠興に腹を立てて三日三晩のあいだ庭師の血で汚れた着物を着続けて無言の抗議としたとか。
閑話休題。

というわけで手コキである。
舞台
ロケーション
は鍵の閉まった剣道場。
おれたちのほかに人っ子ひとりおらず、来ても守衛の巡回があるくらいだろう。
おれは制服のスラックスから肉棒を取り出し、彼女に差し出した。

「そ、それじゃ……スるぞ。準備はよいな」

気分を落ち着かせるためだろうか、オトメ先輩はお堅い口調で訊ねた。
おれは元気よく答えた。



オス
! よろしくお願いします!」

試合のときより元気だな、と嫌味を言われつつ、おれは目を閉じた。
触覚に集中するためだ。

ひんやりとした感触、細く、長い、これは指だ。
オトメ先輩の指。
白魚のように美しく、しなやかで、よく絞まる手の内の手。
それが肉棒に触れて、ゆっくりと扱き上げる。

「あー……最高っす」
「そ、そうなのか? よくわからんが……男子はこんなのがきもちよいのか……? わからん……」

おっかなびっくり、割れ物に触るような慎重な手つきで、長く重たいワンストローク。
もうすこし早くしてほしい。
が、指示を細かに出すのも無粋かと思いするがままに任せる。
ひと擦り、ふた擦り、三擦りときたところで、要領を掴んだのか速度が速まっていく。

オトメ先輩は探るように変速し、ついに適速にたどり着き。
おれの陰茎は我慢汁が滲み出てきて、乾いた摩擦の音が水気を帯び始めた。
しゅり、しゅりとさっぱりとした音から、にちゅ、にちゅと淫靡な具合の水音へ。

「先っぽからっ、ぁっ、なにか出てきたぞ!? だいじょうぶなのか!?」
「大丈夫ですっ! で、出来ればもうすこし強く……!」
「も、もっとか? けっこう難しいな……力加減が、わからなくて……んっ……、い、痛くないよな……? たぶん……」

扱きがキツくなる。
おれは思わず呻いた。
オナホよりはるかに麻薬的な中毒性が、異性からの手コキにはあった。

おれが声を洩らすたび、不安そうにあわあわとオトメ先輩は口を開く。
遊びの最中に飼い主を見失った犬みたいで、ちょっと間抜けっぽく可愛かった。

「な、なんかビクビクしてきたぞ……? きもち、いいのか……?」
「ふぅっ……! はい、すっごく……っ。オトメ先輩、手コキ、上手ですよ」
「……そうか? なら、その、よかった。なにぶん色事は初めてだから、間違っているところがあったら教えてくれ。力の具合とか、作法とか」

ピンと閃きがあった。
悪だくみともいう。
オトメ先輩はけっこうなムチムチ無知っ娘である。
本人の古風な性格が性的な知識を弾いているのもそうだし、家が厳格でそういうことに厳しいのもあるのだろう。

付き合いたてのとき、下校のときくらい手を繋ごうと言ったら「て、手を繋ぐだと!? 男女でそんなことをしたら妊娠してしまうんだぞこのバカ者! 破廉恥な!」と理不尽に怒られたことがあった。
そのときは「手袋越しなら大丈夫ですよ。みんなやってますよ。快楽目的恋人繋ぎ。ほら、にーぎにぎ……ぐへへ、すべすべおてては人肌の温もりが恋しいみてえだな」とごり押してそのときは納得させ、正しい知識を身につけるときまで信じ切っていた。

その文脈を踏まえれば、今の状況を利用して、おれ好みの変態的な性作法を彼女に信じこませることが出来るのではないか? というのがアイデアの中身である。
そう思ったら行動は早かった。

「オトメ先輩。あの、そろそろ
射精

そうなので、顔を先端の、さきっちょの方に、
蹲踞
そんきょ
に構える感じで……ああ、そんな風です」
「な、なぜ顔をこっちに寄せるんだ? その、ち、ち……男性器のまえに」
「それが作法なんです。まさかご存じ、ないのですか?」

迫真の演技でそう伝えると、済まなさそうにオトメ先輩は頷いた。

「う、うん。申し訳ないが、色事には疎く」
「わかりました。じゃあ、おれが教えてあげますから、一旦聞いてください」

手コキで射精が近くなったら亀頭のまえに顔を近づけ、蹲踞の姿勢のまま顔面で受け止める必要がある、これは千利休が茶の湯の作法で示した詫び寂びの理屈と同様である、羽柴秀吉(美少女)が織田信長 (ふたなり)(諸説あり)を手コキした際、指示されずとも先んじて蹲踞ポーズをとり射精を顔で受け止め大層褒められた逸話はあまりにも有名、と口から出まかせを言うと、オトメ先輩は素直に信じた。
チョロい。

「くっ……そろそろ、
射精

まっ……ぐっ!」
「……わっ! あつっ……」

射精する。
ぶっかけられたオトメ先輩の顔は白濁に染まっていて、美しいものを汚辱に沈める背徳の美があった。
かけられた本人はその淫靡さに気づいておらず、無邪気な顔でなんでもないように拭っているのが乙だ。

オトメ先輩が愛用している藤色の手拭で顔を掃除するたび、それに精液が染み込んでいくのである。
いままで、こまめに洗濯してフレグランスの香りを纏っていただろうに、いまや青臭い雄臭を染み込ませ抜けなくなってしまったことだろう。
この事実だけでご飯三杯はイケる。

「う、上手くできたか……?」

不安げな顔で訊ねてくる、オトメ先輩は年上だ。
キュートだ。
この顔にもう一発ぶっかけたくなる。

「はい。先輩、剣もお上手ですがこっちも才能ありますよ」
「からかうな。もう。先輩相手に生意気だぞ、まったく」

とか言いつつ、まんざらでもなさそうに口の端がにっこり笑っている。

ふだん、自分はガサツな女だ、女としての魅力など皆無だ、竹刀を振るうばかりで女らしいことの一切を拒否してきた、手編みのひとつも覚えちゃいない、女子力は齢五つにして死んだ、と鏡を見たことがあるのかその目ん玉はガラス玉の節穴か、と疑うレベルの卑屈っぽい台詞をオトメ先輩はしばしば自虐で言うのだが、これで手編みよりも先に手コキは覚えたわけで、りっぱなちんぽ、ではなく進歩である。

この機会に女性としての自信を身につけさせてあげられたらなあ、なんて珍しく彼氏っぽいことを頭の片隅で考えつつ。
半年間ため込んだ性欲が手コキの射精一発で解消できるはずもねえなあ、とすでに再勃起した自分の股間に困っておれは首をかしげていた。

「おいっ! また勃ちあがっているぞ!?」
「すみません。手コキでむしろ火がついちゃったというか。こんなに回復が早いとは、おれの目をもってしても」
「む、むしろさっきよりおっきくなってるぞ!? 倍くらいおおきい!」

完全にスイッチが入ってしまっていた。
オトメ先輩のぶっかけ顔がエロかったためである。
ガン勃ちであった。
さっきまでのが竹刀だとするなら、これは斬馬刀だ。
スラックスのなかに収めるのは不可能と言ってよい、サイズ感的に。

「だ、だいじょうぶなのか……?」
「そのう。じ、時間をおけば、鎮まるはずっす。たぶん」

お願いを聞いてもらった手前、もう一度処理をお願いするのは気が引けた。

「そ、そう、か……」
「はい。あー、あれです。おれ、もうちょいかかるんで。草薙先輩は先に帰っても。もう暗いですし」

夜道だし女性だし送ってあげたいのはやまやまだったが、このレベルで勃起した男性と美人の女性が並んで歩いていたら、間違いなく通報まったなしだ。
誰だってそーする、おれだってそーする。

しかし彼女は、きゅっと口を結んでから、むすっとした口調で返事した。

「オトメ先輩だ」
「え?」
「下の名前で呼べとさっき言ったろうがっ、バカ者っ。いま困っているんだろう。なら私に助けを求めろっ。頼れっ。彼女なんだろう。私はっ。だいいち、そう簡単に治まらんから、さっきは一度きりで頼んだのだろうが。ちがうか」

ひと呼吸の間にオトメ先輩は
憤懣
ふんまん
やるかたない感じで説教してきた。
彼女として頼りにされていないことが彼女のプライドを傷つけてしまったか。
頬がぷくっと膨らんでいる。

おれは、バツが悪い感じ。
それは、そうなんですが、と歯切れ悪く答えた。

彼女は意を決した表情で続けた。

「わ、私が処理してやる」
「なんですって?」

おれはブッたまげた。
まさか彼女の方から性交渉を申し出てくるとは、思っても見なかった。

「だからっ! わ、わた、私がおまえの肉欲を性処理すると言っているのだ! 彼女として!」
「彼女として」
「彼女としてだ! さあ、ちん……男性器をよこせ!」

こんな風に積極的に来られると、非常にぐらつくものがある。
ポニテで巨乳の和風美人彼女に「性処理を手伝ってやるからチンポ出せ」と言われるのは、全男子垂涎の最強シチュだし。

「いや。やっぱいいですよ」

しかし、色事な苦手な彼女の状況にかこつけて要求するというのは、なんだか後味が悪い気がして、断ろうと思う。
顔真っ赤おめめグルグルの生娘相手だと、なんとかぎりぎり良心が性欲に勝った。

「……わ、私はっ。そんなに魅力が、ないか……?」
「いや。そういうんじゃないんすけど。先輩えっちなこと苦手でしょ。だのに無理させちゃうってなると、その。余計に苦手になっちゃ困るし、あとでトラウマになられても」
「む、無理じゃない! だ、だいいちそれに──」

顔を耳の先まで真っ赤にして、彼女は宣言した。
ブレザーの制服、その長丈スカートの裾をたくし上げながら。
ショーツが見えた。
青い花柄の清楚なやつだった。

「わ、私だってセックスをしてみたいんだっ! いいかげんっ! もう高校2年の冬で、付き合い始めて半年経って、彼氏がいるのにまだ
生娘
おぼこ
だぞ! 男女七つにして
同衾
どうきん
せずというが、それだってっ、こうっ、なんかあるだろうっ!? 夜這いや逢引のひとつやふたつっ! あってしかるべきなのに、未経験で終わるなんてイヤだ!」

見せびらかした足の付け根、股から太腿のあたりにひと筋の愛液が零れていく。
彼女も手コキで、相応に興奮していたようだった。

いままでオアズケを食らって性欲処理に困っていたのは、なにもおれだけではなかったという話だ。
彼女だってそう。
全人類、ちんぽとまんこに翻弄される運命なのである、生まれたからには。

おれの良心は性欲に負けた。
視線はスカートのなかに釘付けだった。

「わかりました。オトメ先輩。セックスしましょう」

おれの返事に彼女は、ぱあっと表情を明るくした。

「そ、そうかっ! よし、それじゃ──」
「ただ」

言葉を遮って、おれは肉棒をずいと突きだした。
顔面のまえに。
雄くさい性臭はいっそう濃さを増し、斬馬刀染みた巨影は彼女のつくりのちいさな顔を隠して余りあるほど。
これこそまさに人間無骨、チンポはもとより無骨だが、激しい思春期性欲に鉄筋がごとく硬くなった以上、凶器と言ってよいサイズ、硬度、熱量。

オトメ先輩はちっちゃい鼻をすんすんとひくつかせた後、女体殺しの鬼肉槍、その全容に頬を引きつらせた。

「え、ぇ……。あ……。こ、これ」
「いいんですよね。そっちが処理してくれるって言ったんすからね。たぶん朝までヤっても治まらないかもですけど。……いいですよね。明日、学校ありませんし」

涙目で肩を震わせたまま、オトメ先輩はこくりとちいさく頷いた。
おれは彼女の耳元に顔を寄せ。
泣いても逃がしませんからね、と呟いた。

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