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【中】着替え・キス・前戯

準備する。
剣道場のカーテンを閉め切り戸締りを再確認し、物置を漁る。
すると、てきとうな体操マットを見つけたので、これを引く。
いまは冬の出口頃だから薄寒いので、電気ストーブを用意し倉庫のコンセントから延長コードで盗電、道場に満ちた暗闇のなかでニクロム線が熱でぼんやり光った。
道場はさいきん建て替えたばかりで数十人を収容できるほど広いから、なかなか温まらずその間、おれたちは雪山で遭難したみたいに身を寄せ合って寒さをしのぐ。
待ち時間の間に、それぞれが親に「きょう明日は同性の友人の家に泊るから帰らない。晩飯もいらない」旨を連絡した。

乏しい灯りでぼうっとするのはキャンドルナイトみたいだった。
なんだか、準備不足がかえってロマンチックな感じ。
いまなら下品で下等な下ネタを言ってもなんとなく許容されそうな雰囲気。

「チンポ丸出しだと寒いっす」
「じゃあしまえバカ者っ! 異性のまえでくらい恥じらえっ! め、目のやり場に困るだろうっ……!」
「そうもいかんでしょう。いまからセックスするからには先輩も慣れてもらわないと。ほらほら」
「わっわっ、顔のまえでブラブラ揺らすな! ひっぱたくぞ!」

オトメ先輩は顔まっ赤である。
竿を見ないように両手で顔を隠すが、しかし指の隙間からチラチラ覗いていた。

「どうせこのあと脱ぎますし。ほらほら」
「だからといって! ちょ、揺らすなといっとろうが! うわっ、いま頬っぺたにぶつかったっ! なんか汁と毛がついたっ!」

反応が可愛らしくってついつい、からかってしまう。
このひとが年上とは正直まったく思えない。

ちょっとじゃれてから、またしばらく待つ。
ようやく気楽な室温になってくる。

「そろそろ部屋も温まってきましたし。着替えましょうか」
「う、うむ。それでは、その、全裸になればいいのか?」

おれは顔を顰めた。
溜め息も吐いた。

「まさかそんな先輩、全裸でセックスなんて。猿じゃないんですから」
「えっ。そ、そう、なのか?」

おれは着衣派である。
コスプレものAVの視聴中、せっかくいい画が撮れているのにとちゅうで女優さんがぜんぶ脱いでしまったらサイトのレビューページに『☆3。パッケージの女優さんが巨乳のため購入。プレイ内容はよかったけど、ぜんぶ脱いでしまったらそれ、コスプレ物じゃないでしょう。あと男優の喘ぎがちょっとうるさかった。胸と尻のアングルは非常によかったため今後の期待も込めて☆3つでフィニッシュです』とわざわざ書きこむほどだ。

「いちど制服を脱いで、それから剣道着に着替えましょう」
「道着? かまわんが、なぜだ」
「制服が汁まみれに汚れちゃ帰り道で困るでしょう。道着なら親の目を盗まずとも洗えますし。あと汗臭くて萌えます」
「汗臭くて萌える……?」

オトメ先輩はこてんと首をかしげた。
理解が及ばぬ性癖だったらしい。

「まあ、汗くさはシてみたら実感するでしょう。ほら、脱いで」
「わっわっ。こら、急かすなっ! 自分で脱ぐからっ! あっち向いててくれぇっ!」

おれはさっさと脱いでしまう。
満を持してオトメ先輩の制服脱衣ストリップが始まる。
彼女は恥ずかしがりにもじもじ一枚一枚ずつためらいがちに脱いでいくから、かえって扇情的な様子であった。
薄暗い道場、ぼんやりとか細い灯りのなか、女体の纏う薄皮のような衣が解かれていく。
ブレザーの上着、リボンを外し、スカートを降ろし、ブラウスのボタンがプチプチと外される。
シャツ一枚のいでたち、運動によって健康的に引き締まっているがそれでもなお太ましい魅力のぎっしり詰まった太腿、白い肌に静脈がうっすら青く透けている。
彼女がソックスを片足ずつ脱ぐ。
ぜんぶ脱ぎ終わって、とうとう下着だけになる。

「あ、あまりじろじろ見るなっ」
「めちゃんこえっちなカラダしてますね」
「だからやめろバカ者っ! 見るなっ! みーるーなっ!」

ちょっとからかい過ぎた。
うずくまって涙目になってしまったので、視線を外してやる。
背中越しに、いそいそと道着を着始めるオトメ先輩、その気配を捉えつつ、袴というのはなぜあんなにもえっちなのかを考えていた。

「よ、よし。着替え終わったぞ」
「こっちもおっけーっす」
「ん。……ぉ、おい、まだ着てないじゃないかバカ者っ!? ぜ、ぜんぶ見えっ! 見えっ!?」
「いや。交尾において男の正装は全裸と相場が決まっているもので」

振り向く。
剣道着を着用したオトメ先輩の立ち姿が目に入る。
部活で見慣れた風体だが、やはりぐっとくる。

まず胸がデカい。
道着の襟下の胸からお腹にかけて、
身頃
みごろ
というのだが、適正サイズにも関わらず巨乳でぱっつんぱっつんだった。
いや、そのおっぱいで剣道は無理でしょ、と言いたくなる巨大なふくらみが、ごわごわとしたぶ厚い綿生地の下に。

胸だけでもセックスアピールには十分なのに、さらに尻である。
腰はきゅっと締まっているから、よけいに凹凸が際立つ。
その凸凹くびれた山と谷の天辺には、すさまじく整った大和撫子美人の顔面が乗っかっているから、もう頭がバグる。

「着慣れたものなのに、いざエッチなことに使うと思うと。そわそわするな」
「そわそわしてても可愛いですよ」
「……可愛い言うなっ」

照れ隠し顔。
とても可愛い。

「じゃ、準備万端ってことで。まずはキスしましょう」
「き、キスか。えと、わかった。それじゃ……」

ガッチガチに緊張している。
いま歩きだしたら手と足が同時に出そうなくらいだ。
ほぐしてやる必要があるだろう。

「オトメ先輩、固い固い。リラックスして」
「リラックスと言っても……」
「深呼吸しましょ。ほら吸ってー……」
「す、すぅ──……ん、ふむっ!? むぅ、んっ……! んんっ……、ん……」

不意打ちで唇をくっつける。
舌をねじ込む。
紅い舌と舌が交差して、絡み合う。
ちいさく水音が弾ける。

「ちゅぷ、む、ぅ……♡ れろ、ちゅぷ、ふっ、んむぅ、ぅ……♡ んー、ん……♡」

彼女は思いのほかすぐ不意打ちディープキスに順応した。
うっとりと表情を蕩けさせ、差し出すように唾液を乗せた舌肉を伸ばしてくる。
受け取って、返礼するように唾を飲ませる。
こくこくと艶めく動く白い喉、尖った喉骨が上下する様は優艶な魅力があった。
ねっとりとした雄の体液を啜らせるたび、媚びるように甘い声を出して、彼女は舌交尾に耽溺する。
おれも、満足いくまで彼女の口腔粘膜を舐めまわし、頬肉をこそぎ、歯列を舌先でなぞり、舌の裏をにゅるにゅると擽る。

「んー……っ!♡ んっ、んっ♡ んふ、ぅ、ん……?♡ ちゅぷ、む、あむ、ん……ぷはっ♡」

長く続いたキスも彼女が息切れたことで中断された。
息継ぎ下手なのと興奮に呼吸が乱れたことが原因のようだった。
ファーストキスに、はしゃぎ過ぎたのだ。

「はっ、はっ、はあっ、ぁ……す、まない……はっ、はっ、ぅ……どうにも、胸が、昂ってっ……呼吸が、乱れて、しまって……」
「キス顔めっちゃ可愛かったっす」
「言うなあ……ばか者ぉ……」

頭を撫でてやる。
オトメ先輩は、擽ったそうにされるがままであった。
この分だとそのうち頭撫でただけで濡れるように躾けられるな、とおれは肌感覚で感じ取った。

だんだん暴けつつある事実に、彼女は「可愛い」と言われることがたいへん苦手であるということがある。
そのキーワードが弱点なのだ。
つまり心の性感帯である。
その事実を踏まえ、このセックスを満足いくものにするためのプランニングをした結果、肉体の責めと並行して言葉責めも行っていこう、そう考えた。

「頭撫でられるの好きですか」
「う、うむ……す、好き、だなっ。落ち着くし、温かくて、なんだか、その……安心する」
「うりうり」

抱きしめ合って頭を撫でるだけでもいられない。
いや、ずっとそうしていたいくらい幸福な気分の密着なのだが、きょうはその先に進むと決めているのだし、断腸の思いでハグを中断する。

おれはマット上であぐらをかき、ぽんぽんと膝を叩いて手招きする。

「どーぞ」
「う、うむ」

オトメ先輩は、おっかなびっくり膝上にちょこんと座る。
背面座位だ。

彼女は無知ゆえにほいほい促されるまま従ったが、愛撫の攻防において圧倒的に後ろ座者が有利なポジショニングである。
背面から胸や股といったメジャーな性感帯をかんたんに手で責めることができ、耳舐めや吐息、囁きといった変わり種を交えた立体的な責めが可能になる。
つまり主導権はこっちが完全に握ったわけだ。
戦わずして勝った形である。
あとはワンサイドゲームで女体を平らげるだけ。

第一攻撃目標は、その豊満なバスト。

「じゃ、胸触りますね」
「い、いちいち聞くなっ! へんに緊張するっ」
「そういうことなら毎回聞くことにしますね」

意地悪なセリフに、ぷくっとリスみたいに頬を膨らませるオトメ先輩。
これからもっと意地の悪いことをしていくつもりなので、いつまでその元気がもつか見ものだった。

まずはジャブ。
わしっと胸を掴んでみる。
おれはひとより掌が大きいタイプだと思っていたが、それでも掴み切れないサイズ感。
まごうことなきデカパイ。
まっさきに感嘆の吐息が漏れてしまった。

「ぅお、でっか……」
「んっ。おっきいのは、そのっ……き、嫌いじゃ、ないか……?」
「まさか」

大好きです、と返事したのは無意識だった。
意識は手のひらと指、そこに全集中していた。

「これ何センチあるんです」
「8……」
「8?」
「82センチ、だ」

目が泳いでいた。
ちょっと指に力を入れた。
跡になるかならないか、ギリギリの乱暴さである。

「んひっ! な、なにぃ……?」
「流石にサバ読み過ぎです。最低でも85以上はあるでしょこのサイズ感」

ぎゅむ、ぎゅむ、と捏ねるたび形を変える豊満乳肉。
ただの脂肪の塊とはいえないほどハリがあり、もっちりとした弾力がある。
道着越しだから触っている感は薄いが、それがかえって冷静さをなんとか保つことが出来た。
もし最初から直接触っていたら、ただ乳を揉む地獄のマシーンとなって一生を終えることにハメになっていた。

たぷたぷ下乳から持ち上げてみたり、ぎゅっと横から潰してみたり。
輪郭を暴き出すように、鎖骨から谷間のライン、くるりと乳の全周をまわるみたいにフェザータッチで擽ってみたり。
無限の遊びがいがあるデカパイ。
ずっしりとした重みが、間違いなく82センチなんてちんけな数字が嘘だと指先から伝えてくる。

「ほら。ほんとは。いくつ」
「い、言いたくな……んむ、んっ」
「はやく。言わなきゃこのまま乳揉んで宵越ししますよ」
「そ、それ、はっ……やだっ」

むにむに、もちもちと乳を揉む。
不思議と指は疲れない。
好きなものに打ちこむのは苦にならないというが、おれの場合、乳を揉むことがそうだったらしい。
乳肉のなかに埋まった乳腺、そしてそれに沿って這い広がる神経系、脳みそに快楽を運ぶ道をほぐし、解き明かし、ひとつひとつ丁寧に開花させていく。
跳ねっ返った感触が帰ってくるのがとくに、脇から横乳にかけてのライン、いわゆるスペンス乳腺の位置だ。
そこを指の腹でぐりぐり潰してやると、ひときわ甲高い嬌声が漏れる。

「ほら。ぐりぐり。ぐりぐり。ぐりぐりぐりーっと。言わなきゃずーっとここイジメますよー。嫌がってもやめませんからねー。ぐりぐりー、ほら、きもちよくなってきましたねー」
「ッ! ッ、ッ、ぅ……!♡ はっ、はっ♡ ぐう、ぅう゛ぅ……♡」

オトメ先輩はすっかり乳快楽にハマっていた。
いままで女特有の駄肉くらいにしか思っていなかったのだろう、あきらかに未開発だった。
しかしその本性は淫乱である。
処女の癖にあっというまに乳悦を受容する脳の使い方を覚え、自らの乳に敷設され隅々まで走る快楽神経のルートを暗記し、性的快楽の味わい方を学んでしまっていた。

「横乳弱いっすねー。あ、ここ、スペンス乳腺って言うんすよ。しっかり覚えましょうねー」
「ん、ふっ……♡ ぅ……?♡ す、すぺんす……?」
「そーですそーです。すぐ覚えられて偉いっすねー」
「ん、んん、ゃっ。頭、撫でるの、やだっ……♡」
「よーしよし。きもちよくなれて偉いえらい。悪い事じゃないからねー。おっぱいで感じるのじょうずだねー」

その場の思い付きで甘やかし責めに切り替えてみると、効果は抜群だった。
ふだんお堅いからだろう。
ハードワークの社会人が赤ちゃんプレイにハマるのと同じだ。

凛とした澄まし面はぐずぐずになって、もはや後戻りできないだろうほど蕩けきってしまっている。
足は伸ばして、ばたばたとバタ足しながら、足の指はぎゅっと力んだり、発散しようと開いたり、忙しそうに暴れていた。
こりゃあと少しで乳イキ覚えるな、このデカパイで
絶頂
アクメ
味わったらきっと癖になって、性的嗜好はズタズタになってしまうのだろうなと、他人事に思った。

「89センチっ……」

湿った熱吐息を深呼吸するように吐き出しながら、オトメ先輩は言った。

「なんですって?」
「89センチっ! 言ったぞっ! だからっ、あうっ♡ むね、胸を、揉むのぉ……やめ、てぇ……♡」
「カップ数は?」
「Gカップっ! んぅ、ぅ、ぅんん……っ♡ なんかっ、胸、揉まれてるだけでっ♡ おなかの奥からっ♡ キて、るぅ……♡ っ、ぐ……あ、あぶなかったぁ……なんか、波が、きてっ……飲まれ、そう、だった……♡」

乳愛撫を止める。
オトメ先輩はすでに息も切れ切れに荒い呼吸をなんとか整えようとしていた。

「ちょっと襟から失礼」
「んひっ♡ ちょ、待って、まだ呼吸がっ♡ いったん休憩っ♡ ぁっ♡」

道着の襟首から手を滑り込ませ、胸を直に揉む。
これだと、触っている実感がすごく強くなる。
肌はじっとりと汗ばんでいて、その珠粒を磨り潰して塗り広げるような手つきで表面を這い進み、目指すは頂き、乳の先端。
人差し指と中指を

ハサミ
にして、ぐりっと乳首を捻り上げる。
オトメ先輩の下半身が、がっくんと一段跳ねた。
仕組みが連動するみたいだった。
腰が持ち上がり、しばし浮かぶ。

「ん、ぃ、っ……んぐ、ぉ、ぉ゛、お……──~~~~~っ♡ ?♡ ……?♡ ッ!♡ ……!♡ ぁっ♡ ぐうっ、ぅぅぅ……!♡」

派手に
絶頂
イッ
た。
オトメ先輩は訳もわからずといった呆然とした表情で、背中を丸め、足の指を丸め、しかし膝は伸ばし、溺れたみたいに口をぱくぱく開いて、低く濁った声を上げ、腕は自分のデカい乳を守るみたいに自らを掻き抱いて、泥沼味の
深乳
デカパイ
絶頂
アクメ
を味わっている。
髄まで女の幸福の深みを味わって、ついに脱力する。

「イきました?」
「ぁ──……ぅ。ぇ……? ィク……? なにぃ……?♡」
「気持ちいのが爆発するみたいな。もしかして初めてでした? オナニーは? ふだんシません?」
「なに、ぃ……? おな、にぃ……? シな、ぃ……♡」

それは逆に不健全なほどである。
年ごろの娘が。
無菌室で育って免疫を失うのと同じで、過度な潔癖はよくないから適度に性的なものに触れて耐性を付けておくべきじゃないか、と草薙家の教育方針に突っ込みたくなる。

「そですか。じゃあ、仕方ないですね。今度からは、イきそうになったらしっかり声に出してくださいね。ウノで手札一枚になっと気に宣言するのと同じですから。忘れるとペナルティですよ」
「わ、かった……ぁ♡」

この歳になるまで性的絶頂、オーガズムを味合わず、性欲の慰め方も知らずドロドロともったり濃くて重たい性欲を腹の底に貯蓄していたのだから、乳で味わう絶頂がここまでハードになってしまったのもさもありなんだろう。

「初めてなのにじょうずにイけましたね。えらいえらい」
「うぅ……♡ ぁ、ぁたま、なでるの、すきぃ……♡」
「いくらでも甘えていいんですよー。ほーら、頑張ったから目を閉じ、ゆっくり休憩しましょうねー」
「んーっ……♡」

絶頂の衝撃が強すぎて、オトメ先輩は軽く幼児退行してしまった。
幼児みたいに甘えてきて、撫でてやると喜ぶ。
いったん愛撫は中止とする。
緩急をつけるべきだし、まさに緩めるならここだと思った。

「ほら、胸元ちょっと楽にしましょっか。そのままだと苦しいでしょう」

胸紐を緩め、襟首をくつろげてやる。

「んーんっ……♡ おっぱい、やだぁ……♡」
「なーんにもしませんから。安心して。ほら、空けると涼しくっていいでしょー。お水も飲みましょう。喉、乾いたでしょう」
「ん……♡ お水、飲む……♡」

部活の予備に持ってきたドリンクに残りがあったのは幸運だった。
セックスは激しい運動だから、長丁場で楽しむとなると水分補給は必須だ。
飲み口を差し出すと、受け取るのを拒否するので、赤ちゃんに哺乳瓶を飲ませるみたいに手伝ってやる。
そうすると素直に飲んだ。
このひとすっかり甘やかしプレイにドはまりしているな、と影ながら思った。

「んくっ、んくっ、ん……ぷはっ♡」
「ちょっときもち落ち着きました?」
「……う、うん。そ、その、みっともないところを……見せた」
「いまさらです」

頭をなでなで、喉をごろごろ、猫っ可愛がりしながらじゃれ合う。
恥が作用してオトメ先輩を緊張させてはならないので、あえて色っぽいことはしない。
恋人同士のじゃれ合いなんだから、弱みを見せるのは至極ふつうのことである、と印象付けてやる。
オトメ先輩の調子が戻ってくるまで、そう時間はかからなかった。

「お胸でイった感想はいかがでしたか」
「……その、きゅうっと苦しいというか、どっしり重たいというか。なんかスッキリしないというか。全身がぴりぴり甘くて、けどもどかしいような……」
「ご満足いただけてなによりです」

というわけで今度は下半身を責めてみたいと思う。
せっかく道着、つまり袴なんだから、脇あき、袴帯の真下に左右ふたつづつある深く切れ込んだ和製スリットから指を潜り込ませ、比すべき乙女の急所目指して探検する。
まさぐるうちに指先のセンサーが機能して、くちゅりと水気をたっぷり吸った布地に触れた気配を発見する。
下着だ。
ショーツはすでにぐっしょりと濡れそぼっていて本来の機能を果たせそうにはなかった。

「これ取っちゃいますね」
「う、うむ。……せっかくなら、もっと可愛いのを履いておけばよかった」
「じゅうぶん可愛いヤツですよコレ」

するりと足をさかのぼって袴の裾から布地を取り出す。
完全に取り除くのではなく、片足に引っかけておく。

「あ。オトメ先輩。これ知ってないと恥ずかしい常識なんですけど、セックスするときはショーツを脱ぎきってはいけませんからね。片足に引っかけて残しておくんですよ。引っかけたのが動いて外れちゃう分にはかまわないんですけど。初めから全部脱いでしまうとお行儀が悪いんです。来客用に出したお茶を即一気飲みするような感じ。伝わります?」

「そ、そう、なのか。知らなかった……ありがとう、教えてくれて」
「いえいえ」

こんなに簡単に騙せる辺り、おれ詐欺師の才能あるかもしれない、と思った。
オトメ先輩がチョロいだけというのは、この際忘れておく。

「んひっ!?♡ ちょ、そこっ、はっ!♡」
「あ、ごめんなさい。いきなりクリは敏感過ぎました?」

反応は大きかった。
すでに勃起していて、皮は半被りの女芯陰核。
人差し指でちょんと触れただけなのだが、彼女は防御反射で内腿をきゅっと閉じて、おれの手は挟まれた。
むちっとした感触で身動きが取れない。

「お股から力抜けます? 動かせないです」
「んっ……♡ 難かしぃ、なっ……♡」

力みを解除する必要がある。
手のひらで秘部を覆い、ぬるぬるとした愛液の滑り気を利用してゆっくりと大陰唇を摩擦する。
やわやわと不規則に指をうごめかして媚肉をほぐす。
ぴったりと閉じた姫貝、その割れ目を男性的な指の凹凸でちりちりと刺激し、すこしずつ開錠させていく。
押して駄目なら、さらに押す。

「んくっ♡ ぅ……♡ それ、ここち、よい、な……♡ あんまり、激しく、なくて……♡」
「気に入りました?」
「う、む……♡」

時間をかけて念入りにほぐすうち、段々と慣れたのか、内腿からゆっくりと力みが抜ける。
それに伴って、おれの手指の可動域も広がり、より多彩な責めが可能になった。
指を躍らせるようにタップしてみたり、手首を返してごつごつとした手の甲を擦り付けてみたり、手をフィグサインの形にして疑似的な貝合わせをしてみたり。

「んいっ、ぅ、ぅ♡ はんっ♡ ぅ……?♡ ッ!♡ ッ、ッ、ふぅっ!♡ ぅ──……♡」
「そろそろ、もっかいクリ行きますよ」
「うんっ、ん……!♡」

今度は、さっきより慎重に。
敏感さを考慮して直では触らず、姫芽を守る包皮を使って弄る感じ。
急がず焦らず、ゆっくりと扱き上げる。

「んんっ!♡ ん!♡ んッ!♡ ん~~~ッ……くふっ、う……♡」

ちゅこ、ちゅこ、と分泌された愛液を潤滑剤に皮コキで陰核をやわく甚振る。
この責めの白眉なところは、履いた袴で弄る手もとを隠しているから、彼女はどう攻められているのかを性感帯の感触のみで判断するしかなく、想像力が働いてよけいに神経に深く感じることだ。
ふつうセックスに総動員する五感を、あえて引き算にすることによって生まれる快楽。

クリ扱きで上下するたび、女の膝が跳ね、腰が持ち上がり、爪先が伸び、くたりと脱力した。
オトメ先輩はお守りみたいに右手をグーにして、人差し指のあたりに噛みついて可愛らしい声を押し殺している。

「声出しても大丈夫ですよ」
「ふっ!♡ ふっ♡ ゃ、だっ……♡ こえ、はっ♡」
「さっきは出してたじゃないですか」
「そ、それっはっ♡ でもっ♡ その……ぁっ♡ ぁ゛っ♡ ぁ……ッ!♡」

ゆったりとしたテンポで、クリトリスの根っこをゆするように叩く。
飼い猫の背中をトントンするときとイメージは似ている。

猫の場合は尻尾の付け根に敏感な神経が埋まっているからだが、女の秘所も似たようなもので、性感をむさぼるためだけにある人体器官・クリトリスは見た目以上に大きな部品だから、本体ともいえる部分は直接手で触れえない媚肉のなかに収納されているのだ。

だから、こうして指向性の強い振動で底を刺激すると、より濃密で芳醇な陰核性感を味合わせることが可能で、オトメ先輩は、ふつうに弄るよりはるかに巨大な性感をまえにして健気な意地を張る。

「ぅ゛ぐっ♡ ぅ゛♡ ぁ゛ぅ゛ぁっ♡ そのぉ、どん゛どん゛っ♡ やだあ゛っ♡」
「じゃ、我慢するの止めましょうよ。そしたら止めます」
「ん゛♡ ぞれ゛っ♡ はぁ……♡」

ためらいがちな声で、快楽にむせび泣きながらも彼女はぽろぽろと零した。

「だ、だって……♡ う゛ぐっ♡ ぅ゛♡ 可愛くない、声っ、をっ♡ きみに聞かれっ♡ だくっ♡ な゛ぃ゛♡ がら゛っぁ゛♡」

とても可愛らしい理由を可愛らしく言うものだから、おれもちょっと言葉に詰まった。

「そんなところも、すっごく可愛いですよ」
「う゛♡ そんなこと、な゛っ……♡ あ゛っ……♡ わたしみたいなっ♡ 竹刀をふって、ばっかりいる女っ、がぁ……♡」
「すーぐそうやって自虐するんすから」

手っ取り早く自信をつけさせてやるにはどうすればよいだろうか、と考えて、正直に思っていることを伝えることにした。

「背中にくっついてるの、わかります?」
「う、ん゛っ……♡ はあっ……♡ あっつくて、かたい、のがっ……♡」

「そーですそーです。おれ、分かり辛いかもしれないんですけど、めちゃくちゃ興奮してるんすよ。オトメ先輩が可愛いから。勃起したのだって、ふつうほっとけば時間で収まるのに、先輩が相手だとどうにも抑えが利かなくなって、こんなっす」

「ぅぅ……♡ そ、そう、なのかっ……?♡」

「はい。だから自信を持ちましょう。オトメ先輩は可愛いです。えっちです。すごくセックスしたくなる女性です。なのに先輩が我慢したままじゃ、おれも遠慮しちゃうんです。だから声、我慢せず出してみませんか」

ふるふると目の端から涙を流しながら、彼女は上目遣いでじっと見てくる。

「わ、わたし……か、かっ、可愛いっ、か……?♡」
「はい」
「えっちなところ見せても、き、きらいにっ……ならないかっ?♡」
「はい。もちろん。むしろもっと好きになっちゃいます」
「こ、声もっ♡ おっきな声っ、出ちゃってもっ……♡ ひ、ひか、ない、か……?♡」
「それだけきもちよくなってくれたんだなって、むしろ嬉しくなっちゃいます」

数秒沈黙した。

「……ん♡」

ちっちゃい顎で肯く彼女が、ふだんの凛々しく強い女剣士としての姿と激しいギャップがあって、まるで手のひら大の子リスみたいなひ弱さ、か弱さが秘められているものだから、おれだって理性が吹き飛んだ。

膣内に指を入れる。
狭く堅い処女膣相手だから、まずは左手小指を一本、浅瀬にて。
くわえてキスをする。
一秒でも手っ取り早く、おれから彼女への慕情を表現したくって、それがこれだった。
右手で胸を揉む。
思わず乱暴なぐらいの力が籠ってしまった。

「ん、んっ!♡ ふむっ♡ ちゅぷ、む、ふぅっ、うう゛っ♡ ぐ、んむ、ん、ん!♡ れる、れろ、ちゅぶ、むっ♡ ぷはっ♡ あ、ちょっとま、あっ、んぶっ♡ むっ、う……♡」

キスと同時の二点責め。
くわえて、腕一本につき二カ所の性感帯、左手は膣内と陰核、右手は胸の乳腺神経系とぽっちりと服の上でもわかるほど勃起した乳首。
そしてついに膣内の弱点、Gスポットを探り当てた。
同時攻撃にたまらずオトメ先輩は性感の極致に追い込まれ、あっけなく果てる。

「うぐうう゛ぅつ゛っ!♡ イッ……グっ!♡ イグ、イクイクイグ、イッ……──~~~~~~~~~ッ!♡ ?♡ ……ッ!♡ !♡ っぉおおおおぉぉ……ッ!♡」

ぶしゅっ、と勢いよく潮を吹く股座。
袴の中心から腰回りにかけての色が大きく変色していく。
女の秘すべき園はひくひくと激しく痙攣しているのが手のひらの感触のみでわかって、おれの手まで水浸しだった。
オトメ先輩の手がおれの身体にしがみついている。
彼女の柳腰はへこへことおさまり利かなそうに動き続けていて、イきっぱなしの絶頂の重たさ深さを如実に表現していた。
オトメ先輩のかんばせは涙と涎でぐちゃぐちゃになっていて、髪の毛はどっと出た汗で前髪が額に張り付き、濃厚な女の香りを発散している首筋を珠の汗が伝って滑り落ちていく。

「イッ……ぁ……♡ ぁー……♡ ぁ゛っ……♡」

派手な深絶頂。
表情は呆然としていて、心神を喪失した顔だった。
勢いよくぶしゅぶしゅと噴き出していた噴水のような潮はようやく勢いを失って、最後にはぴゅっぴゅと搾りかすのようなイキ潮を垂らし、それでも吐き出し足らずに陰唇と分泌腺がぱくぱくと開いたり閉じたりを繰り返している。
最後にちょろちょろと小水が漏れた。

「よくできました。いっぱいイけましたね」
「ぁ……♡」
「可愛かったですよ」

耳元で最後の追い打ちをすると、びくりと方が跳ね、肺の潰れたみたいな細い声でちいさく絶頂した。
脳イキまで覚えてしまったらしい。
まったく淫乱な処女である。

おれは掃除用具を取りに行く。
戻ってくると、まだオトメ先輩は絶頂の衝撃に惚けていて、潰れた蛙みたいなポーズだった。

「潰れた蛙みたい」
「……ぅるさぃっ」

もはや虫の息って感じで、凄もうにも出来ないようだった。

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