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えっちな取引

(――結局、言われるがまま駅前に来てしまったわけだが)

駅の改札を出てすぐの大きな円形のロータリー。夕方に差し掛かった時間帯だけあって、帰宅する学生やサラリーマンで賑わっていた。トークアプリで彼女に「駅に着いた」とメッセージを送ると、「像の前にいる」とすぐさま返事が返ってくる。そうして駅前のモニュメント付近に目星をつけると、遠目に見ても分かるぐらい抜群なスタイルの美少女の姿を見つけた。彼女もこちらに気づいたのか、スマホに下ろしていた視線をこちらに向ける。

「来てくれたんだね」
「ま、まぁな」
「じゃ、行こっか」

すると、氷川は足早に歩き始めた。

「ちょ、ちょっと待てよ。せめて行き先ぐらい教えろっての」

俺は慌てて彼女の後を追いかける。

「なぁ、これからどこ行くんだよ」
「私の家」
「え!?」

彼女の家に行くということは、つまりは“そういうこと”を意味するはず。だが、あまりにも脈絡が無いため断定もできず、ただただ混乱するばかりだ。

「そもそもさ、一体何の用があって呼び出したんだよ。……まさか、俺を強請るつもりか!?」
「強請る? 何のこと?」
「え? 違うの?」
「なんで葉山くんを強請らなきゃいけないの」
“葉山くん”と、初めて名前を呼ばれ、ドキリと胸が弾む。
「で、でもさ、ちゃんと訳を話してくれてもいいだろ?」
「ここじゃだめ。家の中じゃないと話せない内容だから」
「そうなのか?」
「うん」
「……わかった。後でちゃんと事情を説明してくれるなら、とりあえず素直に従っとくわ」
「ありがと」

彼女の感謝の言葉を最後に会話が途切れる。もともと沈黙は苦にならないタイプだから気にはしないし、ある程度想定はしていた。それに今まで一度も話したことがなかったのに比べれば、ほんの些細なことだろう。

「……」
「……」

街中をあの氷川麗奈と並んで歩いている。なんとも不思議な気分だ。
彼女のビジュアルはとにかく人目を引くため、こうしてただ歩くだけでも道行く人々からの視線を集める。それらは好奇や羨望が殆どだったが、中には美少女と並んでいる俺への嫉妬からくるものも僅かにあった。
当の氷川は、グラドル経験もあってか普段から人に見られるのに慣れているようで、それらをまるで意に介さずポーカーフェイスを貫いている。

「……なぁ、氷川」

沈黙に耐えきれなくなった……というより、これを期に彼女について知りたいことがある好奇心を抑えられなくなった俺は、堪らず口を開いていた。

「あんま気を悪くしないで欲しいんだけどさ」
「……」

返事が無く、本当に聞いているのかどうかも分からないが、構わず続ける。

「色んな男と関係を持ってるって噂……本当なのか?」
「うん。本当」

氷川麗奈は言い難いことを、事もなげに言ってのけた。
「マジかよ。じゃあ、他校の生徒とか、大学生とか、社会人とか、パパ活のおじさん……とか?」
「他の高校の棚橋くん。大学生の田宮さん。某商社に勤める峰さん。ジムトレーナーの小山さん。……あと、不動パパ」
「……」
「みんなマッチングアプリで出会った人たち。……パパは別口だけど」

驚愕のあまり一瞬言葉を失う。聞いているより一人多いではないか。どうやら実態は噂以上だったようだ。
「そうかぁ。氷川って意外と奔放な性格してるんだな」
「驚かないんだね」
「いやいや、十分驚いてるんだが……」
「もっとドン引きされると思ってた」
「そりゃまぁ……、あまり良い趣味だとは思ってないぞ? けどな、氷川が好きでやってることなら、俺が横からどうこう言う筋合いも無いだろ」
「……」

すると、彼女はむっつりと黙り込んでしまう。一見して普段と変わらない仏頂面だが、心なしかいつもより感情の色が宿っているような気がした。

「氷川?」
「……別に」
「?」
「別に……そこまで楽しいわけじゃない」
「え? それってどういう――」

そこまで言いかけたとき、彼女がふいに足を止める。

「着いたよ」

彼女は上を見上げながら、住宅街に立ち並ぶマンションのひとつを指差した。

「上がって」
「お、おじゃましまーす」

招き入れられるがまま氷川家にお邪魔する。彼女の部屋は1LDKのアパートの一室だ。整理整頓がよく行き届いており、新築さながらの清潔感である。しかしながら、部屋に置かれている物が極端に少なく、実際の面積よりも広々とした印象を与える。一人暮らしのミニマリストとも取れるし、あらゆるものに執着のない彼女の冷淡さがそのまま部屋に反映されているようにも思えた。

「一人暮らしなんだ」
「うん」
「大変じゃない?」
「そうでもない」
「そうか。えと、どこに座れば」

腰掛けようにも座布団どころか、サイドテーブルのひとつも見当たらない。あるのはフローリングの床とベッドだけ。普段、食事はどうしているのだろうか? という疑問が湧く。
「ベッドでいいよ」
「ベッドに!? いやいや、さすがにそれは気が引けるわ!」
「いいから」

彼女は妙に威圧的に真顔を向けてくる。俺はそれに気圧され、渋々ベッドの縁に腰を落ち着かせる。
スプリングが僅かに鳴る音とともに、尻がシーツに沈む。すると、普段から氷川の傍を通るたびに鼻孔をくすぐってきた匂いが

にわか
に香ってきた。行き過ぎた清潔感が支配する部屋で、ここだけが唯一彼女の生々しい痕跡を感じるものがあり、気分がソワソワする。

「お茶出そうか?」
「お構いなく」
「そう。……まぁ、そんなの無いんだけど。人呼んだことないし」
「ん? さっき言ってた五人の誰かしらは呼んだりしてないのか?」
「全員ただのセフレみたいなもんだから。住所知られたくない」
「そ、そうか……。つか、俺はいいのか? 別にそういう関係じゃねぇけどさ」
「いいよ。葉山くんだし」

彼女の言葉はどうとでも解釈できるが、真意はさておき。彼女とセックスをした他の男たちすら上がったことのない彼女の“巣”に、俺だけが足を踏み入れたという優越感がぞくりと背中をなぞった。

「……で、改めて聞くけどさ。俺に一体なんの用?」
「そうだね」

彼女は一言だけ言うと、不意に俺の正面に立った。

「?」

彼女が一体何をしようとしているのかさっぱり分からず困惑していると、突然制服を脱ぎはじめる。

「……え? ……は? ……はあ!?」

ただでさえこの状況を把握しきれていないというのに、氷川はさらに俺を混沌に陥れるようなことをしてくる。

「おま、なにしてんだよ!? バカ! やめろ!」

思わず罵倒が口から飛び出すが、彼女は素知らぬ顔でワイシャツのボタンを外すのを止めない。あまりに咄嗟のことでパニックになり、彼女の手を止めるとか今すぐ立ち上がって逃げるだとか、そんな当たり前の発想が産まれなかった。ベッドに腰掛けて身動きが取れぬまま、せめて彼女の恥ずかしい姿を見ないよう腕で視界を覆うしかなかった。

「ちゃんと見て」
「いや、その、いやいやいや! 無理だって!」
「いいから。……見て」
「……ッ! わ、わかったからっ!」

俺はおそるおそる腕を退け、閉じていた瞼を開き、目を皿にする。

「!」

視界に広がっていたのは、俺の思考を奪うほどに妖艶な光景だった。
氷川はブレザーとワイシャツを脱ぎ終え、上半身はブラジャー一枚のみとなっている。華奢ながらも引き締まった身体つき。これまで幾人もの男たちに穢されてきたとは到底思えないほど、どこまでも清らかに白くて、美しく透き通る肌。そして、胸元に豊かに実っている二つの肉メロンは、フリルをアクセントにしたネイビーカラーの大人っぽいブラジャーに支えられ、視線を吸い寄せる魅惑の谷間をつくっていた。

「……綺麗」

無意識にそう、言葉が漏れていた

「ありがと」
「おしゃれな……ブラジャーだね」
「私も気に入ってる」
心ここにあらずのまま会話が進む。彼女の女神のごとき麗しき女体から放たれる淫靡な色香が、脳の情報処理能力を著しく低下させる。

「葉山くん」
「はい」
「パイズリしてあげる」
「ぱいずり?」
「その代わり私のお願い聞いて」
「はい?」
「私とセックスしてくれたらパイズリしてあげる」
「へ?」

氷川が表情を変えず淡々と“とんでもないこと”を口走っている事実を、氷が溶けていくように遅々と理解が進む。
「ごめん」
「え」
「さっきから氷川が言ってること、なにひとつ理解できないんだけど」
「だから。パイズリさせてあげるから葉山くんとエッチしてみたいの」
「……マジか」

どうやら彼女は、俺にパイズリさせるのを条件に俺とセックスしたいらしい。交換条件がまるで成立していないというか、普通に考えたら俺がただ得をするだけだ。わざわざ自宅へと連れ込み、服まで脱いでいるところから冗談の類では無いし、そもそも氷川は冗談を言うようなタイプには見えない。発言のひとつひとつに表裏がないと考えるべきだ。
おそらく、俺が書いたエロ小説のパイズリシーンを読んだことに起因してそうだというのは辛うじて推察が及ぶものの、謎は深まるばかり。

「……で? してくれるの? してくれないの?」
「いや、あの、その」

混乱を極める頭でぐるぐると思考を巡らせていると、しびれを切らした氷川が選択を突きつけてくる。

「このまま私の誘い断るの? それともパイズリされてみたい?」

好きな異性からの夢のような申し出。自分にとってあまりに都合が良すぎる。なにか危険な罠なんじゃないだろうか? そう警戒心を抱くのは必定のはずだ。

「ねぇ」
「……わかっ……た」

だとしてもだ。例え罠だったとしても、この千載一遇のチャンスを棒に振ることはできなかった。
好きな女からの甘美な誘惑を断れるほどの理性を、好奇心に抗えるほどの意思の強さを持ち合わせてなどいなかった。
「お願い……します」

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