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照れ隠し

全てが終わった後、すっかり日は暮れていた。灯りのない室内、俺の上に気怠げに覆い被さった氷川の青白い肌が、薄闇の中にぼんやりと浮かび上がっていた。その神秘的な姿は実に様になっていて、思わず見惚れてしまう。

「なぁ氷川」
「ん?」
「実際のところ……相当ヤバいことしたよな……俺……」
「多分大丈夫でしょ。危険日じゃなかったし」
「そうは言うけど、ゼロになるわけじゃないんだろ? それに、俺だって学校からの処罰とか体裁的にとか色々あると思うが、お前の方が圧倒的にリスクが高いんじゃないのか?」

ネットで調べた程度の付け焼き刃の知識だが、妊娠すること自体も女性の身体の負担になるし、中絶するにしても不妊体質になる可能性が常につきまとうと聞く。本来なら軽はずみに生で挿入するべきじゃなかったのだ。

「葉山くんが我慢できなかったんだから。しょうがないじゃん」
「う……それは……」
「そんときはそんとき。もしものことがあれば、葉山くんならちゃんと責任とってくれるでしょ」
「お前なぁ……。そりゃ、何が何でも責任は取らせてもらうが」
「まぁ、たしかに。学生のうちに妊娠すんの怖いし、次の時に備えてアフターピル用意しとかないと」
「次……か」
彼女の口からさり気なく出た言葉だったが、それがとても胸の内に響いた。

「どうしたの?」
「いや……なんかさ。ちゃんと『次』があるんだって思うと、なんか嬉しくなるっていうか。氷川と恋人になれたんだって自覚するっつうか……」
「……」

俺がそう言うと、氷川が無言で胸板に顔を埋めてきて、妙なこそばゆさを覚える。
「……ねぇ。葉山くん」
「な、なに?」
「今さらだけどさ」
「うん」
「どうして私のことなんか好きになったの?」
「……本当に今さらだな。理由は色々あるけど」
「たとえば?」
「ミステリアスでクールでイイ。すんげぇ美人。とにかく胸が大きい」
「結局おっぱいしか見てないじゃん」
「そ、そんなことねぇよ。それに……」
「それに?」

そこで言葉を一旦区切り、天井を見つめながら答える

「なんか好き」
「は?」
「俺自身よく分かってないんだけどさ。なんか氷川って見た目とか性格とか抜きにしても、なんか好きなんだよな。なんつうか、理屈を超越してるっていうか。内から滲み出てくるのに惹かれるっていうか」
「……」
「あと、今日深く知り合って分かったことだけどさ。案外ユーモラスっていうか、面白い?」
「……そっか。私から染み出てくるものが好きなんだ。葉山くんってきっと“ハエ”だよ」
「は、ハエ??」
「だって。こんな小汚いビッチから出てくるものなんて、どうせ臭くて汚いものに決まってるから」
「氷川……お前……」

そう語る彼女の表情は、どこか悲しげに見えた。

「小汚いビッチて。言い方」
「事実じゃん。葉山くんは痴女が好みなんだ。さっきだって、私が色んな人と関係持ってるって言ったときも全然引いてなかったし」

『別に……そこまで楽しいわけじゃない』

ここへ向かう道中でのやり取りをふと思い出す。
おそらくだが、彼女は自分が今までやってきたことに否定的なのだろう。夢中になれる何かを探すも思い通りにならず、自棄を起こした結果の“過ち”だと自覚しているのかもしれない。

「あのときは悪かった。『好きでやってる』なんて、無神経だったよな」
「いいよ。多分半分は本当だったと思う。葉山くんとのセックスで、自分が“そういうの”が好きなんだって、なんとなく自覚したし」
「……耳障りのいい慰めかもしれないけどさ。氷川のやってることって、案外普通なんじゃないか?」
「?」

俺がそう言うと、氷川は鳩が豆鉄砲を食ったようにキョトンとする。

「俺らより上の世代はどうだかしんねぇけど、今の十代は皆わりかし自由かもよ? 俺の友達の友達は高二で経験人数30超えてるって聞いたことあるし、その友達も小学五年のときにクラスの男子と初体験したとか」
「それはすごいね」
「俺もすごいと思ったわ。それに比べればってわけじゃないけど、今の世の中って案外そんなもんなんじゃないかなって。……つっても、さすがにこれから浮気するのは、彼氏として絶対やめて欲しいとは思ってるけどさ」
「……」

氷川は再び口を閉ざす。しかしながら、その面持ちはどことなく穏やかだった。
「あと氷川は臭くねぇから。むしろ良い匂い」
「ほんと?」
「ぶっちゃけ言っていい?」
「なに?」
「前から氷川の近くを通ってお前の匂いが嗅ぐたびに興奮してた。勃起したこともあった」
「それはさすがに引くわ」
「ひど……急に梯子外すじゃん……」
「キモいもんはキモいから」

そうやって悪態をつかれつつも自然と笑みがこぼれてしまう。
俺は改めて、真剣な眼差しで彼女の顔を捉えた。

「それに……氷川は綺麗だよ」
「っ!」
我ながらクサい台詞を吐いてしまったかもしれないが、どうしても彼女に伝えておきたかったことだった。彼女の来歴がどうであれ、今の氷川麗奈を綺麗だと思えるのは心の底からの本音だったから。

「……氷川?」
「……」

氷川は無言で俺の背中に腕を回して強く抱きつくと、そのまま顔を伏せてしまう。むにゅ♡と押しつけられる柔らかい胸の感触を内心愉しんでいるなか、ふと気づいてしまった。
彼女のショートヘアに紛れて見える耳たぶが、薄闇のなかで赤く染まっていることに……

「……もしかして照れてる?」
「そんなわけないじゃん」

そう言いつつも彼女は明らかに動揺を隠せていない。そんな氷川の珍しい様相に思わずときめいてしまう。

「お前さ……。結構、かわいいとこ……あるんだな」
「ッッ!!!」

背中を爪で引っ掻かれ、激痛が襲う。俺はうっかり口を滑らしてしまったことを後悔した。

「いだだだだぁ!? ごめん!! ごめんて!!」

それから、氷川の“照れ隠し”の痕はしばらく残り続け、体育の着替えのときに周りにバレないよう気を遣うハメになったのは、また別の話……

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