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【短編】依頼を受けた凄腕痴漢おじさんが朝7:55分の満員電車で黒髪ロング姫カットHカップケツデカ社長令嬢(処女)を連続絶頂潮吹きアクメさせ無事遅刻させる話

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ぴたりと女の背後に着く。
朝の雑然としたラッシュ・アワーの駅構内、おれは痴漢で、依頼を受けてここに立っている。

写真で確認したとおり、ターゲットの女──四ノ宮
よんのみや
ありすは、絶世の美少女だった。

姫カットの黒長髪、すらりと伸びた長い脚、控えめながらむしろ気品のある矮躯に生意気にも大きく張り出たHカップのデカい胸、デカいケツ。

セント
ジュリアス女学院の高貴なブレザー制服に身を包む清楚清廉の深窓籠姫。

かの大企業・『黄金石油』のひとり娘、蝶よ花よと育てられた現代貴族、麗しの社長令嬢。
呼び名はいくつもあるが、最たるものはやはりコレだろう。
美財才徳すべてを持ち合わせた、支配者の世継ぎ。

ひと呼んで『紫眼麗嬢』。

「(あの黄
ホァン
とかいう情報筋、どうやらフカしじゃないらしい。事前情報は正確か……)」

【この娘を痴漢し、学校を遅刻させてほしい】という不可解な依頼を受けていた。
日時と線を指定する資料に、莫大な報酬金を前払いで。
いまどきメールというのも古風だ。
姿、性別、年齢、すべてが謎に包まれているが、情報だけは信用してもよさそうだ。

改めて娘、四ノ宮 ありすを視姦する。

相手にとって不足なし。

深い調息で丹田に気を取り込み、功夫
クンフー
をもって全身に充溢
じゅういつ
させる。
何度か手のひらを握
にぎ
っては解
ほど
き、握
にぎ
っては解
ほど
きを繰り返し、指先の具合を調律する。

具合は上々、問題なし。
秘電流免許皆伝・『指電閃』の“椋鳥
ムクドリ
”はここに健在。

「(……気取られてはいないな。無防備な女だ)」

おれの隠形
おんぎょう
は崑崙
コンロン
仙境におわす仙武道士のお墨付きだ。
武芸専心の内家の拳士が見破れぬものを、一般の女人に見破れるはずもなし。

しかし”デキる”痴漢連中は隠形を見抜けずとも、おれから漲
みなぎ
る気力にそうそうと実力差を悟って距離をとった。
威嚇
いかく
に恐れをなしたのだ。

コレは、おれの獲物だ。
その念が肌を刺す威圧へと変わりつぎつぎ雑魚の痴漢どもは立ち去る。
残るは、おれの腕前をひと目見物しようと腕を組み (腕を組む仕草は痴漢におけるノータッチの合図。ようは白旗) 見守る “組織” 連中で、おれは人垣の壁をつくることを了承した。

電車の到着を待つ駅のホームは、ふだんは熾烈
しれつ
な縄張り争いに満ちた痴漢たちの巣穴だったが、突如あらわれた修羅の鬼に阿鼻叫喚のようすで奇妙に静寂していた。

視線を獲物に戻す。
四ノ宮はのんきにスマホなどを弄って、とくに時刻を気にしている様子だった。
事前に入手した聖
セント
ジュリアス女学院の時間割によれば朝のHRは8:50~。
現在時刻が7:53、55分の電車に乗るから、乗り換えなし片道40分にすこしの遅延がのっても余裕をもって間に合うだろう。
トラブルが起こり、乗り過ごしたりしなければ。

「~~っ♪」

ワイヤレスのイヤホンを装着し英単語帳を取り出す四ノ宮。
音楽を聴きながら隙間の時間に勉強しているようだ。
真面目な気風は好ましく思った。

「(……恨むなよ。悪いが、仕事だ)」

電車がやってきて、人混みに流されて少女とふたり窓際、満員電車。
うまく誘導する。
彼女はドアガラスに胸を押し潰した体勢で、おれは人混みから彼女の盾になるかたち。

「あ、あのっ、ありがとうございますっ……」

小声で少女は囁いた。
とくに返事はしなかった。
顔を林檎にして彼女は、首を縮
ちぢ
こめて単語帳に目線を落とした。

「(……準備は整った)」

手筈
てはず
どおり周囲は同業者──連合痴漢協会・『同人幇』の人間で固めてある。
ひとの壁が多少の騒ぎは隠すだろう。
これならいくらか大胆に動ける。

ターゲット、四ノ宮 ありすは孤立無援となった。
文字どおりの袋の鼠だ。

餓狼
がろう
の群れに女鹿が一匹、骨の髄まで喰らいつくされるは道理だ。
しかし、獲物に噛みつくはこの場において孤狼
おれ
いっぴきのみである。

「(古流体術”秘電流”免許皆伝・『指電閃』の”椋鳥”──いざ尋常
じんじょう
に参る!)」

手の甲をスカート越しに少女の尻にあてる。
わざとらしくならない程度に、電車の律動、揺れ、人間の波
リズム
に合わせて、そっと、寄り添うように、添えるだけ。
焦れ焦れとした緊張感に、“椋鳥”は息をゆっくりと吐いた。
始動こそがもっとも慎重になるべき場所だ。

武術の試合において多くの場合、勝負は初手で決まる。
なぜなら初撃はその後の展開の土台となるものであり、有利な間合いで仕合
しあ
えるか、連撃がつながるか、反撃を許さず封殺できるか、そういった多くの事柄を決定づけるからである。
ゆえ、達人の初手はゆったりと時間が流れるほど鋭敏に研ぎ澄まされた神経のもと、針を穴に通すような繊細な操心で、しかし熊に挑む猟師のように大胆な踏み込みを為

さんとする。

「(……うしろのひと、手が、お尻に……あたってる? ……気のせい、かな……ううん、もし勘違いだったら悪いし……それに、ちょっと怖いし……黙っておこう……)」

ノイズまじりに四ノ宮 ありすの思考がおれの脳内に流れ込む。

秘電流の奥義にして基礎は生体電気を掌握することにあり、その応用として修得者は肌の触れた他人の心を読むことができる。
接触をとおして相手の体内電気を読み取り、我が物とするのである。

その技は相手の心理を読み、息遣い、気の流れ、筋の動きのおこり、反撃の決心、タイミング、生理周期に至るまで、すべて丸裸にすることが可能だ。

おれには、四ノ宮 ありすのこれからとる行動、考えている内容、すべてが手に取るようにわかっている。

「(……見えた。まずは”ココ”からだな。小手調べだ)」

さきほどよりも大胆に手の甲を動かす。
スカートの上から、尻の、太股の感触を楽しむように。

四ノ宮は色を変えた手つきにもぞもぞと腰を揺らし、おれはそれを執拗に追跡する。
いいかげん、自分が痴漢されていることに彼女は気付いたようだった。

「(え、え……? ま、まさか、痴漢……? ほんとに……? ど、どうしよう……)」
「(遅いッ!)」

隙を突き、技を滑り込ませる。

内家の技が一、形意拳の我流応用変形技、“鷲
ワシ
”掴
づか
み。

おの
が手指を鷲の鉤爪
かぎづめ
にみたて動かし、一挙に尻の肉を捉
とら
える。
いかに女袴
スカート
の布地が厚く頑丈であろうと、この技のまえでは形無
かたな
しだ。

かつて哪吒
ナタク
さえこの技によって膝をついた。
ただの少女では、身動きひとつできないだろう。

丸みを帯びた未成熟な臀部
しり
、少女らしく柔
やわ
な脂肪をたっぷり蓄えた雌
めす

ぜい
肉は、しかし引き締まり舌を巻くよいカタチを保持していた。
日夜バレーボールの部活動に励み、骨盤とともに健康な筋肉を育てているのだろうことがうかがえたのである。
豊満な尻はたくさんの栄養をたくわえていて、それは媚びる生き物の本態であるようだった。
屈曲したゴツい指がその脆
ぜい
弱に噛みつき、牙を突き立てている。
むにゅりと、いびつに丸さを歪められ四ノ宮は女の息を吐いた。

「ぁ、はあっ……♡ ゃ、なっ♡ はぅ……♡ は、はなし……てぇ♡(な、え、なにっ……? お、おしり、こんな大胆に……!? 痴漢って、ふつうこうも大胆なの……!?)」

「(なるほど、新開発の耐電素材か。富貴な人間しか払えん学費の学び舎

なだけのことはある。思考同調のノイズ原因はこれか……)」

どうにも秘電流、雷電
らいでん
氣勁
きけい
のとおりが悪いと思ったら、女の着衣が原因であるようだった。
みかけはふつうの女学制服だが、中身は防刃・防弾・耐腐食に電気の対策までされている。
要人の子息子女がかようならば、この程度の対策は学費の内ということか。

「(ならば攻め方を変えるまで。防御の及ばぬ着衣の内に両の手を潜り込ませればいい。内家拳士たるもの、外を打って効かぬなら、内を穿
うが
って貫
つらぬ
くべし!)」

着衣越しの愛撫が通用しないならば、直接無防備な肉に打ち込めばよい。

かつて外家拳士に鉄鋼
てっこう
六壁
ろっぺき
という者がいて、打ち水の行で身に付けた六つに割れた頑強な腹筋は戦車の砲弾さえ跳ね返すほどだった。
しかし達人の内家拳士がその評判を聞きつけて挑んだところ、ただその腹に手を触れて、ちょいと押しただけで地に沈めたという。

この逸話は功夫
クンフー
を積む者たちにとって大きな教訓となった。

如何に頑丈に鍛えても、堅固な防具で身を守ろうと、頑堅な要塞に立てこもろうと、内よりいずる力には弱いもの。
正面からなら徹甲弾さえ跳ね返そうと、内より気をもって肉を打てば、守りを崩すは至極容易い。

内家は外家と比べ習得にかかる年月は長く、見かけの破壊力こそ劣るが、真の恐ろしさは極めた調息と内功から繰り出す絶死万壊の寸勁にこそある。

「ぁ、ぁの……っ!♡ って、てをっ、はなしてくださっ♡ ひゃうっ♡ い、いまならっ♡ だれにもっ、いいませんっ♡ きゅう♡ からぁっ♡(こわい……! おしり、男のひとに掴まれてっ……! らんぼう、されちゃう……! やぁ……!)」

「黙っていろ。好きなだけ喘いで構わんが、大声は上げるなよ。おまえはおれの間合いの内だ」

尻を鷲掴んだまま、空いた手で襟足
えりあし
の髪を梳

く。
四ノ宮は、震えて二の句を継がなかった。

ただ熱っぽく吐息を洩らす口に指を差し込み、口蓋を開かせ、涎をたらしたまま嬌声を開けることだけを許可する。

指を繰り女の舌をつまみ、扱くように巧みに動かす。
おれの手指は微弱な電気をつねに纏
まと
う、雷電
らいでん
の勁
けい
を宿しているから、触れるたび触れるたび、女の肉はぶるぶると震え、分泌する体液が増す。
ぬるりぬちゅりぬちゅぬちゅと水気が滴り、淫乱の媚態を演じる少女。

「ぁ“♡ ゅ”、ぃ“……♡ ひゃ、はなひてっ……♡ くらさっ……♡ ひたっ……♡ はなひて……♡ はれっ、はれかぁ……! たひゅけへぇ……♡(えっ、えっ、えっ……どういうこと、どういうことなのっ、これ? だ、だれか……た、たすけてっ……。だれかっ……どうしてもだれも気付いてくれないの……? しかも、声、ぜんぜんでない……)」

「怯えることはない。ただおれの仕事に付き合ってもらうだけだ。黙っていればすぐに済む。どうしても不安ならば、その単語帳でも読んで気休めをしておけ」

会話をしながらも手は止めない。

鷲掴んだ手をはなして、長丈のスカートをゆっくりと捲
めく
る。
濃い色のローファー、ソックスに覆われたほっそりした脹脛
ふくらはぎ
、膝の上までで靴下の色は消えて、運動で引き締まった若さみなぎる瑞々しい太腿
ふともも
、その付け根には大きく桃の似姿をした色白臀部が露
あら
わになる。

これほどの腿
もも
は崑崙
コンロン
に居たときの修行道士たちの間でも見たことがないし、また尻の桃
モモ
も蓬莱
ほうらい
山に居たときも見たことがない。

たぐいまれなる貴族尻。
いかに ”椋鳥” と言えど、その威厳に僅かに尻込みする気分だった。
直接触れることが躊躇
ためら
われるほどだった。

「(なんと……! 年端
としは
のいかぬ少女の肉体とは思えん……! 妲己
だっき
に比するか、若さを鑑
かんが
みればそれ以上か!? よもや極東にこれほどの……!)」

「ゃ、ゃめて、くださっ……♡ お尻、見られちゃっ……♡ だめぇ……♡(す、すーすーするっ……もしかして、す、スカートっ、捲られて……!? だ、だめっ! 見ないでっ……!)」

連想するのは、かつて北原で出会った妖狐
ようこ
であった。

よわい
1000を超す怪物であったが、人間の女の姿に変化し、生者を喰らい身につけた精力妖気その邪法で永久に若返りをなす傾国
けいこく
の悪女である。

妲己、初めて奴
ヤツ
と対峙したとき、長い舌で指を舐めるのを見たとき、おれは恥も外聞も矜持
プライド
も誇りも投げ捨てて、恐怖に涙で顔を濡らし、すべてに背を向け逃げ出した。

恐ろしかった。
いかに立ち向かおうと、魔性魅仏の女陰
ほと
に飲み込まれ、抜け出せぬまま搾り殺される未来しか見いだせなかった。
おれが14のときであった。
それから10年、鍛錬に鍛錬を重ね、驕らず努力を積み立てることが出来たのも、あのときの味わった恐怖の味のせいだろう。
その後、崑崙で太公望
たいこうぼう
殿に道術の教えを請

い、鍛え究めた技と精神をもって報仇
ほうきゅう
雪恨
せっこん
の復讐戦
リベンジマッチ
に挑むのだが、その顛末
てんまつ
と結果はここで語るべきことではない。

さて、四ノ宮のスカートを捲り、臀部を撫でり撫でりとしばし出方
でかた
を思案する。
柔らかな尻には、指の食い込んだ跡がいくつか残り、わずかに赤みがさしていた。
白桃に被せるようにレースの白布、少女趣味のショーツ、薄い生地だが幅広で尻を覆っているそれが頼りなくも唯一の守りである。
布の上からまさぐる。
羽毛
フェザー
のように軽く、それでいて入念に。

周囲を囲み見物する痴漢たちが、おおっと軽く湧いた。
単純ながら愛撫は絶技、触れるか触れないかのギリギリを伝い輪郭をなぞる手つきは間違いなく達人の運指
うんし

さば
きで、丸みを帯びた未成年の少女尻はぶるりと慄然したからだ。
肌を伝い、勁
けい
が女体の細胞ひとつひとつに浸透し、叩き、嬲
なぶ
り、ぐつぐつと煮立てていく。
あっさりとした肉撫での仕儀にもかかわらず、それは高価な媚薬を撃ち込むよりも明らかに強力だった。
指先の軌跡
きせき
が、滲み出た汗に蛞蝓
ナメクジ
が這

ったあとのように濡れて光り、白い肌の面積のうち赤みがかった部分がどんどん増えていく。

メス
の部分が、雄
オス
に陥落
かんらく
した増えていく。

もちろん四ノ宮は未開発の処女──であるならば、いかに子作りに適した発情期の食べごろ雌であろうとも、ふつう、こうはたやすく感じない。

なぜならいまだ、性感帯のひとつも触っていない。
ただ尻をあっさり撫でただけで、愛撫というに実に淡泊なものだ。

だというのに、四ノ宮 ありす、『紫眼麗嬢』は頬を赤く染め息を乱し、熱っぽく全身を戦慄
わなな
かせている。
なぜか。

愛撫の”モノ”がちがう、この場の全員がそれを感じ取れた。
雷電
らいでん
氣勁
きけい
の法により撃ち込まれた愛撫の感覚は肉のうちで弾み、反響し、長くわだかまり続ける。

「な、なにっ……?♡ おしり、なんだかっ……♡ はあっ♡ はあっ♡ すっごく、びんかん、にぃ……♡(あ、あれ……? わたし、なんで、息、乱れて……? ただ、おしり撫でられているだけなのに……? なんで……?)」

「(見えたッ! そこだッ!)」

満員電車ががたんと大きく揺れる。
四ノ宮は大きく姿勢を崩し、おれは抱きかかえるように支え、右の乳房をひっつかむ。
ブレザーのままでは埒が明かないので、そのまま着衣を乱す。
胸襟に忍び込み、白いブラウスのボタンを雷光の速度で外してしまう。
封じ込めていた巨大なバストが弾けるように外にまろび出る。
下と同じで、ブラジャーは白く、頑丈なワイヤーを通した巨乳専用であった。

「(この素材、恐らく通電するな。ならば外さず、機の熟したときにズラすべし)」

「え、えっ…‥‥♡ む、むねっ……♡ でちゃって……!♡(わ、わたし、電車のなかでおっぱい出しちゃって……!? か、隠さなきゃ! あーもう、どうして色気のない白の日に限って……じゃない、これ以上はダメ! 痴漢、止めてもらわなきゃ……!)」

「無駄だ、女
オンナ
。おれは止まる気はいっさいない」

「ぁ、ぅ……♡(こ、心を読まれて……? な、なんなのこのひと……!?)」

「ただの痴漢だ。難しいことは考えなくていい。いまはおれに身を任せろ」

問答に付き合うつもりはなかった。
むんずとブラ越しに胸を揉みしだき、ゆっくりと昂
たかぶ
らせていく。
息を乱し、次第に腰が抜けてきた四ノ宮を相手に、しかし追い詰められているのはおれのほうだった。
乳愛撫をしながらも背筋にひと筋、脂汗が流れた。

「(な、なんだこの乳房は……!? 乳牛よりデカいぞ。片の手に収まりきらん……しからば、秘電流の技とて真っ向からでは仕留めきれんか)」

「はぅ……♡ ひゃめ、はなし、てぇ……♡(なんか、よくわからないけどっ……! このひとが触れた場所、ぜんぶピリピリする……! な、なんだかおかしい……!)」

秘電流の奥義、“椋鳥”の代名詞でもある『指電閃』は必殺の技だ。
しかし如何なる技芸にも欠点は存在する。
それは、たとえば間合
リーチ
の狭さ。
『指電閃』は指先に収束増幅した体内電流を一瞬にして放出、相手の防御の一切を無視して叩きこむ大技だが、まともな威力が期待できるのは指先、第一関節まで。
それも的外れな場所に打ち込めば威力は半減する。

通常の乳房の女が相手であれば、武芸で鍛えたおれの大きく武骨な手のひらに容易にすっぽり収まりきる。
そうすればいっさいの隙無く必殺の電撃が流しこめる。

しかし四ノ宮ほど肥大なバストが相手ではそれが出来ない。
芳醇な脂肪が威力を和らげ、さらに弱点を隠してしまうので、最悪の場合はすこし痺れた程度で終わってしまうからだ。

そして、未熟の身であるおれには、師より一日に『指電閃』は一度しか許されていない。
四ノ宮の降車時間というタイムリミットもある。

それまでに、連続
れんぞく
絶頂
アクメ
を叩きこみ四ノ宮にイキ潮を吹かせ足腰を立たなくし、くたくたに潰さねばならない。
依頼の達成にそれは不可欠だった。
それが唯一可能なのは──。

「(つまり、おれに唯一残された活路は……!)」

弱点となる場所を見つけだし、最高威力の『指電閃』を叩きこむこと。
体内時計によれば、経過時間はすでに半分、20分。
間に合わなければ依頼失敗だ。

「かくなる上は……」

「にゃ、んあっ♡ な、なんです……?♡(な、なにか呟いた……? なんて……?)」

リスクを取るしかない。
ブラをずらし乳を丸出しにする。
四ノ宮は電車の外気にぶるりと震えた。

ショーツのうしろに指を潜り込ませる。
そのまま、桃尻の割れ目に指を滑らせた。
ぞわりと四ノ宮は背筋を悪寒に震わせて、ちいさく悲鳴を上げた。

内股になり、せめて妨げにしようと学生鞄を手にぶつけてくる。
その程度では虫も殺せない、おれは冷笑した。
本気でおれの愛撫を止めるつもりなら対物狙撃銃でも持ってこい。
それすらも外功の技で防ぎきる自信がある。
かまわず続ける。

肛門の入り口、きゅっと締まった菊門をそろそろとなぞる。
秘電流が型の三、破門雷切。
淡く広く体内電流を放電し痺れさせ、威力こそ低いが、確実にガードを下げさせる。
異物を拒み固く閉じた菊門は、閃光の奇襲にぴくぴくと痙攣したのち、ゆるゆると開いた。

「(ふん。いかに高い潜在能力を秘めていようと、やはり小娘。脆弱な粘膜への電撃を防ぐ術は持たんか……)」

おれ自身、アナルへの電撃耐性を獲得した女は見たことなかった。
その機を逃さず乗じる。
人差し指が小娘のアナルを貫き、有効打を打つべく弱みを探す。
四ノ宮はのけぞるようにそれを拒んで、なんとか腕を押しのけようとするも、とうぜんびくともしない。

「ひ、ぃ♡ おし、りぃ!?♡ ゃ、ぁめ、おねが、そこっ、だめっ♡ いれちゃ、ゃです♡ きた、なぃ……♡ つぽつぽ、しない、でぇ……♡ なにか入れたりするところじゃ、ないんれすぅ……!♡ やめてぇ……♡(ぃやぁぁあ! おし、おしり!? なんで!? どうして!? こわい、こわいこわいきもちわるいぃい!)」

「落ち着け。この程度、喚くようなことじゃない」

流れ込む思考がうるさい。
とはいえ、四ノ宮は効く耳を持たない。
未経験のアナルの衝撃に、じたばたを暴れる気配を見せている。
これでは痴漢どころではない。

「(くそっ。判断ミスか……!?)」

そう思った直後だった。

「ゃあ……♡ おねがい、します……♡ おしりのあな、やあ……♡(なんで、どうしてきもちいいの……? おしりの、あななのに……。どうして……? わたし、おかしくなっちゃったの……?)」

勝機が見えた。
やはり読みは正しかった。
一見隙の無い堅固な守りも、たしかに穴はあったのだ。
尻穴愛好という年若の少女には酷な穴が。
そして見つけたからには、それを逃すおれではない。

「まだだ。焦るには早い……! ッ、ぉお──!」

四ノ宮の心臓の拍動を読み取って、それにテンポをあわせて乳を揉む。
下乳から捏ねるように、大胆かつ慎重に、されど雲耀
うんよう
のごとく。
まっ白く軟
やわ
な肌がこねりこねりと姿を変えて、長大な乳房は弄ばれる。
おれの速度で翻弄している──なればこのまま電光石火だ。

「んひゅっ♡ む、むねもらめれすっ♡ や、やめてっ♡ もまないれっ♡ やあ♡ おちち捏ねないでくらさい♡ はなして♡ も、だめれすからぁ♡(はうぅ……だめ、だめだめだめ、だめだめだめだめ! きもちよくなっちゃ、痴漢で感じるなんて、ダメェ……! わ、わたしは四ノ宮の家の跡継ぎなんだからっ! こんな、こと、でぇ……!)」

「(……攻め落とす! あとはタイミングを計
はか
る──)」

難攻不落を打ち崩すアイデアがおれの頭にひらめいた。
揉むでもなく、触るでもなく、扱
シゴ
く──デカく長い乳を。
磨くように、搾るように。
にわかに汗ばみ始めた四ノ宮の肢体、その表面を汗で滑走するように、女の乳を掌握し扱き上げる。
味わったことのない悦楽に、四ノ宮は、はしたなくも低く呻いた。

「お“ぅ♡ にゃ、に”い、これっ♡ あたま、おかし、くっ、なる“ぅう♡ ずるずる、ずりずり、しないれっ♡ あたま、ばかにっ……♡ お”っ♡ せっかくおぼえたのにっ、さっき、えいたんご、わすれちゃっ♡(あたま、ぱちぱちしてっ、目の奥、涙がっ……。なに、なにがくるの……!? ばちばちって、ちっちゃな火花が、頭の奥で、だんだんっ、おおきくっ……!)」

「悩む暇はない……──ここだッ!」

裂帛の気合をあげ。
ずぶりとアナルを中指で深く貫く。
同時、間髪入れず右の乳首を捻り上げる。
防ぎようのない同時攻撃──そして、双掌・雷電
らいでん
氣勁
きけい
を炸裂させる。
直撃をもらった尻から肛門にかけて肉と内側すなわちアナル、むやみに大きな乳房までもが一直線に射程範囲。
電撃が四ノ宮の快楽神経を連鎖的に貫き、灼

き、脳みそがショートするほどの性的快感を流し込む。
湯気さえ上がるほどの熱量と衝撃──生身で落雷を受けるに等しい衝撃。
とうてい生身の女が、それも未成熟な少女が受け止めきれる性感の威力ではない。
しからば高まった悦楽は爆発し──四ノ宮 ありすという女は果てた。

「あ“?♡ あ”あ“──~~~~~~ッ……♡ あ”っ♡ あ“っ♡ あ”あ“あ” あ” あ” あ” あ”っ!♡(あ……れ? なに、これ……? わたし、おもらし、して……? なにも、かんがえられな、あ、あたま……まっしろ、に……)」

ぶしゅぶしゅとちいさく潮を吹き、涙で顔を濡らしながら、スカートを薄く鼠色に染めた。
白い肌は長距離走を走り終えたあとみたいに朱のさした色になっていた。
かくかくと膝が震えて、倒れ込みそうになるのを支えてやる。

「(くそっ……やはりまだだ。理性が、意識が保てている。通電する思考がその証拠だ。これでは到着したホームで逃げられてしまう)」

やはり、『指電閃』しかない。
この女の意識を奪うには、それだけの瞬間威力がいる。
さすがに財界の支配者の血を継ぐ『紫眼麗嬢』、一筋縄ではいかない。

「(だが、弱点は見えた。はっきりと。さきの絶頂の一瞬、この女は無意識にそこを庇った。場所は──)」

視線を移す。
場所は女陰、そして下腹部。
ともに正中線──おそらくはクリトリスとGスポット、そして子宮だ。
しかし、どうする。
内功の増幅電流はすでに打ち止めだ。
これ以上は『指電閃』の必殺威力が保証できないほど消耗してしまう。

残り3分。
すでに目的駅、聖ジュリアス女学院は目前、目と鼻の先だった。

「う“う”──……?♡ あ、れ……にゃに、が……?♡ わた、し……♡(……目の前、ばちばちって。そうだ、痴漢されてるんだった。に、逃げなきゃ。弱ってるふりして、なんとか、次の駅で……逃げなきゃ)」

「……我ながら無茶な策だな」

独り言ちた。
四ノ宮の下腹部に手を当てる。
精密さを重点にゆっくりと調息し、残り僅かな体内電気を微弱な周波の波に変換し、子宮を電子レンジの要領で温め励起する。
それから、そっと陰核に触れる。
皮を剥くと、むき出しになった鋭敏な感覚にぶるりと四ノ宮の腰が震えた。

「にゃ、にい……?♡ おなか、ぽかぽか……?♡ くり、さわっちゃ、や……♡(お腹に、手が……? あと、クリトリスにも……? いったい、なにをして……)」

「女、おまえの力を借りる。神経を尖らせろ」

「は、え……?♡ お“っ♡ な、にゃに、やめ、でんしゃなのにっ♡ クリ、いじっちゃやあぁっ♡(皮剥かれちゃ……♡ だめ、敏感だから、自分でもあんまり弄ったことないのにっ♡ 知らないひとに、電車でっ♡ 痴漢さんに触られちゃってるうっ……♡)」

「ゆっくりと息を吸え、女。おれが呼吸を合わせる」

人馬一体という言葉がある。
相容れぬ二体が力を合わせることで、一個体では賄
まかな
えぬ力を発揮するという意味の言葉だ。
この場を切り抜けるには、それを実践するほかないように思えた。

おれが馬で、四ノ宮が人だ。
素人の彼女に手綱を握らせ、おれが最高速度で絶頂に導く。

「──振り落とされるなよ!」

みじかい時間だが、おれには『四ノ宮 ありす』という女に奇妙な共感を、ともに事業をなす戦友のような感覚を覚えていた。
秘電流の思考同調による錯覚か、あるいは加速した体感時間がなす単純接触効果の影響か──どちらでも、あるいはそれ以外でもなんでもよかった。
この極上の好敵手を相手に、自分の持てる技のすべてを吐き出してみたかった。

「はっ♡ はっ♡ こ、こきゅう、落ち着けろって言っても……♡ はぅっ♡ それならっ♡ あんっ♡ さ、さわるのっ♡ お尻とかっ、胸とか、く、クリ、クリトリスとかっ♡ やめてくださっ♡ いっ♡(全身、ずっときもちい……♡ なんで……?♡ この、痴漢さんのせい……?♡ 男のひと、いつもなら、すっごく怖いのに……♡ このひとなら安心できるっ♡ 任せられるっ♡ なんでっ♡ なんでそう思っちゃうの……!?♡)」

子宮は完全に発情した。
次は陰核、その根っこだ。
性器の肉のなかに半分埋まってこそいるが、クリトリスは外見よりも大きな器官である。
植物の根のように、隠れた急所がある。
本来手で触れることができないそこを、クリのうえから、人差し指の先っぽでぽんぽんとやさしく軽く叩く。
もちろん加えるは寸勁、すこしでも体内電気を温存するため、単純な指先功を繊細な力加減で打ち込む。
差し込まれた衝撃は、内功となって肉の内で弾け、ゆっくりと浸透し──クリトリスはびきびきと痛々しいほどに勃起した。

「いひぃっ♡ な、へ?♡ クリっ♡ こんなっ♡ 尖がったこと、なっ♡(なにされたのっ?♡ わかんなっ♡ ずっとよくわかんないけどきもちい♡)」

「残すはひとつ──」

体外から恥骨のあたりを抑え、膣内に侵入した指から裏側を弾く。
こりこりと弾力のあるそこは、恥じらいもなく目に見えて大きいGスポットであった。
なるほど、清楚な乙女の外見ではあるが、内側はとうに女になる準備が整っていたらしい。
思春期の苛烈な性欲を理性と起立で押し込めて、ゆえに歪に膨れ上がった性欲の証拠がそれだった。
秘電の技が、その副作用として望まざる思考同調
フラッシュバック
が発生する。
Gスポットに染みついた妄念が、女の情念、性欲、罪悪感と背徳感に味付けされた自慰の快感が指先から流れ込んでくる。

「(ごめんなさっ♡ お父さまっ、ごめんなさいっ♡ ありすが、ありすが悪い子でしたっ♡ だからっ、だから怒らないでっ♡ 謝りますっ♡ これからはちゃんとしますっ♡ お勉強もっ♡ 運動もぜんぶいちばんとるからっ♡ だからお母さんを怒らないでっ♡)」

記憶のなかで、幼い四ノ宮はひたすらGスポットを抉りながら自慰に耽っていた。
説教のあとなのか、尻は赤く腫れていた。
手つきは明らかに手慣れていて、常習的なのは間違いなかった。
説教で感じてしまい、そのことを謝りながら陰で自慰に浸っていたのだ、この娘は。

「ッ──……なるほど、な」

強烈な意識の同調に抗いながら、一心不乱に愛撫し、一撃必殺の準備を整える。
四ノ宮は掘り起こされた禁忌の記憶に涙を流しながら、呆然自失となってされるがままだった。

「しかし、いまの逆流でおれの技の準備は整った」

「は、え……♡(なに……?♡ わざ……?♡ もっときもちいのが、くるの……?♡)」

わかりやすく言えば盗電に近い。
四ノ宮の肉体が秘めた生体電気を強奪し、おれの体力を回復させたのだ。

恐るべきは女の潜在能力──『紫眼麗嬢』は伊達ではない。
気の総量はおれより遥かに上だ。
くわえてデカい尻、デカい乳、肉厚の大陰唇はぷっくりとした盛りマンで攻防に優れ、いかに秘電流の技が雷光一閃に相手を叩きのめす絶技であろうとも、たやすく仕留めることは出来ない。

しかも同調した結果わかったことだが──この女、無意識に内家の技を習得しつつあった。
おれの愛撫をとおして学習し、無意識に防御していたのだ。
だからあれほどの深度で同調し、生体電気を盗むなどという荒業がなせた。

「冥途の土産に見せてやる、女。これが第六天魔を生滅し、妲己を絶頂の彼方に葬った功夫の到達点──」

右手を盛りマンのうえに被せ、左手を体外の子宮直上に構える。
すでに四ノ宮の経絡
けいらく
、気のとおり道は愛撫によって調整し終えていた。
これは導線
レール
だ。
陰陽、正反対の極と極を電流が走り、その途中にある性感帯を絶頂桃色電流で焼き尽くしていく。
刹那に鞘走る抜刀術がごとく。
その技の名は。

「────『指電閃』」

炸裂する。
指先が一瞬青白く光り、女の股から腹を伝い逆手に飲み込まれる。
それが瞬きのうちに何度も、何度も繰り返される。
愛液は熱量に蒸発し、本気汁は汁気がなくなってツンとした生臭い雌臭だけをあたりに撒き散らした。
四ノ宮は最初、なにが起こったか分からぬといった感じで見つめた後、ぎっくんぎっくんと反射で全身を戦慄
わなな
かせ、それからイキ潮を撒き散らしたが、それはすぐ蒸気となった。

「……?♡ おっ♡ おっ……?♡ ぁ“おっ♡ にゃん、これっ♡ ああああああ”っ……あああああああああああああ────~~~~~~~~ッ!♡ あ“っ♡(♡ ♡ ♡ ♡ ♡ ♡♡ ♡ ♡ ♡♡♡♡ ♡ ♡ ♡)」

「依頼、完了──……」

聖ジュリアス女学院まえの駅に着く。
四ノ宮はそれどころではなく、絶頂の吠え声をあげ、おれの腕のなかでイキ狂っていた。
逃がせぬ快感に涙を流し、狂えぬままに荒く息を吐き、思考はとうに途絶え、獣の本能のままにヘコヘコと情けなくも腰を前後にゆすっていた。
その姿には、誇り高くも清楚可憐な『紫眼麗嬢』の面影はなかった。

「ア♡ おッ♡ おおおお……♡ おおおおおっお、おお、おっ♡ おおおおおっ♡ ぐううううぅうううぅ♡ イッぐ、イグ♡ イグイグイグイグイグイグイグイグイグ♡」

絶頂のうえに絶頂が、さらにその上に絶頂が重なりたとえば重ね掛けした布団のように重みと内部温度が跳ねあがっていく。
底の方、いちばん最初に味わった甘美で淑やかな絶頂はその後に押し寄せた波濤
はとう
の圧に濃縮され結晶のように固まり、グロテスクなほど純度の高い脳内麻薬の炸裂となって少女の淡い感性と性体験を粉々に破壊した。
あとに残るのは、これからさき如何な絶頂を味わおうとも不満足と焦燥感に悩まされ悲嘆の内に沈む色狂いの雌という名の獣であった。

『聖ジュリアス女学院まえ、聖ジュリアス女学院まえ──お降りの際は、荷物のお忘れなく────それでは、発射いたします』

電車が発車した。
ここから次の駅までおよそ10分。
たとえ次の駅で降りて、乗り換えようとも間に合うことはない。
決着だった。

「すげぇ」
「見たかいまの」
「ありえねえ、痴漢であんな……」
「老師、おれに稽古を! 女をあんな風にイカせてみたいんです!」
「お、おれも! 老師!」
「おれもだ!」
「老師!」
「老師!」
「おれも、11歳の妹をあんな風にイキ潮撒き散らせたいんだ! 頼むよ! あんたの技を!」
「弟子入りさせてくれ! せめて流派の名を!」

「退け。おれは弟子を取るつもりはない」

ぐったりと意識を失った四ノ宮を抱き起し、着衣を整え座席に横にしてやる。

「わかっていると思うが、この娘には手を出すなよ。命が惜しければな」

「そりゃ、とうぜんてもんです。組織の掟だ」
「あんたほどの実力を見たあとに、女を痴漢しようなんて思いませんぜ」
「ああ。まちがいねぇ。腕比べされちゃ恥なんてもんじゃねえ」
「井の中の蛙
かわず
共に、大海を教えてくだすったこの恩、忘れはしません」
「痴漢の奥深さ、しかと学びました」

群がる尊敬の視線を柳に風といなし、”椋鳥
ムクドリ
”は車両を降りた。
観客の痴漢たちは、皆一様に拳礼をして大尊を払った。

「ご苦労様。 ”椋鳥” さん」

駅のホームは誰もおらず、居るのは女一人だった。
サングラスに、大きな帽子、パーティにでも出るのかという礼装のドレスに身を包んだ豊満な女は、四ノ宮 ありすと瓜二つの顔をしていた。
恐らくは血縁、しかるに、ありすの母親。

若々しく、とても経産婦には見えなかった。
20代前半、いやそれ以上に若々しく見えた。
おそらくは仙術──気功術の類の使い手。

「……その名でおれを呼ぶということは。雇ったのは貴様か」
「雇い主を貴様呼ばわりはないんじゃない? 一匹狼きどりかしら」

余裕気に、女──黄
ホァン
は乳を揺らした。
おれは苛立った。

「口封じにでも来たのか? あいにくだが、おれは無頼だ。止められはせんぞ」
「勘違いよ。お礼をしに来たの」

科をつくって、腕を絡め、乳を押し付けてくる女。
くびれをくねらせ、大きな尻を強調する仕草は手慣れた娼婦の仕草だった。

「うすうす察してはいた。『黄金石油』、黄
ホァン
、知りすぎている娘の事情。わざとらしい匂わせがあったからな」
「じゃ、私の狙いも?」
「そこまでは知らん。だが、およそ察しが付く。政略結婚か」

女は、黄
ホァン
は、四ノ宮 ありすの母親は口笛を吹いた。

「ご名答。あの娘が財界の取引材料にされてしまう。それを止めるために、あなたに痴漢をさせたってわけ。今日、聖ジュリアス女学院は期末テストでね。遅刻すれば落第間違いなし。四ノ宮の家訓は文武両道、天頂不落。なればこそ、そんな不出来な娘は他所
よそ
にやるわけにはいかないでしょう?」

「くだらん。おれは世俗に興味はない」

女はおれの素っ気ない言葉に、ころころと笑った。

「さすが。当代きっての痴漢は言うことが違うわね」
「それで。何のようだ」
「用はないわよ。ただ、一言お礼がしたかっただけ」

耳元で女は囁いた。

「挿入しなかったでしょ? どうして?」
「おれは ”痴漢し遅刻させろ” と依頼を受けたが、”中に出して孕ませろ” とは依頼されていない」
「……ぷっ。くっ、あはははっ。そう。たしかにそうね。ええ、そうだわ」
「もういいか。鉄道警察の拳客警官が来る前にここを立ち去りたい」

切符を取り出す。
ICカードは趣味じゃなかった。

改札を出る。
女は、それでもついてきた。

「ねえ。もうひとつ依頼してもいいかしら?」

おれは足を止め、振り向いた。

「……内容による」
「私を孕ませてごらんなさい」

四ノ宮の母親は胸元をくつろげ、フロントホックを外し、大胆にも寛げた胸元から取り出す。
オープンクロッチのパールショーツもその場で脱いだ。
そして、決闘を申し込む作法に従って、それらの布切れを俺に叩きつけた。
地面にエロい布切れが散らばった。

おれは、己の指の具合を確かめた。

「……その依頼、履行しよう」
「そう来なくっちゃね。娘とちがって、わたしは一筋縄じゃ行かないわよ」

おれは女の尻を掴み、一路ホテルへと向かった。

それから。
三日三晩に渡り、ある痴漢の男と、魔性がごとき女との愛液を精液で洗う交尾決戦があったのだが、それを語る場はここではない。
決着は、果たして。
当事者のみぞ知る。

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