オタク趣味の合うキスだけで絶頂しちゃう男ウケ抜群のエロボディ巨乳OLとイチャラブセックスするだけの話。
大学卒業と共にこの会社に入社して八年目。
日々行われる過度な叱責、何の感情もなくヘコヘコと下げてしまえる軽い頭。情けない俺に向けられる後輩からの冷たい目線。
そんな過酷な中でも頑張れるのには。
とある理由があった。
「だーっ。午前中しか働いてねぇのに疲れたッ。相坂
あいさか
、飯行こうぜ」
「そうだな。お腹も空いたしな」
同期の木村と共に社員食堂に向かう。
地元の銭湯のように、暗黙の了解で座る場所は何となく決まっている。入口から入って左奥のテーブル。ここで俺達はいつも昼食を食べている。
決まって食べるのはカツ丼。
ここのカツ丼は甘だれ醤油を使っており。
揚げたてのカツのサクサクとした気持ちのいい食感と合わさって最高に美味しいのだ。
早速注文して。テーブルにカツ丼を運ぶ。
席に着くなり木村はくたびれた声を上げるのだ。
「ッたくよお、この会社はどーなってんだ。朝8時に通勤って話なのに1時間前に来ないと怒鳴られるしよォ、上司のパワハラはキツイし、残業は当たり前だしよォ」
「……頂きます」
「なぁ、相坂
あいさか
。二人で会社辞めねェか? まだ俺ら働き盛りの30歳だろ? 転職するなら今しかねぇって」
「俺はこのままでいいよ。給料結構いいし、飯は美味いし」
「なんだよお前〜。ノリ悪ぃぞ〜?」
木村は不服そうに自分が注文したカレーライスに口を付ける。
そう、この会社はこの世知辛いご時世に関わらず給料は割と高いし、社員食堂の飯はどれも美味い。駅から会社までは近いし、オフィスの窓から見える街の景色は中々に絶景だ。
だが、俺が会社を辞めないのはそれだけが理由ではない。三十路のオッサンがこのパワハラ会社に勤続する理由。それは……。
(今日も綱森
つなもり
さんは可愛いな……)
俺、相坂
あいさか
清彦
きよひこ
より二つ年下の女性社員、綱森
つなもり
綾乃
あやの
さん。
大変気持ちの悪い話だが、俺は彼女を社員食堂で見かけるのが毎日の楽しみになっていた。
後ろで束ねられた亜麻色の長い髪。
女性的な華奢な肩に。アンニュイな雰囲気の表情。
不思議と鬱屈としたマイナス要素は感じなくて。
そればかりか背伸びしていない年相応の色気と落ち着きを感じるのだ。
俺と綱森
つなもり
さんはお互いに別部署に所属しており。普段働いているオフィスも違う場所にある。
だから会うことが出来るのはこの社員食堂のみで。
彼女の綺麗なご尊顔を拝めるのは今しかないのである。
いつも一人で昼食を食べている綱森さん。
しかも、何と言うことだろうか。
自分でお弁当を作って持ってきているのだ。
少し欲を言えば、いつか綱森さんの作ったお弁当を食べてみたいな。
「なぁぁ、相坂
あいさか
」
「……何だよ」
「俺達まだフリーだろ? 身を固める前にさ、こんな会社早く辞めようぜ。 な? な?」
「……俺はここに残る。お前が辛いなら一人で辞めればいい」
「そんなこと言うなよォ」
綱森さんがいる限り。
俺はこの会社を辞めないだろう。
……よし、午後の仕事も頑張るぞ。
心の中でそう唱え、俺は昼食を食べ進めるのだった。
※※※
「ッ、よし。今日の仕事終わり……」
時計を見ると。時刻は夜の11時過ぎだった。
今から会社を出て家に着くのは、恐らく12時頃だろう。
それから夕飯を済ませて風呂に入って歯を磨いたりなんだりすると、布団に入るのは深夜1時くらいだろうか。
……明日はきっと寝不足だろうな。
小さくため息をついて。俺は荷物をまとめて席を立つ。
廊下を歩きながら物思いにふける。
明日も綱森さんは社員食堂に来るだろうか。
また欲を言うと、少しでいいから彼女と話をしてみたい。俺は綱森さんのことをほとんど何も知らないのだから。
手っ取り早くナンパでもすればいいのだろうが。
30歳という自分の年齢を考えてみて、それはセクハラになるのではないかという気持ちだ。
綱森さんにスケベオヤジの烙印だけは押されたくない。だから……この想いは胸に秘めていくことにする。
廊下を歩いていると。
玄関付近に何か置いてあるのを見つけた。
拾ってみると、それはアニメのキーホルダーだった。
……って、このキャラクター知ってるぞ。俺が高校生の頃観てた日常系作品のヒロインの一人じゃないか。
なんでこんな場所に落ちているのか。
不思議に思って首を傾げていると。
「あ、あの……ッ」
「ぁ……」
目線を上げると、そこには綱森
つなもり
さんが立っており。
震えた声で、怯えた表情で。俺の持っているアニメのキーホルダーを指差すのだ。
「そ、それ……私の、です……」
「……あ、えと」
「か、返して頂けますか……?」
カワイイ系の顔をしているのに。
声は少しハスキーボイスで。落ち着いた低音が聴いていて心地いい。また彼女のことが好きになった。
って、俺は何を呆然としているんだ。
早く返していあげなきゃ……。
「す、すみません……どうぞ」
「ありがとうございます……」
「……」
「…………」
気まずい沈黙が俺達を包む。
どうしよう、どう言葉を返せばいいのだろうか。
……悩んでいると。
綱森さんは乾いた笑みを浮かべながら。
自虐的にこう言うのだ。
「引きました、よね」
「え……?」
「いや、20代後半の女が……萌えアニメのキーホルダーを仕事場に持ち込んでるなんて……」
「え、いや……」
「き、気持ち悪い、ですよね……あはは。すみません……」
きっと過去に色々な人が彼女を傷付けたのだろう。
俺達が若い頃は今よりオタクに理解が無かったから。
綱森さんも……周りの人達に自分の趣味を馬鹿にされてきたんだ。
そんな彼女に俺は言う。
「このキャラ……ふわもち☆の凛
りん
ちゃんですよね」
「え……?」
「確か、俺が高校生の頃にアニメが放送してて。実家に凛
りん
ちゃんのクリアファイルありますよ」
「……知ってるん、ですか……?」
「ええ、俺も凛
りん
ちゃん推しでしたから」
バッと綱森さんは俺に駆け寄り。
目をキラキラと光らせて饒舌に語るのだった。
「り、凛
りん
ちゃんいいですよねっ。他の『餅部』のメンバーの咲
さき
ちゃんと雅
みやび
ちゃんに隠れてるけど、実は三人の中で一番テストの成績はいいし、天然キャラの咲
さき
ちゃんがピンチの時は何だかんだで一番最初に駆けつけてくれるいい子だし……身長が一番小さいのも可愛いって感じで……」
「あ……えっと」
「……ッッ!!! すすす、すみません……つい凛
りん
ちゃんの話になると早口になってしまって……」
しおしおとナメクジが塩をかけられたように。
落ち込んでしまう綱森さん。
何だかその様子がおかしくて、俺は笑ってしまう。
「ふふ……はははっ」
「え、え?」
「い、いや、ごめんなさい……綱森さんって面白いかたなんだなって……その、思ったものでして」
「お、面白いって……それはどういう意味で……」
「あ、別に馬鹿にしているワケではないですよ。言葉通りの意味ですから……」
綱森さんがまさか隠れオタクだったとは。
想像もしていなかった。オタクとか陽キャとか、そういう人間の概念に当てはまらない妖精のような女性だと思っていたから。
少しだけ、綱森さんの解像度が上がった俺である。
「あの、綱森
つなもり
さん」
「はい……」
「今から帰りですよね。良かったら、駅までご一緒にどうでしょうか」
「え……?」
「あ、いや。無理にとは言いませんが……俺も、その。久しぶりにオタクトークがしたいなって。『ふわもち☆』観てたってことは、同時期に放送してた『オレの嫁は鬼嫁です』も観てましたか?」
「え、『オレ鬼』すごい好きでした……特に10話の離婚危機の回が……」
「では、歩きながら話しませんか? ここじゃ何ですし」
「は、はい……よろしくお願いします」
俺達は会社を出て。
駅までの15分間、ずっとアニメや漫画の話をして過ごすのだった。嘘みたいに盛り上がって。この日は何だか眠ることが出来ない俺だった。
それから毎回。
俺と綱森さんは仕事終わりに待ち合わせをしてオタクトークに花を咲かせるようになった。
話していて分かるのは、綱森さんは作品だけではなくそれを生み出した作者のかたにも敬意を払える素晴らしいオタクだということだ。
とても、素敵なことだと思う。
学生時代の友人なんかは「あのアニメのここがクソ」みたいな作品批判をよくしていたし、作者に対しても心無い発言をしていたから。その点、綱森さんは良識のある人だ。
……外見だけではなく、内面まで好きになった。
そう自覚すると、色々と溢れる想いもあって。
こんな日々を半年ほど過ごす頃には。俺の中である想いを明確に抱くようになった。
──綱森
つなもり
さんと真剣に交際したい。
だが、彼女側からすればどう思うだろうか。
ただのオタ友としか思っていない男性からイキナリ好意を向けられたら。気持ち悪いと思うだろうか。
もし俺が女性で同じ立場だったら。
少なくとも、すごく驚くだろう。
……彼女を傷付けたくない。迷う心の中で、同時にそんな気持ちも強く感じる。
……俺がこの気持ちに固く蓋を閉じれば。
少なくとも、綱森さんを傷付けることは無いのだろうか。そう思うと、告白する気にはなれなかった。
そんなある日。
(待ち合わせの時間過ぎてしまった……)
いつも駅前のカフェ前で待ち合わせをしている俺達。
残業に残業が重なって待ち合わせに20分も遅れてしまった。寒い雪の中で綱森さんを待たせるのは心苦しい。早く行かなければ。
営業で培った脚力を駆使して。
俺は駆ける、駆ける、また駆ける。
そして待ち合わせ場所に着くと。
マフラーを巻いてうつむく綱森さんの姿があった。
俺はほっと胸を撫で下ろして彼女に駆け寄る。
「綱森さん。お待たせしまし──」
「ッ……」
俺の顔を見て。目を丸くして。
刹那、綺麗な瞳から大粒の涙を流し始める綱森さん。
焦りに焦って、俺はワタワタと困惑してしまう。
「あ、あのッ。す、すみません……」
「ッ……う、ぁ」
「寒い中待って下さったんですよね……。身体冷えちゃいましたよね……ごめんなさい、その……俺ッ」
「ッ。違……違う、んです……ッ」
「違う……?」
言葉を詰まらせながら。
泣きじゃくる綱森さんはこう言う。
「安心……したからッ。相坂
あいさか
さんの、お顔を見て……」
「……何か、辛いことがあったんですか」
「ッ……」
無言でコクコクと頷く綱森さん。
もう、触れるのを戸惑っている場合ではなかった。
俺は彼女の背中を優しく撫でて。言葉を投げかける。
「大丈夫、ですよ。大丈夫ですから……どうか、泣き止んで下さい
「すみまッ、せん……ッッ。う、ぁ……すみません……ッ」
俺に出来ることは。
大丈夫、大丈夫と言葉をかけて。
綱森さんを安心させることぐらいしかなかった。
しばらく経って。
「……すみません……みっともない姿を見せてしまって」
「いえ、気にしてませんから……」
「……」
「何があったのか、もし良かったら教えて下さいませんか?」
少しの間があり。
綱森さんは、ゆっくりと自分の言葉で説明してくれる。
「相坂さんと出会ってから……その、自信が持てるようになったんです。自分が、その……オタクであるということに」
「そうだったんですね」
「……ええ、今まで自分の趣味は気持ちの悪いもので、一生隠して生きなければいけないと思っていましたので……」
俺や、綱森さんの青春時代は。
今よりオタク趣味に理解がなく。
いわゆる『迫害』と呼ばれるような現象もザラにあった。それは俺も知っているし、ぶっちゃけ高校生ぐらいの頃まで自分がオタクであることは一部の親友にしか話していなかった。
「嬉しかったんです。相坂さんに出会えて。心から好きな話が出来て……今まで抑えていたから。その分、余計に……」
「綱森さん……」
「ありがとうございます。相坂さん」
深く綺麗なお辞儀を見せてくれる綱森さん。
恐縮してしまう俺。だが彼女は羞恥心などハナから無いかのように頭を下げるのを止めない。
「……綱森さん、俺は……その、大したことは」
「いえ、相坂さん。私は……貴方に感謝しているんです」
『だから』と。綱森さんは言葉を続ける。
「その分……悔しかった。心から……初めて、今日明確に怒りを覚えたんです」
「怒り、ですか」
「……今日、凛
りん
ちゃんのキーホルダーをデスクの引き出しに入れていたんです。いつも、お守りみたいに使っているんですけど……」
「その時、たまたま近くを通った上司に見つかって。言われたんです。大人になってもそんなオモチャ持ってきて恥ずかしくないのかって……」
驚愕した。
今の時代にそんな事を言う人間がいるのかと。
遅れて俺も怒りを覚えた。綱森さんを傷付けたことに対して腹立たしく思った。
「……ここ半年、相坂さんとお話して。自分の趣味を沢山肯定してもらって……ああ、私は私でいいんだ。好きなものを好きだって感情は間違いじゃなかったんだって思っていたから……だから、余計に悲しくなってしまって……」
「それは……辛かったですね」
「でも、いいんです。もう大丈夫なんです」
泣き腫らした顔で幸せそうに微笑み。
綱森さんは俺を求めてくる。
「私には……相坂さんがいるから」
「……ッ」
「相坂さんがいれば、多分……私、頑張れます」
「……あまり、男を期待させることを言うのは止めて下さい。経験の浅い男が聞いたら、簡単に勘違いしてしまいますよ」
「……すみません」
しばしの沈黙の後。
綱森さんは口を開く。
「でも……でもね、相坂さん」
「はい……」
「……私、相坂さんになら、勘違いされても……構わないですよ……?」
「……それは、良い意味に捉えていいんですね?」
俺の真剣な表情に。
綱森さんはクスッと吹き出して。
「……ええ、構いません」
「そうですか。なら……」
「なら?」
「……ッ」
言い淀む俺に綱森さんはクスクスと笑う。
この人は信頼した男にはどこまでも甘くなるようだ。
そういう無垢なところも……またひとつ好きになった。
「綱森
つなもり
さん」
「はい」
「俺、アナタのことが好きです」
「はい……」
「お互いに遊びで交際なんて出来る年齢じゃなくて、そろそろ身を固める時期ですし。だから……その、今からするのは結構真剣な話で。もし、嫌なら断って頂いて構わないのですが」
「はい……」
俺は二酸化炭素混じりの白い息を吐く。
気温は恐らく0度を回っているだろう。
早く要件を済ませて場所を移動したいが、慎重に事を進めなければならない。それに、俺も歳が歳だから。この機会を逃せば、次に運命の相手と出会えるのはいつになるか分からない。
俺は一呼吸置いてから。
意を決して。こう言った。
「俺と……真剣に、付き合って下さいませんか……?」
「それは……交際、という意味で?」
「はい。アナタが、綱森さんが……本当に、良いなと思ったから」
「そう、ですか……そうなんですね」
俺のような冴えない男が女性に告白する時。
そういう時は大抵、相手のほうが優勢である。
今の俺はまな板の上の鯉だ。彼女が悪意を持って何か発言すれば、すぐさま俺の男としての生命は終わりを迎えるだろう。
「……相坂
あいさか
さん」
「はい……」
綱森さんが俺の名を呼ぶ。
落ち着いた低音のハスキーボイス耳に響いて気持ちいい。普段は少女っぽい可愛さがあるのに、ふと真剣な様子で言葉を投げられられると気が引き締まる。そんな素敵な声だった。きっと、歌を歌わせたら惚れ惚れするほど上手いのだろうな。
そんな彼女は少し悩んだあと。
そっと、俺の前に白くて細い手を伸ばしてくる。
「手……触れてみて、下さい」
「はい……」
綱森さんの手に触れる。
震えていた。寒さからではないと、彼女が俺を見る熱い視線から察することが出来た。
「……久し振り、だから……男性に想いを寄せられるのは」
「そう、ですか」
「ええ、だから……少し、緊張してしまいます」
「ありがとうございます。俺なんかに……」
「なんか、なんて言わないで下さい。相坂さんは、素敵な男性ですよ……?」
上目遣いで。イタズラそうに笑う綱森さん。
……ああ、好きだ。強く再認識した。
この感情が一時の生殖本能から来るものではないと信じたい。そんな汚らしい物でコーティングされなくても、綱森さんは十分に魅力的だと信じたいから。
「……告白の件ですが……」
「はい……」
「……お受けします。その、私で良ければ……これから、よろしくお願いしますね……?」
「ッッ」
告白が成功したのなんて。
正直、学生時代以来だ。
少なからず失敗する可能性を考えていたので、俺の気持ちを受け入れてもらえて震えが止まらなくなる。
「ふふ、相坂さん。震えていますよ?」
「……はは。すみません。みっともない……」
「私も震えているので大丈夫ですよ」
「そうですか……なら、良かったです」
触れた手がどちらと言わず絡み合って。
自然と恋人繋ぎになる。俺達は見つめ合う。
目と目が合うと、綱森さんの瑠璃のように綺麗な瞳には俺しか映っていないことに気付く。好きでいてくれているんだ。こんな俺のことを……。
「相坂さん……」
「はい……」
指と指と絡ませながら。
綱森さんが官能的な低音ボイスで甘く囁く。
「静かな場所に行きたいです……」
「ッ……」
「ダメ、ですか……?」
ダメなワケがない。
即答したい気持ちを必死で抑えて。
俺は余裕ぶって答える。
「ダメじゃないですよ」
「ぁ……」
「では、二人きりになれる静かな場所……行きましょうか」
「……はい」
夜の街を駆ける俺と綱森さんだった。
※※※
(久し振りだな……女性とセックスするのは)
ラブホテルの一室に腰掛け。
先にシャワーを浴びた俺は綱森さんが上がるのを待っていた。
最後に女性と性的接触をしたのは大学生の頃だったか。
当時の恋人は今何をしているのだろうか。
きっと、立派に働いて役職にでも就いているのだろう。
……って、こんな時に他の女性のことなんて考えてる場合じゃないよな。今は綱森さんとの大切な時間なんだから。
しばらくすると。
バスローブ姿の綱森さんが湯けむりと共に現れる。
「……ッ。あの、お待たせしました」
「ッッ」
スーツ姿からは想像出来なかったが。
綱森さんの乳房は想像より大きかった。
バスローブの胸部付近にたわわな曲線が描かれている。
腰はキュッと細く。柔尻はプリンとデカイ安産型。
湯上りで上気した赤い頬と柔らかそうな唇。
恥ずかしそうに目線を下げているのが庇護欲をくすぐる。
「あ、あの……相坂
あいさか
、さん?」
「……すごく、綺麗ですね」
「ふ、ぁ……ぅ、ありがとう、ございます……」
素直に褒めると綱森さんなしおしおと恐縮する。
可愛い。早く抱きしめたい。
だが、俺だって童貞じゃない。
がっついたみっともない姿を見せるワケにはいかなくて。
俺は腰掛けているベッドの隣をポンと撫でる。
「とりあえず、隣に来て下さい」
「はい……」
恐る恐るといった感じに。
綱森さんが俺の隣に腰掛ける。
彼女の柔らかそうなお尻がベッドのシーツにシワを作る。触れてしまいそうな距離に愛しの相手が存在している。それだけで幸せな気持ちになった。
「綺麗だ」
「ぅ……ありがとう、ございます」
「触れても、いいですか……?」
「……はい。お願い、します」
許可も降りたところで。
綱森さんの華奢な肩に触れる。
バスローブ越しに震えている。
大丈夫だよ、怖くないよ、と。安心して欲しくて。
花束を扱うように丁寧に丁寧に触れていく。
決して爪を立ててはいけない。擦ってはいけない。
蝶よ花よと大切に育てられたご令嬢なのだ。
傷付けることがあってはいけないのだ。
……まあ、全部新卒時代に先輩から習ったことだが。
「うう、ぁ……あいさか、さん」
「大丈夫、可愛いですよ」
「ッ。はぁ……わ、わたし……」
優しく撫でているだけで。
自ずと彼女のほうから『そういう雰囲気』になる。
綱森さんは股をモジモジと擦らせて羞恥に耐えている。
きっと、色々と辛抱堪らなくなってしまったのだろう。
……少し、イジメてみたくなった。
「綱森
つなもり
さん」
「はい……」
「キス、させてもらってもいいですか……?」
「ッ。う、ぅ……」
「ダメでしょうか……?」
しばらくの沈黙のあと。
真っ赤に染まった顔で。
綱森さんは消え入るように呟く。
「……は、い……お願い、します……」
「ありがとうございます。では、こちらを向いて下さい」
「はい……」
お互いに見つめ合って。目線を合わせる。
綱森さんがトマトみたいに赤く熟れた顔で俺を見ている。豊満な柔乳に手を添えて、自身の心音を確認している。可愛い……本能のままに蹂躙したくなる。でも、ここは冷静に……落ち着いてこの城を攻めていこう。
「ちゅ、ん……ぷぁ、あいさか、さん」
「綱森さん、反応可愛いです」
「は、ァ……ダメ、今そんなこと言われたら」
キスをすると。
夏場のアイスクリームのように蕩
とろ
けた表情になる綱森さん。反応が度々男心をくすぐってくる。今まで彼女の身体を通り過ぎた男達は一体どんな思いをしていたのだろうか。無茶苦茶にがっついて乱暴したのだろうか。
もう一度、キスをする。
「ちゅ、ふ、ぁ……あいさか、さん」
「息苦しくないですか」
「いえ、心地いい……です」
「そうですか」
ふと、ポツリと。
綱森さんが微笑みながら呟く。
「相坂さんとのキス……その」
「はい……」
「……他のどの男性より、好き……かもです」
「ッッ」
「えへへ……もっと、お願いします……」
ドクンッ。ドクンッ。
俺のキンタマが脈を打った。
心だけではなく、身体までもが綱森さんを欲しがっているのだ。あまりにも可愛すぎて……。
「ごめん、綱森さん……少し、激しくします」
「ふぇ……? あ、あの、相坂さ──」
自分の『男』としての本能に抗えず。
俺は綱森さんの柔らかい唇を激しく求めてしまう。
「ちゅ、ふぅ。ぁ、やぁ……ぢゅ、うゅ、ぁン♡」
綱森さんの、苦しくも愉悦混じりの嬌声。
聞いていると股間がみるみるうちに固くなり。
早くこの女との子孫を残せと脳内でけたたましくアラームが鳴り響く。レッドランプが視界を照らす中、綱森さんが何か繰り返し言葉を言っている。
「──ッ────ッ♡ ぁ、やぁ♡」
ハッと我に返る。俺は何をしているのか。
綱森さんを見る。すると、彼女は目をパチパチとさせて甲高い声でこう繰り返し叫んでいた。
「イク♡イク♡ぁ♡イキ、ます……ッ♡ごめんなさいッ。イキますッッ♡♡♡ごめんなさいッッ♡♡♡」
ビクンッッ!!!♡♡
錦鯉のように綱森さんの身体が仰け反る。
絶頂したのだ。キスしただけで。
……なんて、男ウケの良いエロボディなのだろうか。
「イクッ♡イクッ♡ごめんッッなさいごめんなさいッッ♡♡♡ごめんなさいイキます、ゥゥ♡♡♡イグゥゥ♡♡」
「綱森さん……ッ」
「はぁ、はぁ、はァァァッッ♡♡ は、ぁぁ……」
マンコの収縮が収まりを見せた頃。
ようやく綱森さんは冷静になったようで。
俺に平謝りしてくる。
「ごめんなさい……わ、わたし……その、人より感度が高くて……すぐにイッてしまうんです」
「そんな、謝らないで下さい……」
「こんな女、き、気持ち悪いですよね……」
ヘラっと。自嘲気味に綱森さんが笑う。
そんなことして欲しくなくて。
俺は彼女の肩にそっと手を添えて。こう語りかける。
「綱森さん……いや、綾乃
あやの
さん 」
「ッ。はい……」
「そんな風に自分を卑下するのは止めて下さい。俺は、そんなアナタも好きですから」
「相坂、さん……」
「もう一度、キスしても? 」
「……はい。お願い、します」
キスをする。今度は優しく時間をかけて。
唇が擦れる甘い水音が室内に響く。
綾乃さんも目を閉じて。今この時間を楽しんでいるようだ。
「ちゅ、ッ……相坂、さん」
「脱がせてもいいですか」
「はい……お願い、します」
バスローブを脱がしていく。
梨型のFカップ爆乳があらわになる。
ぷっくりと勃起した乳首は「早く触って摘んで」と懇願しているようで。その周りの皮脂腺からは発情した雌のフェロモンがむせ返るほど溢れていた。
秘部からはトロトロの愛液が垂れており。
シーツを濡らしてシミを作っている。
キスで絶頂した時に出来たのだろう。
……本当に、男ウケの良いエロボディをしている。
「可愛いです」
「ふぁ……相坂、さん」
「濡れてますし、挿
い
れてもいいですか?」
「……はい。お願い、します」
綾乃
あやの
さんが仰向けになる。
俺は彼女に覆い被さる。
デカすぎるFカップ爆乳が重力に負けずにプリンと跳ねている。許可を取って乳首に触れてみると。
「ッ、ん、ぁ♡」
「綾乃さんの感じてる声、とても可愛いです」
「ありがとう、ございます……ぁ、やぁ……乳首、ん♡」
人差し指で何度か優しく乳首を弾いてあげると。
散々に可愛い声で鳴いてくれる。
チャームポイントのハスキーボイスは普段よりワントーン高くて。それが本気で感じてくれているのだと分かって男心を刺激してくる。
「乳首触ってたら、固くなっちゃいましたね」
「はぅ……すみません。恥ずかしい、です」
「いえ、とても可愛らしいです。あ、アソコも濡れてしまいましたね」
「……相坂さん」
「はい……」
子供が親にクリスマスプレゼントをねだるように。
可愛い声で俺にこう囁く綾乃
あやの
さんだ。
「挿
い
れて、下さい……わたしの、腟内
なか
に……貴方の……オチンコ……ッ」
「……可愛い」
「ッ。はぁ……お願い、します」
そんなえろ可愛いオネダリをされたら。
男としては堪らなく興奮するワケで。
チンコがビンビンに固くなる。
……早いところ避妊具を着けて挿入しよう。
「ゴム、着けますね」
「……はい」
俺がそう言うと。
綾乃さんは少し悲しそうな声になる。
まさか、中出しを想定していたというのか。
……あまりにもエロ過ぎて脳がショートしそうだ。
「……腟内
なか
に出して欲しいんですか?」
つい、興味本位で訊いてみる。
すると綾乃さんは目を細めて。恥ずかしそうに。
「……ッ」
コクリ、と。一度だけうなづいた。
〜〜〜ッ。我慢しろ、俺。
まだ俺達は交際して一日も経っていないのだ。
お互いの両親に挨拶だってしていない。
性欲に流されるな……冷静になれ。
「……綾乃
あやの
さん」
「ッ。はい」
期待のこもった声で応答する綾乃さん。
……クソ、えろ可愛いな。
だが、俺は年上として優しく諭す。
「その、腟内
なか
に出すのは……ダメです」
「……そ、そうですよね」
「……これから、もっとお互いを知ってから。それから……その、もしアナタがいいのなら。赤ちゃんを作りましょう」
「!」
「……あの、綾乃
あやの
さん?」
ポーっと夢心地な表情で。
綾乃さんはポツリと言う。
「相坂さんとの……赤ちゃん」
「あ、あの」
「……あ、すみません。想像したら、なんか……」
「なんか?」
綾乃さんは幸せそうに微笑んで。
「なんか、絶対可愛いんだろうなって……」
「ッッッ」
「あの、あいさかさん?」
クソッ。中出しして孕ませてぇ。
そんな願望を理性の鎖で雁字搦
がんじがら
めにして。
暴発寸前のチンコにコンドームを着ける俺。
はぁ……これからの交際で中出しを耐えることが出来るか不安でしかない。
「綾乃さん……」
「相坂さん」
「俺のことは、清彦
きよひこ
と、下の名前で呼んで下さい……」
「清彦
きよひこ
さん……」
「……綾乃
あやの
さん。挿
い
れますね」
「はい……お願い、します」
俺は綾乃さんの陰裂に己の肉棒を宛がって。
そして──挿入を開始するのだった。
グッチュ、ゥゥゥ♡♡
「ッ。ん、ぁぁ♡♡♡」
「くッ。綾乃、さん……」
生温かい綾乃さんの腟道。
肉ヒダが避妊具越しに俺のペニスに絡み付き。
「離さないで」としがみついてくる。
そんな可愛らしいことをされたらもう堪らない。
バウンドするお乳を揉みしだきながら。
俺は綾乃さんをトントンと突くのだった。
「や、ぁ♡あんっ。きよひこ、さん♡」
「あやのさんッ。声……可愛い、です」
「もっとッ、もっとッ♡ダメッ。腰弱めないで……わたしを、沢山求めて下さい……ッ♡」
……クソッ。女性って力任せに突かれたくないものなんじゃないのかよ。綾乃さんはやはりあまりにも男ウケの良い身体過ぎる。
……他の男に取られたくない。
俺が……俺だけが独占したい。全部俺が味わいたい。
他の男に喘がされたくない。俺で最後にしたい。
そんな気持ちに急かされて。
俺は腰の抽挿を加速させる。
「あ〜〜〜ッッんんん♡♡そこッ。そこ弱いッ♡そこ気持ちいいところだからァ♡♡♡」
「綾乃さんッ。声えろ可愛いですッ。他の男に聞かせたくないです……ッ。アナタを喘がせるのは俺だけだッ」
「もっとッ。もっと突いて清彦
きよひこ
さんッッ♡♡ 腰止めないで♡トントン続けて♡♡」
意図的なのか、あるいは天性の才能なのか。
綾乃さんは男を喜ばせる言葉を連発させる。
デカすぎるFカップ爆乳も揉んで。乳首もビンビンに弾いて。可愛い嬌声をさらに可愛くさせる。
ああ、あまりにもエロ可愛いすぎる。
もう射精するッ。
「あやのさん……ッッ。出ますッッ」
俺が苦しげにそう言うと。
最後に一際男を興奮させる一撃必殺の言葉を放って。
俺の精液を吐き出させようとしてくる綾乃さんだ。
「赤ちゃん産ませてッッ♡」
「ッッ!!! 」
「貴方の赤ちゃんなら産んでもいいからぁ♡♡」
「ッッッ!!! ダメだ出るッッ!!!」
美人でスタイルも良くて。趣味も合う。
そんな理想の相手に「貴方の赤ちゃんなら産んでもいい」と言われたのだ。そんなの……射精するしか選択肢がなくなる。
ビューーーーッッッ♡♡♡
大量に射精をした。コンドームの先端がパンパンに膨らむ。精子一つ一つが精鋭無比の強者共だ。本気で身体が綾乃さんを孕ませようとしているようだ。
「ぁ〜〜〜ッッ♡♡ 腟内
なか
にアツイのッ♡沢山……ッッ。でて、ます♡♡♡」
「ッッ。あやのさん……ッ」
射精の興奮で理性を失いそうになる中。
ふと、綾乃さんと目が合う。
彼女のほうから目を閉じて。唇を差し出した。
耐える術もなく、幸せ過ぎるキスをする。
「ちゅ、ふ、ぅ……きよひこ、さん」
「……可愛いです。綾乃
あやの
さん……」
綾乃さんは幸せそうに微笑んで。
「はい……ありがとう、ございます……♡」
見惚れるくらい綺麗な笑顔だった。
※※※
数日後。会社の社員食堂にて。
俺と綾乃さんと……それから同期の木村の三人で昼食を食べていた。俺の前には綾乃さんの作ったお弁当がある。
「なぁ〜ッ。相坂、早くこの会社辞めようぜ〜?」
「…….頂きます」
「おい〜ッ。聞いてんのかよォ。てか、綱森さんもなんか言って下さいよ〜ッ」
「わ、私からは……特に言うことも」
綾乃の作ったお弁当はどれも美味しかった。
ああ、あまりにも男ウケの良い女性だ。
……与えられだけじゃ心苦しい。
俺も、何か彼女にあげたい。何が良いだろうか。
「クソ……ッ。俺はこの会社辞めてやるからなッ」
「好きにしろよ。俺は、辞めないからな」
「何でだよ。食堂の飯が美味いからか?」
俺は首を振って。相坂さんをチラリと見て。
幸せそうに微笑む彼女に釣られて俺も微笑むのだ。
それを見た木村は心底腹立たしそうに。
「……リア充爆発しろ」
と、言うのだった。
よし、午後の仕事も頑張るぞ。