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Kカップの人気コスプレイヤーが売り子になったら、義理の妹と再会して童貞卒業生ハメ中出しイチャラブエッチした

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季節は冬! もう間もなくすれば、待ちに待った一年にたった一度のお祭り、コミケの開催日である!

「夏は夏、冬は冬で1カウントだから」

オリジナルの漫画を書き続ける、セミプロ級のイラストレーター、灯木嘉波
ともりぎ かなみ
は今回ついに……

「憧れの壁サークルをゲット……子供の頃からの夢の一つが叶ったんだなぁ……」

小学校の頃から目指していた、大きな同人誌即売会で有名壁サークル、その一つとして認められる事だ。

……小学校の段階で、既に薄い本を知っているのは如何なものかと思うが、夢の一つが叶ったのは培ってきた努力が報われたのだと、嘉波は一人静かに涙を浮かべながら、祝杯として缶チューハイを開けた。

嘉波はイラスト、漫画への才能は高くない、寧ろ低いとまで自分で思っていたし、馬鹿にされたり「諦めちまえ!」と言われた回数など、1000回は軽く超えているだろう。

絵を描くのはずっと好きだった、自分で一から考えたキャラクターを漫画で動かしてみたい、そしてみんなに読んで貰いたい。

「……まだ壁って決まっただけだ、嬉しいけど喜び過ぎないようにしないと」

踏まれても踏まれても立ち上がった、ペンを折られ、スケッチブックを破かれ、「キモい! ヘタクソ!」と黒板に貼り付けられて大笑いされたって、嘉波は諦めずに毎日、本当に毎日何があっても描き続けた。

数年前にやっと「萌えエロ系絵師」として、注目を浴びて一気にメジャーデビューを果たせた。

彼のHNである「烈覇靭」は知る人ぞ知る、それなりの昔から活動している絵師として、密かに支持されていたが今やもう日本を超えて、世界が烈覇靭を待っているのだ。

実は企業から何件かメールをいただいている、「専業のイラストレーターになってくださいませんか?」と。

「もう僅かで年越しだけどさ、来年の二月までには決める」

一気に有名企業から声をかけられたので、嘉波は待遇や収入を選べる立場なのだ。

旬のイラストレーターを起用すれば、会社のPRをより強化する事ができる、そういう目的があるのは承知しているが、それでも認められた事が嬉しかった。

「ほぼほぼ何処と面接するかは決まってはいるんだけどね、まずは目の前の一大イベント、コミケを無事に終わらせることだっ!」

プロのイラストレーターになる最後のイベント、憧れていたコミケの壁サークルとは粋な計らいとすら、思えてしまえる。

「おっとっと、謙虚に謙虚に……壁サーになれた、プロにもなれる、それらは本当に嬉しいんだけど……ッ! もう一つあるんだよなッ!」

ずっと前から計画していたのだ。

壁サーとなれた暁にはコスプレイヤーに、売り子をして貰うのだと。

そしてコンタクトは完了している、二年前からコスプレ界隈に突如現れた、超人気で超爆乳で超ムチエロい「あくありうむ」にDMを送り、快く引き受けてくれたのだった。

あらゆるサークルで売り子として活動、時には彼女が作り上げた自サークルで「ちょっとエッチなコスプレ集」を販売したり(当然のように売上ランキング一位)と、コスプレ界隈のみならずSNSで知らぬ者は存在しない女性である。

売り子として起用したいサークルは大量にあるので、凄まじく倍率は高いのだが今回は運が良かったし、何より相手から「前から興味ありましたので♡」と、実に好意的なメッセージをいただけたので、交渉などあってないようなスムーズさで当日の売り子となった。

「しかも俺が描いている漫画のキャラのコスをしてくれる! こんな嬉しい事があるかよっ!」

夢描いていたモノが、また一つ叶ってしまえる。

嘉波は引き出しからA4サイズの写真が、何十枚も重ねられたモノを取り出す。

あくありうむサークルでは、写真集やオリジナルグッズを販売しており、写真集は電子版ももちろんあるのだが、紙の媒体として送って貰う事も可能だ。

「何回もオカズに使ったあくありうむさん……生の彼女は初めてで正直、童貞だからめちゃくちゃ興奮するだろうけど、何とか紳士的に接したい……」

紙媒体として購入した目的は――ぶっかける事。

コスプレにより様々なウィッグを被るのだが、彼女の素の髪色は薄く染められた銀、腰まで届くロングヘアはくどくない程度にパーマをかけて、フワッとしておりさらにアップにしている事が多いらしい。

コスプレ写真集を購入しなければ、決して判明しない秘密の情報……であるが、購入者が多すぎるので知らない者はいなくなっている。

プライベートな彼女の姿でヌク、人気アニメのコスプレをする彼女でヌク、人気ゲームのコスプレ……オリジナルの……少し過激な……バニー、メイド、水着、制服、色々、色々色々……

「全部がヌケるオカズ写真集だっ……ッ、と、チンポ扱くところだった、当日に備えて溜めておかなきゃなんだよなっ、ふぅ……我慢我慢……」

イラストのへの努力に全振りした結果、嘉波は26歳にして童貞である。

女の子と手を繋いだことすらもない――いや……正確には繋いだ事はあるのだが、それは妹のものなのでカウントしてはいけないだろう。

「ヤリモクであくありうむさんに頼んだんじゃないけど……でもっ、少しくらい期待しちゃうのは童貞だから……」

売り子が打ち上げでお持ち帰りされる、そんなシチュは同人誌だけにして欲しいものだが、ウソかホントか、SNS上で「お持ち帰りされた」「お持ち帰りしたったw」報告は……わりとあったりする。

「打ち上げはお礼も兼ねて誘ってみるけどさ、セックスしたいなんて気持ちは……ある、出来ればしたい、したいけど……」

そりゃあ本音はヤりたい、大人気のムチムチ爆乳レイヤーにパイズリして貰いたいし、イチャラブの正常位で童貞を卒業したい。

だが嘉波にもプライドはある、折角名が知れ渡るようになってプロからもお誘いされるイラストレーターが、童貞だったなんてカミウングアウトできっこない。

「あくありうむさんに優しく手ほどきされたい……」

別に彼女が処女か、そうでないかには拘ってない。

あんなにエロくて美人なのだから、ヤッた事がない方がおかしい。

初めてだから優しく、経験豊富なレイヤーに導かれたい、絶対に明かせない一つの夢ではあるが、それだけは叶いっこないだろうと、嘉波は諦めている……のだが、やはり男なのでワンチャン期待するのは仕方がないだろう。

「寝る前にササッとラクガキするか、リクエストされていたからコレを描こうかな!」

ドスケベ破廉恥なマイクロビキニの上に、谷間ざっくり露出なメイド服という、ステーキの隣にハンバーグを置く高カロリーな筈のイラストも、10年以上努力をした今となっては造作もない。

すぐにあくありうむ本人からも「いいね」され、SNSトレンドに「ドスケベ衣装」「あくありうむ」「烈覇靭」が一晩並ぶ事となった。

ガチガチに身体とチンポを緊張させながら、コミケ当日までオナニーを我慢した事に関して、自分自身で賞賛したい嘉波。

サークル主たる彼と、レイヤーたる彼女は会場近くのホテルにて一泊。

同じ部屋に泊まるなど都合のいい展開は無い、たまたま同じホテルだったに過ぎない。
しかし同じホテルに泊まっていたと、DMが送られて来ただけで嘉波は勃起が止まらなかった、確かに同じ屋根の下かもしれないが……

「俺の部屋まで来てくれるんだ……けっ、Kカップのあくありうむさんがっ!」

衣装も完全に自作のあくありうむ氏、流石にお着替えは会場入りしてからだが、会場までの道のりも一緒に行く事になっている。

というのも、嘉波のチケットにあくありうむが同伴するので、二人一緒じゃないと入れないからだ。

全く落ち着けずに部屋の中を走り回ったり、何度も何度もトイレに行って用を足したり、歯磨きやうがいをしたり、かと思えば水をガブ飲みしたり……

「落ち着けるわけねぇ……でも落ち着いたトコを見せないと……女に面識のない童貞だってバレたら……でも、いざヤる時はバラさないとダメなんだよな? ……………………ヤる事前提にしてんじゃねーよ俺ぇ……考えなくていいんだ、俺のサークルの記念すべき初の売り子を担当してくれる、優しくておっぱいが大きくて、巨乳で、爆乳で、Kカップで……ダメだっ! ムチムチおっぱいばっかり考えちまううぅ~~~~!!」

ハッ倒したくなる程落ち着きのない嘉波、オナニーが出来ればいくらか落ち着けたかもしれないが、「万が一」を考慮したらヌクにヌケない。

ドタドタしっぱなしの嘉波の耳へと、「ピンッ……ポーンッ」、部屋にベルの音が響き渡り身体が金縛りのように、硬直してしまう。

(来たっ! あくありうむさんっ!)

それは演じているのか、それとも素なのか?

ややロリッ気ある声色、扉越しなのによく届く声量、紛れもないあくありうむ氏のものであり、急いで施錠を開放する。

「わっ! リアルでは初めましてっ~! あくありうむです! 本日はよろしくお願いしますね、烈覇先生っ~♪」

……いい香りだ、童貞オタ野郎のスメルが積み込まれていた部屋が、浄化されていく勢いで花のようで、果物かもしれなくて、美しい女性のみが保有する天然フレグランスに脳がヤられる。

「こちらこそよろしくお願いします! あくありうむさん!」

深く、深く頭を下げたが、握手までする勇気は嘉波にはなかった。

「本当に銀髪なんですね……」

「そうですよー! とあるキャラのコスをした時に染めたんですけど、気に入っちゃって♪」

地毛となったアップに纏められた銀髪を、かきあげる仕草もカメラやスマホを向けられている事を意識した、フォトジェニックな姿である。

どんな時でも「見られる事」を忘れていない、本業レイヤーたらしめるプロ意識が彼女にはある。

「ちゃんと衣装作ってきましたよ! 期待していてくださいね~♪ あんなにエッチな出来になるなんて♪」

「エッ!? エッチぃ!??」

「だって先生のキャラクターですもん! エッチな服装デザインしたのは先生じゃないですかぁ~!」

設定集を描いて彼女へ渡して、細かい箇所まで一切の妥協せずに作ってくれた衣装、それは代表作にして連載中のオリジナル漫画、連載初期からずっと人気な魔法使いがモデルだ。

ファンからの人気もトップクラスで、あくありうむもお気に入りだという。もちろん巨乳なのだがJカップなので、あくありうむの方が少しだけおっぱいが大きい。

二次元にリアルが勝った瞬間でもある。

「では時間になったら入口で待ち合わせましょうね~♪」

上機嫌で部屋から出ようとするあくありうむ。

時間まで一緒に過ごす……と、お誘いできるだけの度胸はない。

天元突破な歓喜を抱きながらも、僅かに虚しさと情けなさが生まれた嘉波は、床に何かが落ちた事に気が付く。

(身分証明書だっ、うわっ、あくありうむさんの本名書いてあるじゃん!)

彼女は本名を明かしていない。

夢のお手伝いをするのがレイヤーだと思っているので、例えコスプレを止める事となっても絶対に本名は開示しないと、心に決めて活動している。

……だが、会場へのサークル入場の際は話が別だ、こればかりは本名開示をしなければならないので、絶対守秘義務として受付担当の者と硬く約束しているのが、いつものやり方である。

「……あかり、ぎ? ……えっ? とも……りぎ……?」

「はいっ? ……………………ちょっ! ちょっとっ! それ私のですよっ! 何勝手に見てるんですかっ!!」

「うわっ!? あああっごめんなさいっ!!」

先ほどの挨拶よりか、少しだけ低くなった声色を正面から浴びせられた。

レイヤー時の声は作っていると判明したが、今はそれどころではない……興味心に負けてしまい、身分証明書の名前が書かれている欄を、しっかりと脳裏に焼き付けてしまったのだから。

「返してくださいっ!」

乱暴にひったくられたが、勝手に見る方が悪いので何も言えない。

ただこんな時でも、ひったくられた際におっぱいがブルッ! と揺れたのは見逃せず、脳内オカズフォルダへ大切に仕舞う辺りが童貞である。

「ともりぎ……」

「しっ、知りませんそんなのっ!」

「いやっ、俺は……あくありうむさん、あなた――お前を知っている!」

「ッ゛!?」

ウソだと思いたかった。

自分と偶然名字が同じの他人であって欲しかった。

嘉波は知っている、後退る銀髪爆乳女性は中学生の段階で、既にEカップ、高校生ではIカップまで成長して、フロントホックのブラジャーを好む事も……脱ぎやすいからと、紐パンを好む事だって知っているのだ。

「灯木月詠
ともりぎ つくよみ
、俺の……義理の妹、そうだよね?」

「あっ……あっ……そんなっ、あなた――お前ッ! 私のお兄……、んっ! お前は私の兄だったの……どんな巡り合わせなのよ……最悪、最低……」

売り子の仕事をバックれてやりたかった。

……でもしなかった、「プロ」なのだからクライアントがどれだけムカついて、クソッタレな義理の兄だろうが、受け持った仕事は完璧にやってやるのだと、ホテルマンに注意されてしまう大声で捲し立てたら、あくありうむ-灯木月詠は脱兎の如く嘉波の眼前から消え失せた。

義理の兄へ言ってやりたい事は山ほどあるが、それはそれとして……切り替えの早さもプロ意識の高さが秘訣だ。

コミケスタートから3分も経過していないのに、嘉波のサークル周囲は大混雑状態。

嘉波の新刊2冊を購入後、ファンのみんなが揃って「壁サークルおめでとうございます!」と挨拶してくれるのだ、感激して目頭に潤いがこみ上げて来たが、嘉波はグッ……と耐えた。

「烈覇靭先生のサークルはこちらでぇ~す! 新刊二冊で800円となっております! ポーズですか? いいですよー♪」

間違いなく嘉波のファンが訪れてくれているのだが、同等、もしくはそれ以上に爆乳レイヤーであるあくあ……月詠を目当てにしている者はいる。

嘉波の作品を知らない、SNSアカウントも知らない、そもそも同人誌もコミケもどうでもいい者達ですら、何処からか月詠がエロいコスプレをする情報をキャッチして、嘉波のサークルへ押し寄せて来ているのだ。

(やべっえ……俺の妹エッロ! 動画や写真集でも凄かったけど、生じゃ比較にならんエロさだっ! 息するだけでおっぱい揺れるとかマジかよっ……)

彼女が着ている衣装は前述したが、嘉波オリジナル漫画のヒロインのものだ。

地毛は銀髪なので今回は蒼く、ロングなウィッグを被っている。

いつか誰かにコスプレして貰えることまで考慮し、黒メッシュのインナーで首元から局部までを覆いつくし、胸の部分は暖簾のように布が垂れ下がっている。

布を捲ればインナーに包まれたおっぱいが丸見えとなる、当たり前だがブラジャーなど着用していないが、コスプレ時は流石にふとした事でポロッと行く可能性が高いので、ニプレスを貼って貰っている。

前後の腰にも長い布地があり、前垂れとして下着を隠している……のだが……

サイドのスリットはおヘソが見えてしまう位置にまで切り込みがある、つまり前垂れが機能しておらず紐パンの結び目が、常に晒されているのである。

アホみたいな大胆さが「清楚な性格なのに衣装がエロい」と、ヒロインが人気である理由の一端を担っている。

(これ、衣装私が作ったけど……スリット深くしすぎたかなぁ? ……ううん、原作再現だよね! 別にいっか!)

ファンタジーな世界だから許されたが、リアルではぶっちゃけただの痴女な服装で、リアルでコスるのは相当の勇気と、ヒロインに負けないスタイルが無ければ絶対に成立はしない。

過激な衣装に慣れっこな月詠は、生半可なエロレイヤーが逃げ出す程の原作再現に拘った、ドスケベ魔法使い衣装を纏いながら会計をしたり、リクエストに従い原作のポーズをしたり、投げキスやおっぱいを持ち上げたりと、ファンと月詠目的のスケベ野郎どもへサービスしまくっている。

(おいおいっ、月詠のやつサービスしすぎじゃないかっ!? 妹がこんな恰好をするなんて……やってって言ったの俺だけどさぁ……)

だってだって、大人気爆乳エロティカルレイヤーが、義理ではあるが妹だなんて夢にも思わなかったのだから。

学生時代も巨乳だったが、下半身はほっそりしていたのに……半端ない肉付き、ムチムッチムチな太ももを締め上げてるニーソックスの中に入って、溺れたいと嘉波は妹を盗み見るように観察している。

(やばっ、勃ってきそう……てかエロいポーズを頼んでる奴ら、勃起してんじゃんっ……!)

まぁ、勃起しているか、してないかなど数多のセクハラカメコを乗り越えてきた彼女からすれば、見て見ぬふりをするくらい簡単であろう。

だとしても、だ、セクハラマン達が気に食わない。

(あの子は俺の妹だっ……! 無性に腹が立つ!)

セクハラリクエストが加速していき、原作で1、2を争う人気の台詞とポーズが、ついにご指名されてしまった。

「ええぇ~! それはちょっとぉ……なぁ~んて! もう、サービスですからねぇ♪ むっ~~ギュッ♪」

断る、なんて選択肢が月詠の中にはなかった。

大嫌いになってしまった兄のサークル……ではあるが、売り子を引き受けたのだから完璧に役割を遂行させたい。

もっとファンを増やしたい、お気に入りのキャラになりきりたい、この想いだって本物なのだから。

(月詠ぃ!? そこまですんなよっ!!)

魔法を扱う触媒となる武器、宝石が埋め込まれたロッドを谷間で挟んで、100cmを軽く超える爆乳を交互にズリズリ……

疑似パイズリだ、原作はR-18なので疑似どころか、パイズリシーンやセックスシーンも盛りだくさんであるが、レイヤーにリクエストするにしてはラインを超えている。

断りたくても出来ない、レイヤーである事に誇りを持っている月詠の性格を利用し、徹底的にエロい姿をカメラに収めようとしている、下劣な思考を持つ者達の作戦だと、嘉波は直感した。

「ズリズリ、ズリズリッ♪ 私のおっぱいでいっぱい癒されてください♪」

セリフも仕草も原作を忠実に再現しているだけ……だけだが、行列に並んでいる殆どの者達は赤面している。

「あくありうむさん、やりすぎですよ」、言葉にするのも憚れる程に、見ている方が恥ずかしい行為を月詠は、強要されているに等しい。

(……ッ゛)

恐らく疑似パイズリをリクエストした者達の仲間なのだろう。

無防備となった彼女の背後から、いやらしい表情で近づいているハゲを、嘉波は発見した。

後ろから事故を装い揉むのかもしれない、どう考えてもアウトだが事故を装えば……もしくは?

さらに側面からカバンをゴソゴソし終わったデブを発見する。

(あいつらグルか? あのカバンてまさか……)

『盗撮』

可能性は高いだろう、セクハラリクエストへの対応でいっぱいいっぱいな月詠を、すれ違い間際に超ローアングルから盗撮するのは、あまり難しいとは思えない。

どんな衣装も着こなせるスタイルを持つ、爆乳レイヤーなのだから付き纏う害悪ファンも大量にいるだろう。

だからと言って見過ごせない、いや、疑似パイズリをしているのが「義理の妹」でなければ、見て見ぬふりをしていた。

「――ッ! すみませーん! 並ぶのはコチラからお願いします! それと、あまり騒がれると他のサークル様や参加者様の、ご迷惑にもなりますので……」

(兄貴っ!?)

義理だろうがなんだろうが、やっと出会えた妹なのだから、助けるのが「兄」だ。

舌打ちをしながらグループと思われる、セクハラ集団は解散し、ハゲとデブもバレたと察したらしく、マナー違反とスタッフに注意されながらも走って逃げて行った。

「………………………………」

一瞬だけ休憩すると、水の入ったペットボトルを取る為に、嘉波の隣へと移動してきた月詠。

尋常じゃない人口密度なので、真冬に薄着の衣装を着ていても暑い、サービスとして動き回ったから余計に谷間に汗が溜まってしまっている。

ぶる、ンッ、黒インナーに包まれた蒸れ蒸れ爆乳が嘉波の後ろへ回った、Kの質量を持っているから例え姿を隠しても、すぐに「爆乳の気配!」に反応できるだろう。

(……………………余計なことすんなしッッ!!)

休憩は建前、義理の兄へ一言文句を言ってやりたかっただけなのだ……

(セクハラに慣れてるんだから、月詠に対処を任せても良かったのかな……? かもしれないけどさっ、俺……兄だし……)

耳元でブチ切れられても月詠は笑顔を崩さない、数年見ない内に「レイヤーさんになるー!」と、無邪気に兄を抱きしめていた妹は立派にひとり立ちしていた。

殺し屋の兄なんて必要ない、と……示唆されているようで、大量に刷った新刊が完売するまでの間、ずっと嘉波は胸を痛めマトモに月詠と視線を合わせられなかった。

「ホンットにもう……余計な事してくれちゃって……あんなキモい奴らに何されようが平気なのに」

かつてない売上、かつてないファン達が訪れたコミケは大成功に終わり、サークル関係者もスタッフも一般参加者も、「お疲れさまでした!」と乾杯をする打ち上げの時間。

サークルのお片付け中、まさか月詠からお誘いしてくれるだなんて、何かの間違えかと思ってスルーしてしまったが、露骨に不機嫌な表情を作ってから「アンタの部屋でご飯食べるからね?」と……おっぱいを無自覚に揺らしながら、脅迫されたので招かねざるを得なかったのだ。

周囲のサークルが退散したタイミングを見計らい、やっとこさ笑顔を崩した月詠は本当にプロ意識が高い。

(飲み始めてから一時間、ずっと不機嫌なままなんだけど……)

〝もちろん〟と前置きされて、嘉波のおごりでピザやらステーキやら、お寿司にワインまで頼まれ放題されている。

別にいくらでも頼んでいいが、童貞男性が泊まる部屋で爆乳レイヤーがご飯を食べている……

(いいのかこれ? いやまぁ、俺にお説教するのがメインだと思うけど……)

「アレで私に変な噂が生まれたらどーすんのよっ!」

漫画肉のような骨付きチキンは、コミケ会場近くのホテルが「この時期だけ」お限定販売している代物。

オタク心を擽ってくるので人気は高い、両手に持ちながらガツガツ食べる月詠。

「俺の分は……?」、聞く暇も与えられず骨だけにして返された。

「噂ってなんだよ……てか、よく食べるな?」

「動き回ったから凄くお腹空いたし、喉が渇いたのっ!」

ヴィンテージなワインを注いで注いで、ゴクリッ、うごめく喉元にエロスを感じ視線を下げたら、爆乳がブルッ、と喉の動きすらにも反応して揺れるのだから、安全な目のやり場は皆無である。

「できてるとか……言われるの嫌だしっ……アンタが私を助けた、あっ! 全然嬉しくないし余計な事だと思ってるんだからねっ!? ……からさぁ、こっそり付き合ってる……とか、思われるかもしれないでしょ……」

酔いが回っているらしい、義理の兄にだけは勝気に振舞う姿を見せていた彼女は、頬がぽんわりと紅くなっていく。

「似たようなことは沢山あったけど、助けられたなんて一度もないから面倒なのよ」

少しの間を開けて、ボソッ、呟いた一言は何よりも嘉波に突き刺さり、強烈な一撃を与えてきた。

「人殺しの兄なんかに助けられた、私にとって屈辱的……最低だもんっ……!」

(ヒトゴロシ……)

――嘉波と父親と、月詠の母親は再婚相手だった。

喧嘩別れした元父親、不倫した元母親、暫くは親子二人で暮らしていたが、嘉波が高校生、月詠が中学生の時に再婚をし、義理の兄妹となった。

(おに~~いちゃん! だぁ~いすきぃ!)

月詠は小さい頃から発育がよく、初対面の時ですらEカップだったのにガンガン成長して、最後に下着を取り込んだ時にこっそり確認したらIカップにまで素晴らしい成長を遂げていた。

義理ではあるが〝兄〟には変わりなし、純粋に再婚を喜んでいた月詠は嘉波とすぐに打ち解けて、非常に距離感近く甘えまくってきてくれた。

「お兄ちゃんと将来結婚するっ!」と、誕生日の日に手紙をこっそり枕元に置いてくれた時は、嘉波も再婚してくれて本当に良かったと思った。

再婚前からオタク趣味があり、将来の夢が「コミケの壁サークル主になる」「企業のイラストレーターになる」と公言していたが、月詠はオタク趣味-――というか、兄が好きすぎるので兄の事なら何でも――理解アリなので、純粋に応援するだけに飽きたらず……

(私もねぇ! 夢ができたよー! 将来はお兄ちゃんの描く漫画とかねー、絵に登場するキャラクターになりきるのー!)

月詠も兄の描く漫画を読んでいるファンの一人、ファンになってくれた。

妹にオリジナルキャラのコスをさせるなど……背徳感は生まれるが、この時点ではまだ本気にはしていなかった。

(この子はずっと妹として、ファンとして俺を応援してくれる、こんなに嬉しい事があるかよっ!)

月詠がいたから嘉波は頑張れた。

「ヘタクソ」「デッサンが狂ってる」「同じ構図ばっか」「オタクのキモい妄想」

沢山罵られてきたが、月詠がいてくれたから何度でも立ち上がれた。

月詠だけでなく義理の母との関係も極めて良好であり、新しい家族として何ら不満は生まれずに、着々と画力を磨きながら幸せな日々を過ごせていた。。

しかし……

(俺がプレゼントした……俺が悪いんだ……)

熱心に、実直にバイトをして稼いだお金で、両親に結婚記念日のプレゼントした嘉波。

本当は家族4人での旅行を計画していたが、記念日に間に合わないので「偶にはゆっくりしてきて!」と、空港で月詠と共に両親を見送ったのだ。

事故が起こったのは、両親が帰還する日であった。

空港に向かう途中で交通事故、両親が乗っていたバスからはガソリンが漏れ出し、大きな車両火災が発生してしまった……

月詠と共にニュースを見てしまった嘉波は、すぐに両親へ電話をかけたが繋がらず、夜に警察から「死亡確認」と連絡が入った。

嘉波は泣けなかった。

「俺が旅行なんかプレゼントしなければ……」

「そ、だよっ……」

月詠も涙が出なかった。

「お兄ちゃんが悪いんだよ」

あまりにも無惨な現実を前にし、怒りと悲しみの矛先を兄へ向けた。

嘉波が旅行をプレゼントしなければ、いつも通り夕食をして、いつも通り「おやすみなさい!」と両親と挨拶ができていた。

交通事故の原因は、バスに激突してきた飲酒運転ドライバーなのだが、法の裁きを受けるべき容疑者も車両火災に巻き込まれてしまったので、月詠は怒りと悲しみをぶつける相手を失ってしまったのだ。

だから向けてしまった、隣で抱きしめてくれていた兄を。

「お兄ちゃんが、お前が……っ、お父さんとお母さんを殺したのっ!! このっ……人殺しいい゛ぃ゛ッ゛ッ゛!!」

この夜以降、二人の会話は無くなった。

(――……ヤな事思い出しちゃった、でも忘れられない、忘れちゃダメな過去だしっ、はぁ、なんであくありうむさんが……妹で……はぁ……)

右手で額を抑えながら、「人殺し」となって妹から縁を切られてしまった経緯が、走馬灯のように浮かんできていた。

「ねぇ、ねぇ! 馬鹿兄貴!」

「えっ……俺っ?」

「お前以外に誰がいるのよっ? ワインもう一本開けるからね?」

縁を切られた筈なのに、「兄貴」と呼んでくれるのは謎だが……嬉しいと感じてしまった。

両親の葬儀が済んだら月詠は一人暮らしを始めて、嘉波とは完全に絶縁の関係であった。

まだ高校生の彼女が「お前と一緒にいたくない」と、置手紙を置いてひとり立ちをするのは不安で止めたかったが、何を言っても嘉波の言葉は届かなかっただろう。

いつかは再会したい、見つけ出したい、その為には罪を背負いながら生き続けなければならない。

……年月が経過するにつれ、段々と「もう会えないのかな?」、諦めつつあったのだが……本当にまさかの再会だったのだ。

「まだ絵を描いてたんだね」

嘉波はお酒類を1口、2口程度しか飲めていないが、月詠は支払うのは嘉波だからとガンガングラスを傾けている。

食べ始めた時こそフルスイング、直球な罵倒を一方的に浴びせて来てはいたが、酔いが回ってきた影響からか、向こうから色々と訪ねてくるに至っている。

「うん、一日も描くの止めてないよ」

人よりも才能がなかったので、人よりも努力するのは当たり前、そうして培ってきたのが壁サークル主となった嘉波の実力だ。

「へー……」

「月詠こそ」

「……………………なによ」

名前を呼ぶなとキレられていたのに、お酒の力は偉大である。

「コスプレ、してたんだなって……」

「……別にお前との約束を叶えたいとか、そんなんじゃないからね? 純粋にしてみたくなったからしてるの」

嘉波の絵柄は大分洗練されていたので、一番傍で応援していた月詠にも気が付けなかった。

大嫌いで人殺しの兄なんかと、メールではニッコニコでやり取りをしていた……成長しまくった身体に、兄の生み出した創作キャラの服装を纏ってしまった。

「分からなかったんだもん、しょうがないじゃない」

グラスをテーブルに置いた、それだけで爆乳がグンッ、と揺れる。

やや寝そべるような体勢になれば、まるでおっぱいを枕代わりにしているかの如く、テーブルに乗った圧倒的な質量が嘉波の視線と琴線と股間を刺激する。

「おいっ……寝るなら部屋まで送るからなっ?」

「はっ……?」

酔いがかなり回っていると見た、ご飯も進めば酒も進んでいたが、殆どが月詠からの一方的な質問責めであり、嘉波が何かを質問し返したら「知らないわよ」と大体乱暴に返される。

それでもっ……妹とやり取りを出来ている、嬉しかった……

どんな形であれ、月詠と会話が出来るだけで時間が過ぎていく、新刊が完売した時よりも、ファン達から挨拶された時よりも、ずっと嬉しいのだ。

「……………………兄貴さぁ」

「はっ、はいっ……」

嘉波が義理の兄だと発覚してから、常に眉毛が10時10分を指していたが、今は8時20分を指している。

セルフおっぱい枕から顔をあげてから、雰囲気が全然違う。

よく嘉波に見せていた表情のソレに近いものだ。

「女が酒に酔ってて……二人きり……で、何もしないの?」

「はっ……いやっ、確かに二人きりではあるけどっ……」

「そんなだからっ……童貞なのよっ……」

「おまっ!? 何言い出すんだよっ! つーか失礼すぎるだろっ!!」

口調は強いままだが、表情は実に弱々しい。

トロりとした眉、目尻も垂れ下がって口元もヘニャりこんでいる、迫力を感じないが「童貞」ワードにはまるで、嘉波と絶縁だった空白の数年間のすべてを見通しされたかの、破壊力を得ていた。

「分かるし……コスプレイヤーしてるとね、視線でもう分かるの……あっ、この人女に対して免疫ないなー……あっ、この人は彼女いるんだなー……とかさ……なんとなく……伝わってくるの……」

少なくとも嘉波が童貞なのは間違いないのだ、本当ならば彼女を早く作って妹や家族を安心させたかったが、漫画に振りきっていたので恋愛をする暇は作らなかった。

「ファンはあんなに沢山いるのにね……誰にも手を出した事ないんでしょ……?」

「そんなん出来るかよっ……ヤリ目みたいだし嫌だよ」

「はああああああああっ……なさけなっ……自分がいつまでも童貞な理由……分析した事ないでしょ……?」

グイグイズイズイ、顔も身体も近づいてきている月詠。

もう少しでも近づいてくれたら、長くてデカい乳が接触してくれるので、急いで後退るも追いかけてきて限りなく、壁ドンに近いシチュになる。

「おいっ! 月詠っ!」

「……………………………………………………」

酒の香りは漂う、しかし不快なものではなく誘いこまれそうな、女の根幹に潜んでいるモノが強く感じられる香りの方が強い。

エロ漫画から得た知識に過ぎないが、恐らくそうなのだ。

「…………待っててね? 逃げたら許さない……」

相変わらず身体を捻ったり、小走りするだけでアホみたいに揺れてくれる義理妹おっぱい。

(なんなんだよっ? 壁に追い詰めたり……遠ざかったり……何がしたいんだよ月詠っ??)

逃げようにも逃げる場所などない、妹からの言いつけを従順に守って五分後――

「……………………っ」

「ッ゛~~~~ッ゛ッ゛ァ゛!??? 俺のキャラの゛ッ゛!??」

向かったのは浴場だったらしい、五分前とは装いがまるっきり異なるが、着替えて来た衣装が――売り子として着用していた、嘉波オリジナル漫画のヒロインのものなのだ。

自らが生み出したドスケベデザイン、おっぱいを強調させながら肌面積は黒インナーで遮られ、かと思えば乳輪を暖簾のように隠していたり、
紐パンがモロ見せだったりと、神デザと自画自賛する二次元衣装を、リアルで持ち込んだ月詠。

「じゃあしよっ……」

言ってる意味も、コスプレをする意味も、わからない。

ウィッグだけは被っておらず、アップにした銀髪を揺らすその姿は、オリジナルの子の2Pカラーのようであった。

「セックスしてみようよ、現役コスプレイヤーとさ」

ピラリ、乳暖簾を両手で退けてしまえば、黒インナーに包まれた凶悪な長乳の全貌が、露わとなってしまう。

「……分かったぞっ! 酔いすぎておかしな事を口走ってるんだなっ! そうだっ! 俺の部屋使っていいから早く寝なよ! そこら辺のカプセルホテルで俺は――」

「酔ってるけど……これは自分の意志なんだけど……てか、恥ずかしいし……おっぱい、食べ頃だよっ? 手ぇ出さないんだ……ヘタれだよ……お兄ちゃ、あっ! 馬鹿兄貴はっ!!」

先ほどはじりじりと、獲物を確実に追い詰める接近であったが、今度は猛烈な勢いで距離を詰めてくる。

(ああっ! おっぱいがっ! 揺れて揺れてっ……リフティングかよっ)

こんな時でも弾んで歪んで、たわんと柔らかく自由自在に形を変える爆乳に、視線が持っていかれてしまう童貞。

「ほらっ……おっぱいから目が離せないじゃん……シたいんでしょ、ヤッてみたいんでしょ? 馬鹿兄貴……」

ぐにゅりっ、二度目の壁ドンはおっぱいに胴体が挟まれる、男からすれば一生捕縛されていたい爆乳トラバサミだ。

「あんっ……動かないでよぉ!」

「うひいいぃっ!? お前が挟んできたんじゃないかぁぁーー!!」

「やっぱお、おちんぽ硬くなってんじゃん! 私の115のLカップに身体挟まれて……んっ! はっ、おっ、おぉ……ちんぽぉ! 勃起させてんじゃんっ!!」

「??????」

ついでのように両腕も壁に叩きつけられ、身動きを完全に封じられてしまったが、月詠の口から出た衝撃的な二つワードによる影響の方が、遥かに大きい。

(…………? あ、L? プロフィールではKだって……??)

Kなのか、本当はLなのか?

真実は不明だが例え盛っていても、男としては何ら困らないし、男は極めて単純な生き物なので――

(K……おっぱい……L……おっぱい! おっきい! どっちもおっきい!! おっきいおっぱいでからだはさまれてるっ!!)

――このように、思考が著しく低下、義理の妹には絶対にバレてはならないと、コミケ中も勃起しまくっていたのを必死に隠していたのに……

「おちんぽ……太ももに当たってる……私でコーフン……」

「ううっ……」

「妹なのにコーフンしちゃうんだ……?」

縁を切ってきたのは月詠なのに、こんな時に「妹」に戻るのはズルいだろう。

「ごめんっ……」

「なんで?」

「なんでって……月詠、お前で勃起したのがだよ……ずっとしてた、コスプレ画像見てオナニーもした、妹だって分からなかったって言い訳はしない……兄として最低だよ……」

「私はっ――」

――私で勃起してくれて嬉しいんだけどなっ……お兄ちゃん♡

息が出来なくなった。

オナニーをしていた事まで自白してしまった嘉波は、口に布でも突っ込まれたのかと、酸素の不足している脳で考えたが違う。

「んっ……………………♡」

「んぐっ……んっ……おっ……つくよ……まっ……こ、キ……ス……んっ! ちゅっ……」

「れりゅっ、んふっ、んっ、りゅっ……ずずっ……っ、はっ……はぁ、はぁ、キス、どーせ初めてだったんでしょ?」

キス、された本人に言及されてやっと「自分はファーストキスをした」、理解が追いついた。

童貞なので当然キスすらも未経験であった、が、感動よりも困惑と興奮で脳がバグる、夢の中の出来事だと逃避も行えず、「妹」「キス」の二つのワードが脳内で飛び散っているだけだ。

「なんで……」

「馬鹿兄貴っ、ヘタれすぎてムカついたから……私さ? 酔いが回ってるんだよ? 押し倒すとまでは言わないけどさぁ……口説くとか身体にタッチするとかさ、しないんだもんっ……」

本当に酔っている人物が「自分酔ってますから」、など発言する筈がない。

月詠は弱々しい表情のまま、口元を何度も何度も指で擦ったり、愛おしそうに嘉波の唇を見つめたりと、どう考えても酔いとは別に妖しい雰囲気を纏わせている。

「はぁ、はぁ、ダメっ……もっかい……キスするぅ!」

「月詠っ、待てよっ! うぐっ!!? うっ、ううっ……な、で……」

「ちゅぶっ! ぐぢゅっ! はぁ、はっ、んぁっ! ふぢゅぅ、ぢゅぢゅぅ、んぅ、ぢゅううぅ~~~~!!」

強引に身体と頭を引き寄せられて、二度目のキス。

(最初のもだけど……舌キス……妹とベロを絡ませて……唾液交換しちまってる……おっ、どっちも押し込んでくる……)

嘉波の理想のキスシチュエーションではなかった。

少しずつ距離を詰めて、優しく囁きながら「嘉波の方から」キス、いつか恋人が出来たらこうするぞと想い描いていた――

「んぢゅぅぅ~~~~! んぶっ、んれろぉぉ……ちゅ、んるぅ、そんなん想ってから……はぁ、はぁ、童貞のままだったんだよ……」

おっぱいで胴体をロックさせられたまま、太ももや膝をグリグリ動かして、完全に隠せなくなった勃起チンポを刺激される。

「あんんっ!? 硬いよっ! わっ、まだズボン穿いたままなのにっ!? ネトネト液、馬鹿兄貴の精液……うひゃんっ、せぇ、せーえきってこんなにドロ付くんだぁ……はぁ、はぁ、はぁはぁはぁ!!」

「それ先走りだからっ! まだ精液出てないから!」

「あっ、そなのっ……まだって、近いうちに出す予定なの?」

これは膝コキなのか、太ももコキなのか?

女性から与えられる初めての刺激、写真集や画像で何度も投げキスポーズをしていた唇と、ニーソの食い込みにより絶妙にハミ出るようになっている太もも。

自分の手で弄るモノより遥かに気持ちがいい、脳がトリップしそうだったが不味い……

「月詠っ! 止めてくれっ! イキ……そっ、だからぁ!」

「はぁ! はぁ! はぁ! あっ……あっ? イク? 私にキスされて……膝とかでグリグリされてっ……射精、しそうなんだっ……」

「いいからっ! 早く離れてっ……ヤバいからっ!!」

妹を睨みつける形相になってしまったが、それは童貞である嘉波も本能で察したからだ。

〝このままだと、兄妹でエッチな事をしてしまう〟

「義理じゃん……私達……できるよ?」

「ッ゛ッ゛!??? おっ! お前っ! 月詠はしたいのかよっ!? 童貞の俺なんかとっ!!」

「……………………私っ、も……初めてなんだけどっ……」

「えっ?」

「っ~~~~っ!! 兄貴さぁ、出しちゃいなよ! ずっと私のおっぱいでおちんぽ扱いてたんでしょ?」

「それはっ…………」

「私が目の前にいて、おちんぽシュコシュコするのが自分か、私か、それだけの違いじゃん……」

バレていた、とっくの昔に。

あくありうむをオカズにしていたのは、あんなドスケベなボディであるし何よりも、妹だと分からなかったからだ。

同居していた頃からおっぱいが大きくて、直に育乳観察していた、あの頃はおっぱい以外の肉付きはよろしくなかったが、それでも「おっぱいが大きい妹」……オカズにしてしまう理由としては十分だろう。

「うあっ! 裏筋っ! ホントに出るから止めろってっ!!」

「うっ! 裏ぁ!? コレが裏筋なんだっ! ……馬鹿兄貴はさ、違うでしょ?」

願いがやっと通じたのか、すぐにネバリ気を与えてしまった膝を離してくれた月詠。

ホッ……と息をするのも一瞬のみ、しゃがみ込んだ彼女はなんと、無防備な嘉波のズボンをスルりと下したのだ。

「えあっ……………………っ゛!??」

「ひゃああああっっ!!??」

ありえない出来事が連発し、また思考が停止しそうになった嘉波。

自分からズボンを脱がしたのに、尻もちを付きながら絶叫する月詠。

チンポは脱がされた反動で、ブルッ、と大きく上下に揺れて暫くすると止まったが、先端からは口は拒んでも身体はナントヤラ……で、童貞汁が性的接触の期待に堪えきれず、ダダ流れている。

「あっ……あっ……♪ 凄いんだ♡ 絶対凄いやつだ♡ 左斜めに反って……エロっ♡」

子供の頃にチラッとだけ、オナニー中の兄を覗き見していた時に見た、チンポとは色も形も……大きさも太さも……とにかくいやらしく成長していた。

「匂いも凄いっ……女を誘い込んじゃうんだ……あ、お兄ちゃん……童貞なのに色……」

オナニーのやりすぎで変色しただけである、外観こそヤリチンポで屈強な巨根、実態を知ってしまえば思わず笑みが浮かんでしまう。

「あはっ……! 一人エッチでそんなに……! 馬鹿兄貴っ♪ ドーテー!」

「うるせえええっ! どうせ童貞だよちくしょーがあああっ!!」

チンポ以外の全身を真っ赤にさせて逆ギレ、急いでズボンを穿こうとするが月詠の両腕にせき止められる。

それにしても……「お兄ちゃん」、聞こえた気はするが今は月詠の手を退ける事にリソースを割るので、問い詰める暇はない。

「動かないでよっ! 私はっ! んんっ! んっ! んっ……あああああんっ♡ これぇ♡ これをしてあげたかったんだからぁぁ~~~~っ♡♡」

「うおっ!? う゛う゛っ゛~~~~~~!っ゛!っ゛?っ゛?っ゛」

お饅頭のようで、水ようかんのようで。

振れるのを躊躇する柔らかさ、それでいてモッチリとした弾力。

相反する要素を、二者択一にせずどちらも取り込んでしまった、奇跡の爆乳に童貞チンポが埋まっていた。

チンポがおっぱいに挟まる、即ち――

「パイズリッ! うっ! うはあぁぁ……」

爆乳のマウスパッドは持っている、それでパイズリのシミュレーションもしてきた。

「お兄ちゃん……ホンモノのおっぱいに挟まれてるんだよ? どうなの? 私のおっぱい……?」

ホンモノ、他でもない妹のおっぱいだ。

乳暖簾だけを捲っている状態なので、着衣パイズリとなり黒インナーの生地が若干の痛みを生み出す……かと思いきや、おっぱいが柔らかすぎるでの生地の感触など分からない、乳がすべてを支配している。

たぽたぽで、やわやわで、ぎゅむぎゅむで……大きいチンポが大きいおっぱいに挟まれる、男性と女性の象徴が一つとなり、汗が溜まってしまう縦長爆乳からぴょこっ……と、亀頭のみ顔を出せている。

「くああああああっ……パイズリっ、知ってるのかよ……」

「知ってるに決まってるじゃん! 私だって成人済みだよ? それに……お兄ちゃんが悪いんだからね? お兄ちゃんが描いてる本にも出てきてるじゃん、パイズリ……♡」

パイズリに強い憧れを抱いていた嘉波は、当然オリジナル漫画やイラストでも頻繁にパイズリを描いていた。

月詠は熱心なファン、知らない方がおかしいのである。

「パイズリなんて一緒に住んでた時から知ってるんだからぁ♡」

「俺の隠してた本、バレてたのかっ……」

「当たり前じゃん! よくそれでオナニーしてたでしょ♡」

「あっ!? ちょっと!? おっぱいズリ動かさないでっ!」

ミヂッ、ミヂッ、ミヂッ、ムヂッ、ムヂッ、ムヂッ。

規則正しいリズムで上下に乳ズリ、混乱しマトモではない頭でも、憧れのパイズリ快感は強すぎた。

1ズリだけで金玉の中身が捻り出されそうになる、金玉の中で精液がグルグル回転する、只でさえ多い我慢汁の出がジュースサーバー状態になって、嘉波も顎を天井へ向けて仰け反らせる。

「ごめんねっ! ごめんっ! ごめんなさいっ!」

「あっ! あっ! えっ! ええっ……?」

言葉を出すのも一苦労、ズる労力を費やしているのは月詠であるのに、快感と同時に疲労感が尋常じゃない程生まれて、我慢汁と汗の区別が付かなくなっている。

「あんっ♡ あんっ♡ お兄ちゃんのネバネバ凄いっ♡ 谷間の汗とお兄ちゃんの汗と♡ 我慢汁が混ざってぐちゃぐちゃぁ~~♡」

突然パイズリされて、突然謝罪されて。

もうどうすればいいのか……確実に分かるのは一つ、大きいおっぱいでチンポを挟まれて、射精欲が高まっている事のみ。

「お兄ちゃんっ……♡」

膝下で呟かれたのに、耳元で囁かれた気さえする、甘くて芯まで届くハッキリとした、月詠のボイスは小さい頃の面識がありながら正統進化している。

「ごめんなさいっ」

「えっ……」

「〝人殺し〟……お兄ちゃんが悪くないのは分かってるのにっ……酷いことを言っちゃって……」

言動と行動が真逆だ。

どれだけ月日が経過しようが、妹が大事だという気持ちは薄れるはずがない。

爆乳をぎこちなく動かしながら謝罪、「ごめんねパイズリ」

明らかにパイズリ慣れはしていない、嘉波の潤いが十分なのだが乳の動きが途中で止まったり、グーパンによる圧力を強めすぎてチンポが押し込まれたり、兄の様子を伺える余裕もない。

「月詠っ、お前全然酔ってない……」

「ごめんなさいっ……」

また謝罪に謝罪を重ねる、しかし涙が流れる顔を覆ったり涙を拭う為に、一時的に肘を使ったノーハンドパイズリを繰り出すので、慣れない筈なのに侮れない無自覚なパイズリ技術に、嘉波は歯軋りをしながら毛穴がグアッと広がる。

「お酒飲んで……酔ったふりして……お持ち帰りっ……ホテルでレイプされても私っ……少しでも罪滅ぼしになれるならっ……て……」

「そんな事考えてたのかよっ! 妹をレイプなんて出来るわけねーだろっ!!」

数年ぶりに兄に叱られてしまい、月詠は言葉を押し殺されてしまったが、表情は……なぜか嬉しそうであった。

「でもっ! 私の下着でオナニーしてたじゃん!」

「下着だからだよっ! お前自身を襲うなんて思ったことないよっ!」

「おっぱいだってずっと見てた!」

「うッッ……それは否定しないけどっ! しないけどさっ! 今もだけど学生時代から成長しすぎなんだよっ! 兄だけどっ、男だからっ! 見ちゃうんだよっ……」

チンポを挟まれながら-おっぱいで挟みながら、積年の想いを打ち明ける。

「人殺しの件を抜きにしたって、俺なんて最低な兄貴じゃん……おっぱい大きくて可愛くて」

「えっ……………………♡ や、ヤダッ♡ そんな褒めないでよお兄ちゃん~~♡」

「うあッ!? 乳圧ヤバぁぁ……妹をオカズにしてたんだ、嫌われてもしょうがないよ……」

嫌われている、筈なのに、パイズリはされている矛盾。

ジィーー……と兄と視線を合わせながら、吐息を荒くしておっぱいを動かしている月詠。

本当に成長した、自分が設定したエロ衣装を自作して、なんだって挟めるくらいデカい乳を携えて、プロポーション抜群の人気コスプレイヤーなのだから。

「月詠っ……はぁ、これ以上されたらっ! 出るからっ!」

「はっ♡ はっ♡ いいよ♡ おっぱいに出して♡ お兄ちゃんの童貞精液♡ パイズリ処女のLカップに中出しして♡♡」

「Kって……書いてたじゃん! それよりも大きいの隠してたのかよっ~~~~!! イクッ! 爆乳妹にパイズられてっ……ああっ!」

今一度自覚してからダメだった、L、L、Kより大きいL、Lにチンポを挟まれている……

催眠のように身体の電子信号を書き換えられ、過去の出来事や妹である事も一瞬忘れ、デカパイに中出しするだけのバーサーカーとなって――初めての乳内射精。

「んっ……♡ わああああっ♡♡ はあああぁんんっ~~~~♡ んっ♡ んんうぅぅ~~~~♡ お兄ちゃんの精液ぃ♡ 精液だぁぁ♡ あんっ、あちゅいぃ……♡♡ おっぱいに中出しされちゃったぁ……ぁ……♡」

パイズリ射精で喜び勇む童貞精液は、乳内だけで到底収まらずに乳輪まで流れ落ち、下乳にまで浸透してLカップを犯しつくす。

イク間際に先っぽを含めて完全におっぱいに沈没させたのにっ……勉強の為にエロ動画で見た射精とは、比べ物にならない勢い、量に月詠は愉悦する。

「はぁ……はぁ……く、あああぁ……」

「はぁ……んっ♡ お兄ちゃん……♡」

「あッ゛!? イッたばかりだから動かさないでっ!!」

「ふっ……♡ ふっ……♡ 残ってるのも出していいのにぃ♡」

「出すからっ! 止めてっ! 気持ちよくてチンポおかしくなりそうっ!」

微弱な刺激も過敏に反応してしまう、月詠が舌ペロしながら大人しくズリを止めて、乳内射精の快感に顔を歪める兄をずっと見上げてくれていた。

「はぁ……うっ、おっ!」

名残惜しいがおっぱいから解放されたチンポ。

「すごぉ……♡ お兄ちゃんが描いた同人誌にもさ……コレ♡ あったよね♡」

特大で特濃のザーメンブリッジが完成、とろけるチーズよりも伸びて、太くて、体内で作り上げられたとは思えぬ精液の質に、出した本人が少し引いている。

黒いインナーとのコラボが美しいコントラストを創り上げ、妖しげな光沢を放つ黒に上書きされる濁った白、男女どちらか一人だけでは成しえない「芸術」が完成した。

「凄いね、おちんぽと繋がってるのは一本だけど、おっぱいの中にはこんな……♡ インナーをすり抜けちゃうんだ、お兄ちゃんの精液♡」

重たそうにおっぱいを左右へ広げてくれて、残されたザーブリを開示してくれた。

白い糸の一本一本が太く、長乳の面積全てを乗っ取る総数、18本のザーブリが月詠の谷間を支配していた。

「エロすぎだろっ……こんな知識どこで」

「だからぁ……お兄ちゃんの同人誌だって♡ コレやらないとパイズリにならないんでしょ? そう描いたのお兄ちゃんじゃん♡」

「そうだけどさっ……」

少しの間、呼吸を整える為に無言となる二人。

(これがお兄ちゃんの味なんだっ……すっごく苦い♡ でも……いくらでも飲めちゃえる味っ♡ へんなの……♡)

黙って精液嚥下の光景を見ている嘉波は、おっぱいの中に埋まっているチンポを反り上げてしまう。

「きゃっ! お兄ちゃんのおちんぽ♡ まだ大きくなっちゃうの……? 私のおっぱいから飛び出そうと頑張ってるのかな?」

馬鹿、人殺しと罵っていた月詠と、とても同一人物と思えない甘ったるい声色はコスプレ状態の時よりもエロく、想いを抱く異性を相手にしなければ決して出せない声色になっている。

「てか月詠っ、お前いつの間に俺を〝お兄ちゃん〟て……」

「……………………お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん♡」

子供みたいな言い訳をしながら、頬を膨らましてそっぽを向くが、イキり出したチンポを挟み直す仕草は、照れが混じっている。

「あっ! それっ!」

「もっかいパイズリしよっか?」

「ッッ!?」

言いたい事、聞きたい事は山のようにあるが、「パイズリしようか?」と爆乳美女にお誘いされて、断る理性も勇気も生憎、童貞には備わっていない。

「頼む……っ」

どんな状況だと想いながらも、パイズリには勝てない。

「♡~~♡ 今度は少し激しくやってみるね♡ あの本でもさ、初めてのパイズリの次は〝激しく〟って頼んでたもんね♡ 同じ事を私はするんだよ?」

ギヂッ、ヂギッ、ギュッ、ギュムッ、グッ、グッ、ググぅ~~。

張り付いたザーメンブリッジを押しつぶすように、上下ズリではなく手前から奥へ動かす手つきは、ネコパンチに似ている。

これは嘉波が編み出した漫画作中のパイズリで、ネコパンチ形状はグーパンとほぼ同一なものなので、乳内に収まるチンポへの強い刺激と、ザーブリを内側から破壊しながらズリ衝撃を与える、スペシャルなものだ。

……「童貞が空想で考えてるw」「そんなパイズリできるわけないw」……批判コメントは付いたが、実際嘉波は童貞であるし、あくまでもファンタジーなのでその辺は気にしない事にしていた。

(ファンタジーをリアルでしちゃってる! 俺の妹凄いっ!)

「どう? 真横からおちんぽ挟んでるけど、おっぱいはこうやって……♡ あっ♡ 前後に動かしちゃう半分縦なパイズリ♡ こんなの思いついちゃうお兄ちゃんエッチ♡♡」

いつの間に取り付けたのだろうか、銀髪の頭頂部に猫耳バンドがあった。

作中ではネコ化してしまったヒロインとのエッチで、ネコパンチはネコ要素を強調させたいから取り入れたのだが、月詠は完璧になりきってしまっている。

「お前っ、最初から俺とこうするつもりだったのか?」

ズリュッ、ズリュッ、壁に背と手を付けながらズラれ続ける。

挟みながらも猫の手形状の手は、前後へ動かす……真逆の動きを同時に繰り出す、高レベルのパイズリっ、だがパイズリ処女!

根本から裏筋までをずっぽり挟んだ乳肉、嘉波しか知らない真実のLカップ内は、新しく生まれた我慢汁とマーキング済みのザーブリが混合して、ひと際卑猥なズリ音を奏でる。

「なんてエッチな音なのっ♡ んっ、そうなのっ……謝りたいしエッチな事をしたかったのっ♡ お兄ちゃん……はぁ……お兄ちゃぁぁんっ……♡ あんっ♡ タマタマがブクッ、て……♡」

嘉波は悟った。

あれだけ飲んで全然酔っていない事から、兄とエッチに及んでも「お酒の力のせい」に出来た。

「ずっと謝りたかった! ごめんなさいお兄ちゃんっ!」

自らおっぱいを抱きしめる、乳圧強化バンドを装着したに等しい刺激は、どんなオナホよりもチンポに絡んできて、精管の一本一本を愛撫されていた。

「あああっ!」

「お兄ちゃんっ! いっぱい酷い事言っちゃった! 勝手に家を出て行っちゃった! 私は自分で自分を許せなかったのっ!」

怒りをぶつける相手が死んでしまったから、最も近くにいた兄へぶつけてしまった。

兄が原因じゃないのは理解していても、それでも……旅行に行かなければ両親は何事もなく、普通に暮らせていた……と考えたら、怒りの対象を兄にすり替えてしまう事でしか、月詠は正気を保てなかった。

「お兄ちゃんと再会できたのは嬉しいけど♡ いっぱい謝りたかった……」

さらにパイズリが加速する、抱きしめパイズリから解放された次の瞬間には、重たそうに下乳を持ち上げては、万有引力に抗えずズドッ、と落下するダイナミックな左右交互、非対称な上下ズリだ。

(精子が上がって……下がって……グチャグチャに練りあげられるっーーっ!!)

これは作中で描いたことのあるパイズリだ、童貞の妄想で作りあげた「ありえない」パイズリを、全て実現してしまっているのは、エロコスした義理の妹。

「月詠っー! あああっ~~!!」

「んぅ♡ 精液っーー♡ あはあぁぁ♡ んぅあああっ……はっー♡ お兄ちゃんのぉ♡」

派手に爆発した精液が妹の顔を襲う。

額に、頬に、顎に、首筋に、……銀色のロングヘアにもべっちゃり降りかかった。

「あっ……あっ……あんっ……♡」

射精中も勢いは落ち込んだが、上下ズリで扱き続けてくれる、これも漫画の展開と同じ……

嘉波のファンだというのは本当だ、全ての展開を把握しているからこそ、慣れないパイズリを勢いでカバーしている。

「はぁ、うおっ、おおっ……またザーメンブリッジできたな……」

ヌルッ、ズズズズッ、ズッ……

おっぱいからチンポを引き抜くだけでも苦労する、長い長い乳の奥底に埋め込まれていたのだから。

ブルブルと震えている勃起チンポ、チーズフォンドュの如く精液が伸びて伸びて千切れず、糸を伝い精液が零れそうで零れない。

「ツララみたいになってるね……お兄ちゃんと私が作ったエッチな橋♡」

月詠も再びザーブリを開示、身体をピクつかせながら一本のザーブリを手に取り、掌で伸ばしては潰し、また伸ばしては潰す……

「ああっ……凄いんだ……お兄ちゃんと共同作業で作ったコレ♡」

「エロい事ばっかり言うなって……」

「エロい事してるんだからいいじゃん♡ パイズリ童貞卒業おめでとっ♡」

女の子座りのまま見上げてくる月詠は、一人の男性が大人になったと祝福する笑みをしながら、キンタマを人差し指でつつく。

「お前本当に初めてなのかよっ? 絶対上手いじゃん!」

「……初めてだよ? 意外だった?」

優しく手に乗せたキンタマが、グングン巨大化していく。

(お兄ちゃん……出しても出しても止まらないのかな? 全部搾ってあげたいな♡)

摩りながらキンタマの匂いを嗅いでいく月詠。

「汚いから止めろ」、嘉波が注意したってチン嗅ぎは止まらない。

「スッー! フッー! スッー! この匂いも好きぃ♡ スンスンッ! ハッ~~♡」

「もう止めよう月詠っ……怒ってなんて」

「やだぁ……止めたくないっ! もうパイズリしちゃってるんだから♡ 最後までシちゃお♡」

義理だけど妹と最後まで、セックス……

こんな展開の漫画も描いてきたが、よもや自分が漫画キャラと同じ立場になるなんて。

「止めようっ! 兄妹だぞっ!」

「義理だもんっ! エッチできるんだもんっ!」

キンタマを揉みながら反論してくる月詠、絶対に引けないと精液がネバりついたままのおっぱいを、嘉波の膝に擦りつけながら誘惑する。

「処女……お兄ちゃんの為に取っておいたの……」

「な、えっ!?」

彼氏いません、そうSNSで発信はしていたが、コスプレイヤーは誰しも同じ事を言う。

後ほど「やはり彼氏いるじゃん!」と、発覚されて炎上のケースは多々あり、嘉波もワンチャンオフパコの夢は見ていたが、童貞と馬鹿にされるのを恐れていたので、彼氏いなかろうが結局は手を出せなかっただろう。

「もぉ……カッコいいけどヘタレなお兄ちゃんなんだからっ……この身体使って? お兄ちゃんにぶつけちゃった悪い感情、お兄ちゃんが受け続けたのを発散できるまで……いいからっ……」

「恨んでも怒ってないってば、何で妹を恨んだりする必要があるんだよ」

一番驚いた顔をする月詠、散々怒りをぶつけてきたのに、何も恨んでないと言われると思わなかったのだ。

「そ、なの……?」

「当たり前だろ」

「……………………っ~~~~ッ! おちんぽしゃぶってお掃除するね♡」

「おいっ! どうしてそうなっ、あうッ! うっ、ヌル暖かっ……!」

もう月詠がチンポをしゃぶりたいだけかもしれない。

爛々とした瞳で躊躇なく亀頭を咥え、口内でお出迎えしてくれた舌が亀頭を中心に、レロレロと回転しながらご奉仕する。

「れぢゅぅ♡ んぢゅっ♡ おにいひゃぁん~~♡ ちゅぼぉぉ、んぼっ♡ ちゅぶぉ、んぶぅ♡」

亀頭のサイズに合わせるように、頬をギュッと窄ませてチンポしゃぶり専用筒になった月詠。

ゆっくりと首を前進させちょうど竿がでっぷりと膨らんでいる、中心まで迎え入れたら徐々に首を後退していき、現れたのは妹の唾液にコーティングされたチンポだ。

「私のお口で気持ちよくなって♡」

片目を瞑って眉間も歪ませている、チンポサイズが巨大なのでかなり苦しいのだろうが、舌奉仕は極めて丹念に行ってくれる。

(あっ、これも俺が描いた展開……月詠のやつ、俺の同人誌をトレースしてるから初めてなのに出来るのかっ? マジかよっ……)

ちょっとくらい失敗しても、嘉波は童貞なので失敗に気が付いていないのも幸運だ。

「あっ! 痛っ!」

「ッッ!! ぢゅるっ! んぢゅっ! お兄ちゃんごめんねっ! おちんぽ痛かったよね……ごめんなさいっ!」

が、鈴口に前歯が入ってしまったら話は別だ。

ちょっとじゃない大失敗、急いで謝罪して鈴口をペロペロ舐めている妹は、兄に殴られる事すら覚悟し怯えた表情だ。

「痛いっ! けど……いいって、初めてなんだもんなっ……しょうがないって」

「ちゅっ、んっ……お兄ちゃんて……」

殴るどころか頭を撫で撫でされる、月詠を褒める時はいつも「これ」をオネダリしてきた。

「何でも許しちゃうよね……人殺しの事だって……普通は許せないのにっ……」

「許すも何もないよ、まさかあくありうむが妹とは思わなかったけどさ……会えたんだからいいじゃん、ずっと会いたかったんだ……おかえりっ」

流石に嘉波もこっぱずかしかったらしく、マトモに視線を合わせられていないが、チンポはイキのいい魚のように弾けている。

「ううぅ……お兄ちゃん♡ 私もお兄ちゃんにスリスリ返しするっ♡」

フリーになっている兄の左手を掴んで、一本一本の指を丁重に絡めていく。

「ラブ握りしちゃったね♡」

「してきたんだろ」

このシーンは同人誌になかった、オリジナルの展開が少しずつ増えてきている。

「おちんぽおしゃぶり再開するね、はぁ……んむっ♡」

ぢゅぶっ、ぢゅぼっ、ぢゅぼっ、首を振れば振るだけ、唾液の糸が強固となりチンポへと複雑に絡んでいく。

「うあっ! 妹にフェラされるなんて……~~!」

「うれひぃ? おにいひゃぁん?」

「チンポ咥えたまましゃべるなあああっ~~!!」

頬をモゴモゴさせれば、それだけ刺激がチンポへ伝わってくる。

何よりも上目遣い、フェラチオ、しゃぶりながら喋る、舌出し、下品にベロベロのコンボがヤバすぎた、直接的にも視覚的に脳がアガってくる。

「ちゅばっ、ちゅばっ、んっ♡ ぢゅぶ、んぁ♡」

「美味しそうにしゃぶるなっ……」

段々と月詠の目尻が蕩けてくる、酔いが回った(という演技)の時よりも垂れこんで、発情しているメスだ。

「おいひいもんっ♡ らいひゅきおにいひゃんおおひんほぉ……ちゅぶぶっ、んっ~ぶぢゅぐっ♡ ぢゅぐっ、ぢゅぅぅ……るぅぅ……んぢゅっ、ぢゅふぅぅ……ッ♡」

チンポをストローのように、吸って、吸って、吸う。

止まったと思ったら次の吸引、頬がベッコリとへこんで亀頭の形を忠実に映し出す。

「わっ……うわっ!」

「んぢゅっ♡ ふぢゅぢゅっ……じゅぅ、んじゅぅ♡」

「月詠っ……また出るから……」

そういえばお掃除だった事を思い出した。

言い出した張本人がお掃除と忘れ(建前だった?)ガチのフェラを止めない。

「イッひゃう? イイよほぉ……♡」

「ううううっ! イクッ……妹の口に種付けするっ!」

全身の筋肉が拘縮し始める、ラブ握りする左手の力が強まる、チンポから伝導する快感が多すぎて、歯を食いしばりながら後頭部を何度も壁に打ち付ける。

「おくまれおひゃぶりしゅりゅうぅ♡ あっ……んぶぶっ♡ んっ~~♡ れぢぅぅぅ♡ んぢゅはぁぁ♡ ぶぢゅっ♡ んぶぅぅ~~♡ ぶぢゅううぅ~~♡ ぶぢゅっ♡ ぶぢゅううぅぅ~~~~んっ♡ ぐぶっ、ぐぶっ、んっ……おっ♡ おぅ♡ うぅ♡ おっ……ごほぉ……うっ♡ うぢゅうぅ……♡」

根元まで一気に咥えこまれて、喉奥でチンポを跳ねさせる嘉波。

唾液をまき散らす、舌の蠢きが確実に裏筋のヘコみを愛撫し、それでも足りないと頬を圧迫させたフェラ顔を作り上げる妹は、レイヤーとてではなく一人の妹として、兄である嘉波だけに振舞う。

「んぅぼぼぉぉ~~~~っ♡ んっ……………………♡ ぢゅおおおおおっ……♡」

「はぁ、はぁ……あああぁつ……月詠ぃ……」

「んぼおおぅ……♡ ぢゅぅ……んぱっ♡ ぢゅっ、ぢゅっ、ぢゅぅ、んぢゅぢゅぅ……ごぐっ、んぢゅっ、んぢゅぅ……♡」

喉奥へ精液を放出されて息も絶え絶えであるのに……精を搾り尽くすサキュバスの如く、月詠は胃袋にぶっかけられる精液の量と熱さに、根こそぎ精液を奪い取る舌戯で答える。

「ふむむっ、んぼぁぁ……ぢゅぶ、んぶっ……ちゅぢゅうぅ♡」

チンポがやっと解放された。

出しても出しても勃起している、おっぱいの次はお口とチンポを繋ぎとめるザーブリ、

月詠の喉奥と亀頭に一本の太い線が繋がっている。

「くじゅしゅのもっはいないぃ……♡」

飲み込みたいけど飲み込むのが勿体ない、ザーブリと兄との視線を行ったり来たりしなあがら、何分か後にじゅるっ、ンッ。

うどんを勢いよく食べたのと同じ音、下品な音が鳴るも下品な事をしていたのだからいいのだ。

「ごひほぉひゃまぁ……~~♡ んっ~~お兄ちゃんのぉ……♡」

搾られまくって放心している兄の手を、絶対に離そうとせず握り続けている。

「月詠っ、俺はどれだけお前になんと言われようがな」

「うん……」

ギュッ、嘉波も強く握りしめ返す。

「妹の全部を受け止めるのが兄だろ……」

「お兄ちゃんは……優しすぎるよ……」

人殺しと言われて辛かった、悲しかった。

それでも妹の気持ちが分かっていたから、怒りの捌け口として扱われ、妹が自傷行為や自殺に走らなければ、いくらでも自分が怒りも恨みもまとめて引き受けるつもりだった。

嘉波自身物凄く後悔している、過去に戻って旅行の日付を変更できたら……思った事は数知れない。

「お兄ちゃぁぁん……ごめんなさいっ!」

「謝るなっ! …………やっと会えたんだ、もう会えないかと思った事もあったからさ……よかった、妙な巡り合わせかもしれないけど……お互いにオタクでい続けた事に感謝だなっ」

兄を捨てて生きて来た数年間の間も、月詠は事あるごとに兄との思い出を想起しては、オナニーしていた。

どうやっても嫌いになれなかった、また会いたい、謝罪したいと想い続けていたから、月詠はコスプレをし始めたのだ。

「約束してたよね、お兄ちゃんが描いた本とかイラストとか……私が売り子するんだって♡」

「だからなのかっ、ずっと俺を探してくれていたんだな」

「うん♡ HNも絵柄も随分変わっちゃってて、正直ね……分からなかったんだけど、烈覇さんがなぁ、お兄ちゃんだったなんて♡」

妹だって身体は随分と変貌したけど、中身は――変わっていなかった、兄が大好きな妹だ。

「とにかく! 俺は恨んでないからなっ!」

「んっ……分かった、ありがとお兄ちゃん……♡」

ハグをする時もラブ握りは崩さない、キッカケはどうあれ大切な家族を取り戻せた、今日は再会できた記念日にもなってしまった。

「……やんっ♡」

……勃起したままなので、限界まで直立したチンポが月詠の下乳を突きまわす。

感動の再会に割って入ったチンポ、性欲は強いがこんなにまで興奮するなんてと、月詠に謝るが彼女はチンポを優しく摩りながら――

「んっ……………………♡ ちゅっ、はぁ……キスも初めてなんだよ♡ お兄ちゃんの為に守ってきたの♡」

「あっ……………………はは、キスしちゃったなぁ、しちゃってたなぁ……兄妹なのになぁ……あっー、我慢してきたのにっ……もうっ――止まらないぞ俺?」

ビキキッ、血管がより強固に浮かび上がり、妹を威嚇させてしまう。限界のその先へ到達してしまったようだ。

「止まらないで♡ 止まっちゃヤダ♡ 兄妹でオフパコセックスしちゃお♡♡」

義理だから結婚もできるしセックスもできる。

分かっていたが「妹だぞ」と言い聞かせて来た、どれだけおっぱいが大きくて魅力的で、下着でオナろうと「そこまでは」と、一線をまたがないようにしていた。

もう無理だ、好きで好きで堪らない、自分のすべてを捧げるし、妹のすべてを貰い受ける。

「おまんこ触って♡」

紐のパンツを嘉波にほどいて貰えば、スルッと床に落ちる。

「こんなに濡れてたのか……」

愛液が重すぎて落下も早かった、初めて触る愛液は精液よりもずっとサラリとしながらも、細く、濁りのない美しさで部屋の照明を吸い込み、幻想的な輝きを得ている。

「誘い込まれる匂いだ……」

「あああぁんっ♡ お兄ちゃんに弄られるの嬉しいよぉ♡ ずっとされたかったのぉ♡」

ダダ甘え状態になっている月詠、見た目はオリキャラのままなのでギャップが激しく、コスプレとしては如何なものかもしれないが、兄に対してだけは今後も乱れてしまう。

「毛も生えてないんだっ!?」

大陰唇付近を指で触るが、チンポのようなモサリとした触り心地は皆無。

所謂パイパンだ、爆乳でスタイル抜群なのにパイパン……属性盛り盛りな女の子は、オリキャラよりも魅力的でシコれる妹っ!

「全然生えないの♡ 悩みだったんだけど――」

「エロいぞ月詠! 俺はパイパンのが好きだなっ!」

「っ♡~~~~~~♡♡ で、でも♡ 本当はこのキャラっておまんこの毛が生えて」

「いらんっ! パイパン妹まんこ最高だっ!」

「お兄ちゃんっ~~~~~♡♡♡」

まだおまんこ周辺を弄っただけ、手を差し込んでいないのに――

「好きいいいいいいっ♡ 大好きだよおおお兄ちゃんっんんんっ♡ んぅああああっっ~~~~っ♡♡ あっ……あぅううんっ……♡」
クタリと倒れこんできた妹を支え、受け止める事が出来た嘉波は、ムチムチに成長した月詠の太ももを触る。

「……イッ、ちゃった、んだよな?」

「うん……………………おまんこされてないのにっ♡ 言葉だけでイッちゃった♡」

サラサラだった愛液は、精液にも劣らないネバリが追加されていて、白銀の糸が無数に指と指の間を糸引いている。

物凄くエッチな子に育っていた。

「違うか、お互いでオナニーしてたからどっちもエッチか!」

「うふっ……♡ エッチなイラスト描くお兄ちゃんと、エッチなコスプレしちゃう私♡ エロエロカップルだね♡」

カップル、恋人、とても大切な存在がより大切な存在に昇華した瞬間だった。

「どうする? どんな体位でしちゃおっか?」

おっぱいで腕を挟み込みながら、耳元で囁かれるリアルASMR。

あくありうむでのASMRを発売する予定と言っていたが、「灯木月詠」のASMRは兄貴だけの特権だ。

「童貞最後の精液♡ どーしよっか?」

「チンポに悪いセリフを次々と……」

もう同人誌と同じ展開にはしない、イチャラブな正常位がしたいと優しく伝えた。

「あんっ……♡」

抱きしめながら月詠を押し倒す、ドスケベな前垂れを退けてパイパンおまんこが、銀の液体を溢れさせながらクパ付く。

「お兄ちゃん来て……」

ギュッとまたラブ握り、今日はコミケの日で、妹と再会できた日で、仲直りできた日で……オフパコの記念日だ。

両足を大きく開いてくれた月詠の間に嘉波が入り込んでいく。

「んあっ!? おちんぽ来るぅ♡」

処女ならば狭苦しいであろうが、お互いにびっしょり濡れているからなのか、ヌルリと突き進めてしまいそうだった。

「本当に誘い込まれるっ!」

亀頭だけを入れたつもりだが、カリ首まで既に入り込んでいた、恐ろしいほどスムーズな挿入を邪魔するのが、処女膜だ。

産まれてからずっと連れ添っていた肉壁を、他でもない兄が今から破壊する。

「ゆっくり入れるからな」

「ううん、初めてのセックスだよ? 我慢しないで……いっぱい耐えさせちゃったんだもん、私にだけは我慢しないで、解き放って♡」

同人誌では優しく初めてのヒロインを、導いていたが……妹から許可が出てしまった。

(お前だって初めてなのにっ……)

言葉はもういらない。

頷いた嘉波は亀頭に力をこめる。

柔らかいはずの肉がとても硬く立ちはだかる、だが決意はできた、進まなければ月詠に失礼なのだし、彼女も望んでいる。

「ああああっ……んぐぅ♡」

……メリッ、悲痛な叫びが一室へと発せられる。

破った、力さえこめたら思ったより簡単に開封できた。

「大丈夫か!?」

「あっ……だいじょぶ……痛いのに……幸せっ……♡」

返事と同時にだいしゅきホールドするのだから、あっけなく奥まで到達してしまう。

「うおおおおっ!」

「んあああああっ♡」

膣内は非常に複雑な地層をしていた、いたる箇所がデコボコとしていて、静止していてもガツガツ膣粒が食い込んできて、快感に焦りながら引き抜けば――

「くはっ! ヤバすぎっ……チンポベコベコになるっ!」

「ひゃぅっ!? んっううう~~~~♡ はぁーはぁー♡ これすごぉい……♡ お兄ちゃんの全部に食い込んじゃうぅ……♡」

ゾッとするほどの快感が通り抜けた、細かく敷き詰められた粒が一斉に「おちんぽ逃げないで♡」と、鈴口やカリ首に巻きつくようにして動くのだから。

膣内こそ男が最も快感を得られる場所、愛し合う二人がいて初めて得られる快感だ。

「あっ♡ あっ♡ はぁぁ♡ お兄ちゃん♡」

ギシッ、ギシッ、ギシッ、決して早くはないピストン、だが開封後にしては早い。

「うっ! うっ! 押しても引いてもおまんこがオネダリしてくるっ! だっ! 大丈夫かっ! 血がっ……月詠?」

紛れもない「ハジメテ」の証が、シーツに美しい鮮血を描く。

「だぁ……あうっ♡ んっ♡ はうぅんっ♡ だいじょぶ♡ 私の方がギュッ~~~~♡ しちゃってるもん♡」

ギチギチに締まっているのに、楽に奥まで到達するし、根元まで引っこ抜ける。

往復まで1秒足らずだが、摩擦により生み出される刺激は凶悪だ、もっと、もっと気持ちいいものをと、腰の動きが段々早くなっていく。

「あっ♡ んぅ♡ 早いっ♡ お兄ちゃんのズポズポくるのいいよぉ♡ あんっ♡ あんっ♡ おちんぽ一生懸命動いてるっ♡ 精液出そうと頑張ってくれてるぅ♡ んやっ♡ んややあぁぁ♡ 奥ぅ♡ ちゅんちゅんされりゅのぉ♡ んっ、きゅはああっ~~♡ ふっー……ふっ♡ うううぅ♡ ふっー! ふっー! うっ♡ んぅううっ♡」

子宮奥を突かれるだけじゃない、引き抜かれる時の摩擦がこんなに気持ちいいだなんて、月詠は知らなかった。

エッチな動画でも、兄の手掛けた漫画でも、奥まで突かれるピストンばかりクローズアップされていたので、真逆の運動エネルギーから生まれる刺激に悶絶する他ない。

どんなエッチなものを見たって、実際に経験しないと分からない事が沢山ある。

「お兄ちゃんとぉ♡ いっぱい経験するぅ~~♡ 私達の知らない気持ちいいぉぉ♡ いっぱい覚えりゅのおおぉ~~♡ おぉ~~……お、ほおおぉ……お゛……♡ お゛♡ お゛ほおぉぉ~~~~ンンッ♡ お゛ お゛ほぉ゛♡」

ギッ、ギッ、ギッ! ベッドの軋みもスピードアップ。

腰をめいっぱいに打ち付ける嘉波、だいしゅきホールドと膣の絡みで応える月詠。

「しゅごぉ♡ しゅごおおおおいいっ♡♡ おにいちゃんとセックスぅ♡ なまハメきもちいいーんらあぁああっ♡ あっ♡ ひいぃう♡ う゛う゛ン゛ッ゛♡ イ゛ひい゛ぃ゛お゛♡ お゛っ゛~~~~~~~~♡♡」

処女なのに盛大に乱れている、兄とセックスを果たせた積年の想いが爆発した故にであるが――

「はぁ! はぁ! はぁ! はああああっ! 月詠ぃいいっ!!」

兄は兄で妹、という名のメスを犯し尽くすオスになり果てているので、分析をする余裕などない。

兄妹だから生み出せる快感が気持ちいい、だからなんだっていい、もっともっと、気持ちいいを求めて腰を振って、受け入れて、チンポを抜き差しする。

単純な動きで無限の快感が生み出せる、人間がセックスに夢中になる仕組みを性器で理解した二人は、スパートを感じ愛する者の名を力の限り叫ぶ。

「おにいちゃあ゛あ゛あ゛あ゛♡♡」

「月詠ぃぃ!! 好きだっ! 好きだぞっ!! 愛してるぞっ!!」

「わらひもしゅぎぃ゛ぃ゛い゛ーーーーっ゛♡ らいしゅぎれあいひでりゅろぉ゛ぉ゛ぉ゛♡っ゛♡ お゛ン゛ん゛イ……イ゛♡ ひぐぅ゛ぅ゛~~~~♡」

タダの淫乱な獣となっている月詠は、自分でも腰を振ってしまっている。

兄だけが動くことで生み出されていた快感は、不規則な妹の動きが加わった事で、射精欲がグーーンと昂ってエモノを咥え込む妹の耳へと――

「中で出すからなっ!」

「してぇええっ♡ なかだしキへええぇ゛ぇ゛~~~~ン゛♡ はっ……は、あ゛あ゛あ゛♡ あ゛ぁ゛♡ ン゛ぢゅいいぃ゛ぃ゛♡ あぢゅう゛う゛う゛ッ゛♡♡♡」

快楽を求め理性は失っても、ラブ握りだけは絶対に忘れていない。

どれだけ密着できるのかを競う競技でもあれば、この二人は確実に優勝していた。

腰を引き抜けば「行かないで♡」

腰を奥まで突き刺せば「動いてぇ♡」

どうあってもチンポに媚びてくる妹膣、ネヂョネヂョとイソギンチャクよりも軟体に膣内は変動するのに、締め付けはギロチンのようでチンポを優しく圧迫する。

「ああああああああッッーーーー!!」

「ン゛ぅ゛お゛あ゛♡♡ あ゛ぅ゛お゛ぉ゛ーーーー♡♡ イ゛んお゛ぉ゛ほほお゛ーーーー♡♡」

ビュッ……ビュッ……ビュッ……グッ、ビュッ……

童貞最後の精液、妹、中出しっ、種付け。

唇を重ねながらイク事が出来た。

疲労も快感も、何もない世界へ飛ばされた。

ただ月詠と抱き合っている、それだけの世界が――〝戻ってきた〟二人には、何よりも大切なものだと感じられた。

「はひぃぃ♡ はっ、はひっ、んっ……♡ ひっー♡ ひっー♡ お兄ちゃんのぉぉ……あったかいの……嬉しい……」

まだ射精は続いている、兄の鼓動を感じながら自分もまたイク。

長い長い時間をかけて膣内へ全て精液を吐き出し、汗だくになった嘉波は月詠を優しく撫でる。

「しちゃったな! 妹で彼女になってくれた月詠とっ!」

「うんっ♡ お兄ちゃんの彼女になるの夢だったもん♡」

とりとめのない、子供の頃の約束。

本気ではなかったかもしれないが、一度離れてからはガチのマジになった、どれだけ兄が大切かを身をもって理解したのだから。

「もう離れないっ……お兄ちゃんとずっと一緒ぉ♡」

「う゛!? そんなに締めたらまた出そうなんだけどっ」

「んちゅっ♡ んっ♡ ちゅばぁ、ぢゅっ、んぢゅっ♡ いいんだけどなぁ、寧ろお兄ちゃんはまだしたくないの?」

結合を解除する事は許されないらしい。

だいしゅきホールドも止める気配がない、ラブ握りも止めない、こりゃ困ったとわざとらしく笑った嘉波は、キスの後に「まだ出せるぞ」と囁いたものだから、月詠はまた愛液が溢れ出る。

「しよっ♡ えっと……後ろ♡ いいかな?」

だいしゅきホールドだけは(凄くもの悲しい表情をされながら)解除してくれたが、やはり手と膣は嘉波を離さない。

ギュッと引っ掴まれているのに、後ろからピストンする体位に変更するとは、かなり無茶を言ってくれる妹だ。

「あっ、ひゃううっ♡」

回転させられるように体勢を動かされ、見事にバックからの挿入を果たした。

きっと結合部の潤いが少しでも乾いていたら、こんなにスムーズな体勢変更はできなかっただろう。

「犯して……月詠は俺のモノだって叫んで欲しい♡ 私はお兄ちゃんのモノだって誇示するセックスして♡」

兄妹セックス……クる!

「あああっ♡ あっ、おっ、んぅお゛♡」

右手はラブ握りを、左手では手首を無理やり引っ張りながら、腰を尻へと打ち付ける。

「ほっ♡ ほっ♡ んぉ♡ ほっー♡ ほっ♡ ほおぉ♡ おにいちゃんにおかしゃれりゅぅぅしゅきひいぃ~~~~♡」

正常位では初セックスに必死で、視界には妹の顔しか映らなかったのだが……

「きもひいいぃ♡ おにいちゃんおちんぽぉぉ♡ ひぉ♡ んぅほおおぉ♡ おっ、おっ♡ うお♡」

おっぱいはブルッブルに揺れるし、尻肉だってピストンの度に波打つし、太ももの肉までもが震えてるときた。

「肉付きがドスケベすぎるんだよっ月詠ぃぃ!!」

「ひゃぐうううぅ゛ぅ゛♡♡ もっろおおぉ♡ おにいちゃんもっろおおぉ♡ ふほおおっ、おおぅぅ♡」

「お前はっ! 月詠は俺のモノだっ! 俺の妹は俺のモノなんだあああっーーーーッ゛!!!」

とても掌に収まりっこない爆乳、乳輪を辛うじて掴み取って手前に引き寄せる。

淫乱に揺れていた爆乳が嘘みたいに止まって、膣内は乳輪を掴まれる刺激によってギュズズッ……潤いと締め付けが増す。

バックからのセックスなので、膣イボの凹凸具合が正常位と逆転した配置になっている、おまんこの向きも異なる。

前からが後ろからになるだけで、生まれてくる快感が全く違う、だが膣内がデコボコになっているのは、チンポを気持ちよくさせて精液を放出させる為なのだと、ハイスピードなピストンで薄れる意識の中、嘉波は理解する。

「ほっ♡ おっ♡ おおぅ♡ ほぉ♡ ほふほふぅ♡ んほおおっ♡」

「イク……後ろから中出しっ! 月詠を妊娠させる為だけに作った精液っ~~~~出すっ゛っ゛う゛!!」

「キへえええぇ♡ なかだひいぃ~~~~♡ おにいひゃぁんにもっろぉ♡ もっろされたいぃ゛ぃ゛ッ゛♡♡」

後ろからでも自分で腰を動かしてきた月詠。

いや、最初から動いてきていた、経験が無いのにド淫乱な妹は、嘉波が生み出した数々のキャラクターより――ずっとエロい!!

「エロくて可愛い俺の妹! 月詠が大好きだぞっ!」

インナーに包まれていたって、高く突起していると丸分かりな、デカくてグミのように柔らかい乳輪を、ギュッ、と握りしめれば舌を出しながら顎を天井へ向ける。

その瞬間、膣内の構造が一気にせり上がる、思いもよらぬ刺激に嘉波のキンタマは限界だ。

「イぎゅっ♡ イぎゅ゛う゛ん゛♡ イ゛~~……っ゛♡ イッぐ♡ イぐよおお゛ぉ゛~~おに、ちぅやああぁ……ハッー♡ はあああっ♡♡ イグ♡ イグイグうう゛う゛ぅ゛……………………ーーーーッ゛ッ゛お゛♡ ン゛ッ゛♡ ほ゛ぅ゛う゛う゛ぉ゛♡」

レイヤー時には絶対に見せない、聞かせられない、種付けを終えたメスの絶叫は低い唸り声から、突拍子無くカン高い吠え。

ビクビクと震えながら膣内射精中……義理でなければ、決して叶わない妹とのセックス、いや――彼女とのセックス、最高だ!

「あっ………………♡ お兄ちゃん……♡ ちゅぅ♡」

首を傾かせてから、積極的に唇を奪ってくる兄へトキメク。

「惚れ直しちゃった♡ やっぱりお兄ちゃんのこと大好き♡」

「んっ……うんっ、恥ずかしいけど嬉しいぞ!」

これからを想えば考える事はたくさんあるけれど、ひとまず――

「今夜は止まらないからね? まだ俺はできるぞ!」

「やんっ♡ お兄ちゃんに犯される♡ また後ろからぁ♡ パンパンして♡♡」

「おいっ! お尻をグリグリするんじゃっ、ああっ! 月詠ぃぃ~~!」

再会を、大好きな人と結ばれた事を喜ぼう。

一晩中交わりベトベトになった二人は、眠っている時も手を離す事はなかった。

次なるイベント、オンリーイベントへ向けて全く新しいオリジナルの本を、イチから手掛けている嘉波の隣には、妹であり恋人でもある月詠がいてくれる。

結ばれた二人は新居へと引っ越して、同棲を開始させた。

毎日飽きもしないイチャラブな日々、疎遠だった頃の遅れを取り戻さんと、休みなくセックスしていたらどちらも腰を壊して、一週間の入院をした時もあった。

「隣のベッドだったもんねー♪ こっそりお口エッチするの楽しかったね♡」

痛い痛い言いながら、兄のベッドに潜り込んでフェラチオ、ついでと言わんばかりの爆乳パイズリで、二人は性欲を発散させていたのだ。

「お兄ちゃん♡ 衣装できたよ~~! ほーら! どうかな?」

新しいキャラクターの衣装を作り上げて、着てくれるのがコスプレの熱も冷めない、爆発的な止まない月詠だ。

自分で考えたキャラクター、その衣装を実際に作ってくれて、さらに着てくれる彼女……

「……がいます、って言っても信じて貰えなさそうだな」

「あはっ、確かにね!」

オリキャラのスタイルは相当二次元にしたが、二次元よりもエッチな肉体を持つのが妹なので……

「またコメント来てた、Lカップの彼女なんているわけないだろw ……か、うん、まぁ、そう思うよなぁ」

新作は主人公が同人作家、彼女がコスプレイヤーという設定のストーリーだ。
……何処かで聞いた事のある内容だが、基本的には好評、偶にアンチめいたコメントが付くが、そりゃああまりに都合のいい展開だし、都合のいい彼女だ。

「いいじゃん、リアルLカップの彼女がほらっ♡ おっぱいで二の腕挟んでくるんだからぁ♡」

二の腕をパイズリしてくれる彼女、オリキャラはカップサイズこそ月詠と同じに設定したが、ウエストは月詠の方が細いし、ヒップだって月詠の方が肉付きがいい。

これは設定を決めてから月詠の体系が変化したからだ、エクササイズという名の兄妹セックスは、毎日欠かしていないので絞られているのだろう。

お尻に関しては逆に肉付きが増しているが……エロいのでOKだ。

「もうすぐおっぱい大きくなる気がするけどね♡」

「それはっ……あぁ! なっちゃうな!」

彼女になったばかりなのに、もう間もなく彼女ではなくなってしまう。

だって……妹はお嫁さんになってくれるのだから。

「おっぱい出せるようにして♡ お兄ちゃん♡ あっ♡ んっ、んんぅ♡ エッチなスイッチ入っちゃうよぉ♡」

「おっぱい揉ませてくるのは誰だよ……パイズリから、お願い」

喜んで机の下に潜り込んで、コスプレ衣装を脱がないまま、嘉波の黒々と変貌したデカチンをLカップで挟みこむ。

「お兄ちゃん大好きぃ~~……♡ いっぱい出して♡ おっぱいにいっぱい♡ お兄ちゃんに種蒔きされたい♡ もっとおっぱい大きくなって、おっぱい出せるようになるぅ♡」

頭を撫でられながらの乳奉仕、描けたばかりの漫画と比較しても、やっぱり妹の方が断然エロいのだと、自らのキャラクターへ嘉波は誇るような視線を作り上げた。

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